会議資料・開催案内等


―速報のため事後修正の可能性あり―

独立行政法人評価分科会(平成19年5月30日開催)議事要旨


  1.  日時 平成19年5月30日(水)13時30分から16時30分

  2.  場所 航空会館 701+702会議室

  3.  出席者
    (独立行政法人評価分科会所属委員)
    大橋洋治政策評価・独立行政法人評価委員長、富田俊基独立行政法人評価分科会長、樫谷隆夫独立行政法人評価分科会長代理、稲継裕昭、梅里良正、岡本義朗、梶川融、河村小百合、黒川行治、黒田玲子、櫻井通晴、鈴木豊、玉井克哉、松田美幸の各臨時委員

    (総務省)
    伊藤孝雄官房審議官、白岩俊評価監視官、清水正博評価監視官、岩田博調査官、鶴巻郁夫調査官

  4.  議題
    (1)    独立行政法人の事務・事業に関する府省ヒアリング(国土交通省)
    (2)    役員の退職金に係る業績勘案率について
    (3)    報告事項

  5.  配布資料(PDF)
    (1)    国土交通省説明資料(鉄道建設・運輸施設整備支援機構、水資源機構(12)、空港周辺整備機構(12)、海上災害防止センター国際観光振興機構
    (2)    各府省独立行政法人評価委員会の業績勘案率(案)について外務省厚生労働省農林水産省経済産業省

  6.  会議経過
    (1)  国土交通省から同省所管の独立行政法人の事務・事業についての説明が行われ、その後質疑応答が行われた。質疑等の概要は以下のとおり。

     (鉄道建設・運輸施設整備支援機構について)
      ○  高度船舶技術開発支援業務については、助成、利子補給、債務保証と手段が多岐に渡っており、これほど手厚くする必要があるのかという印象を受ける。実績についても、例えば債務保証は実績がなく、利子補給や助成も件数が少ない。また助成対象事業であったテクノスーパーライナーも就航先が未だ決まっていないなど、全般的に効果が上がっておらず、財政事情が極めて厳しい中、必要な分野に重点的に資金を投入していく政策スキームが必要ではないか。
      ○  船舶共有建造業務について、機構は債務超過額579億円、繰越欠損金377億円を発生させているが、これは最終的に国民負担となりうるものであり、その発生原因をどのように分析し、今後、改善方針をどのように考えているのか。事務局を通じて詳細な計画を提出してほしい。また、近年、共有船建造の実績が少なくなっているという現状などを踏まえると、政策目的の達成手段としての効果がなくなっているのではないか。今のままのやり方ではなく、例えば政策手段を補助金、技術支援等に変えることも含めて検討すべきではないか。
      ○  債務超過額について80億円の改善があったとしているが、内訳は利益で40億円と、一般会計からの出資金受入が40億円となっている。一般会計から出資金を入れたということは、民間企業で言えば資本を注入してもらったということであり、改善とは言えない。
      ○  共有建造といっても実際は資金の貸付に近く、回収できるかどうかという点について審査をしっかりやらなければならない。審査体制はどのようになっているのか。
      ○  基礎的研究業務については、国土交通省所管の他の研究機関に、交通安全環境研究所や海上技術安全研究所等、似たような部門の機関があるが、本機構で行わなければならない理由は何か。
      ○  鉄道建設業務に係るコスト削減については、機構の努力によるものや市場価格の変動によるものなどいろいろ要因があると思うが、どのように分析しているのか。
      ○  鉄道助成業務について、補助金の交付を国が行わずに機構で実施することの意義は何か。
      ○  現在、機構は1兆円を超える有価証券を保有しているが、これら有価証券の運用が他の機関と比べて相当低い利回りになっている。どのような方針のもとに行っているのか。
      ○  業務の効率化について、もっとインセンティブが働くようにすべきではないか。

     (独立行政法人水資源機構について)
      ○  コスト構造改革プログラムを進める中、コスト削減に係る要因別の内訳等の分析を行っているか。
      ○  ダム建設に関して、国や地方自治体が主体となって実施しているものと機構が実施しているものがあるが、建設及び管理等にかかるコスト比較を行っているか。行っている場合、その結果を機構が建設する際にいかしているか。
      ○  水門設備工事の発注に関してOBによる談合が行われていたとの報道があったが、このような談合が行われた発生原因についてどう考えるか。構造的な問題とすれば、組織としての内部統制だけでなく、発注の仕組そのものを改善する必要があるのではないか。
      ○  ダム、用水路等の建設において、現在建設中の事業の約半分について事業実施計画の変更がなされている。変更が一体どのような原因によるものなのか分析し、その変更理由について開示しているのか。何回も変更する理由は何か。当初の計画通り実施された割合はどれくらいか。過去の経験がいかされていないのではないか。さらに、このように何回も変更があるのでは、一体事業の完成はいつになると考えるか。
      ○  管理業務について、委託する管理主体を選定する際、どのような基準で選定しているのか。また委託しているものと機構が直接実施しているものとのコスト比較を行っているか。それら管理業務を包括的に民間委託することはできないか。
      ○  受託業務として、17年4月に「総合技術推進室」に60人を配置し、調査、研究等を実施しているとのことだが、建設・管理の2つの主要業務以外の調査研究に係る受託業務のほかに、自ら行う調査研究については、いわば附帯業務との認識で実施しているのか。当該推進室にかかる収支の内容、推進室設置に伴い人員配置をどのように変えたのか、また、受託の件数及び金額の推移等具体的な資料を示してほしい。
      ○  積立金が年々増加しているが、その要因について詳しいデータを示してほしい。財政難の中、この積立金をどのようにするのか引き続き検討すべきではないか。

     (独立行政法人空港周辺整備機構について)
      ○  移転補償等の各事業について、どの程度事業実施済みの範囲があるのか地図上で示したものをいただきたい。
      ○  移転補償について、事業開始から30数年間も継続して実施した結果、現在4割の事業進捗率ということであるが、このまま事業を進めていく必要性についてどう考えるか。
      ○  移転補償の対象範囲について、売却等により所有権が移転した場合も承継されるなどの、その運用について見直した場合、問題があるのか。また、防音事業に関して、現在エアコン等の空調器機は一般家庭にあるものであり、措置を講じなくてもよいのではないか。
      ○  他の国が管理する特定飛行場においては、移転補償事業、緑地造成事業等は、国が実施していることであり、また事業量が減少している中で、機構が引き続き受託、助成を実施していかなければならない積極的な理由は何か。国又は地方公共団体が事業を実施する方が効率的ではないか。
      ○  代替地造成事業に伴う不動産情報の提供に関しては、機構が行う必要はあるのか。民間におい て不動産に関する十分な市場ができており、民間等に任せた方が効率的ではないか。リスクがあるのではないかとの懸念もあるが、対応可能な範囲ではないか。
      ○  緑地造成事業は、その政策目的である航空機騒音の緩和と生活環境改善、有効な土地利用について、国交省と本機構のどちらに責任があるのか。また、緑地造成事業の進ちょく状況でなく、施策としての成果をどのような指標で計ろうとしているのか。
      ○  再開発整備事業の採算性はどうなっているのか。また、利益が出るようであれば、民間で管理したほうが合理的とも考えられるがどうか。

     (独立行政法人海上災害防止センターについて)
      ○  業務運営の合理化・効率化を進め、コスト縮減の結果について、具体的な分析をどのように行っているか。また、訓練業務において、受講料を値上げした理由は何か。
      ○  防災業務について、国費投入もありうる中、効率的かつ経済的に実施したかという評価、検証がなされるべきであり、どのような指標に基づいて評価しているのか。その評価に関する資料を提出してほしい。
      ○  採算性が低く、毎年国費を投入しなければならないということであれば独法であるということも理解できるが、実際はそうではない。本センターが独法でなければならない理由は何か。
      ○  防災基金として過去の防災業務実績の年度平均6.4億円の倍程度の額を保有しているが、その規模は適正なのか。その適正性について検討を行っているか。
      ○  防災基金以外の基金について運用面ではどのように工夫されているか。
      ○  これまでに、防災業務に要した費用の強制徴収をセンターが実施した実績はあるのか。30人程度の職員数の独法で、強制徴収を実施することは難しく、結局国が行うことになり、権利として持つ必要がないのではないか。30人程度の独法でどこまで実務的に実施できるかは疑問である。

     (独立行政法人国際観光振興機構について)
      ○  ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)事業の実施に当たっては、VJC実施本部事務局が主体となって実施していると承知しているが、VJCの枠組みの中で機構が果たしている役割は何か。VJC事業の実施に当たり、機構はどの段階でどのように関わっているのかよくわからない。VJC事務局との関係を整理する必要があるのではないか。
      ○  外国人観光客数の増加には、為替レートを始め様々な外部要因の影響が考えられるが、機構の努力によって増えた部分がどれだけあるのか把握しているか。少なくとも為替レートの影響については定量的に分析することは十分に可能であり、今後検討すべき。
      ○  外国人旅行者の受入体制整備、国際コンベンション等の誘致・開催支援については、機構以外にも、各地方の観光協会等様々な機関が関わっているが、どのように役割分担しているのか。
      ○  海外事務所は、どのような考え方に基づいて配置しているのか。欧米に事務所が多数あり、また職員の内訳を見ても、欧米の事務所に国からの出向職員が多数配置されているのは何故か。
      ○  国民からみると、送客数等の数字はどう評価したらよいのかわからない。諸外国との比較や、日本全体の観光客数に占める割合等のデータを用いてもっと丁寧に説明すべき。
      ○  職員100人のうち20人が管理部門というのは理解し難い。

    (2)  事務局から役員の退職金に係る業績勘案率についての説明が行われ、案のとおり了承された。質疑等の概要は以下のとおり。
      ○  業績勘案率が1.0で問題なしばかりだと、評価が固定化しているのではないか、有効性がないのではないかとも懸念される。今後留意していくべきである。
      ○  在任期間が1年等と短い場合、どのような人事を行っているのか疑問を持つ。期間が短い場合はその理由を付記してはどうか。

    (3)  事務局から、今後の分科会の日程等についての報告があった。

以上
(文責:総務省行政評価局独立行政法人第一担当室)


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