7-2 国際協力
(1)開発途上国に対する国際協力
開発途上国に対する国際協力を大別すると,研修員の受入れ,専門家の派遣等を行う技術協力と,開発プロジェクトに対して資金を供与する資金協力との二つに分けられる。
ア 技術協力
技術協力の形態には,研修員の受入れ,専門家の派遣,機材供与,及びこれら三つを有機的に連携させたプロジェクト方式技術協力並びに開発調査等があり,これら政府ベースの技術協力は,主として国際協力事業団(JICA)を通じて実施されている。
(ア)研修員の受入れ
研修員の受入れは,開発途上国の通信・放送関係技術者等を我が国に受け入れて,我が国の進んだ技術を習得させることを目的とするものである。受入れ方式には,大別して集団研修と個別研修とがある。
集団研修は,開発途上国におけるニーズの高い分野を選定し,あらかじめ研修コースを設定し,集団的に研修を行うものである。
個別研修は,開発途上国から個々に要請される専門分野について研修を行うもので,単発要請,特定地域あるいは特定国を対象とする特設コースヘの参加,カウンターパートの受入れ,UPU,ITU,APT等の国際機関からの要請による受入れが含まれる。
研修対象者は,開発途上国の政府機関,公共機関及び民間の通信・放送関係の技術者,行政官,研究者等で,当該国政府から推薦された者である。







C 放送関係


D 第三国研修


(イ)専門家の派遣
専門家の派遣は,開発途上国の郵便事業・通信・放送関係の主管庁,事業運営体,研究機関,教育訓練機関等へ専門家を派遣し,郵政事業・通信・放送開発計画の企画・助言,施設の建設,運用保守面の指導,職員の訓練等を行うことにより開発途上国の人材育成に貢献することを目的として実施するものである。
A 郵政事業関係


B 電気通信関係



C 放送関係


D 専門家派遣要請背景調査
専門家派遣要請背景調査は,専門家の派遣を実施するために必要な情報を入手し,併せて,日本の専門家派遣制度の説明を行うために実施している。

(ウ)プロジェクト方式技術協力
プロジェクト方式技術協力は,開発途上国における技術者等の養成等を目的とすRプロジェクトに対し,我が国政府が専門家の派遣,研修員の受入れ,機材の供与を有機的に関連付けて,事業計画の立案から実施,評価までを通常5か年の協力期間をもって計画的かつ総合的に行う協力形態である。
現在協力中のプロジェクト及び過去5年間の協力状況は,次のとおりである。


(エ)開発調査
開発調査においては,開発途上国の公共的な通信・放送開発計画に関して,調査団を派遣し,電気通信・放送開発計画に関して,現地調査及び国内作業を行い,その開発計画の推進に寄与する報告書を作成している。




(オ)単独機材供与
単独機材供与とは,技術訓練,技術移転および技術の普及を円滑に行い,当該国の経済的,社会的発展に貢献することを目的として,開発途上国に必要機材を供与するものである。


(カ)所管法人を通じた国際協力事業
通信・放送分野における我が国の国際協力体制を強化するため,財団法人海外通信・放送コンサルティング協力が実施する[1]プロジェクトのフォーメーション及び円滑な実施のための事前調査,[2]技術協力基盤強化のため,海外派遣専門家の育成,[3]海外研修員受入事業に対し助成を行った。
また,一昨年開発途上国の電気通信発展への協力を目的とした「電気通信開発センター」がジュネーヴに設立されたが,このセンターへの専門家派遣,資金の拠出等の支援を主たる業務とする「財団法人世界通信開発機構」の設立を許可し,国際機関を通じた国際協力推進体制を整備した。
イ.資金協力
(ア)円借款



(イ)無償資金協力








(2)二国間の科学技術協力協定等に基づく国際協力
ア 概要
二国間科学技術協力は,政府間で科学技術分野における情報交換,研究者交流,共同研究等を行うものであり,近年通信・放送分野における協力が増加している。

イ.活動状況

(3)要人往来


(4)主な民間ベース技術協力



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