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会見発言記事

高市総務大臣閣議後記者会見の概要

令和元年11月8日

冒頭発言

皆様、おはようございます。


家計調査結果別ウィンドウで開きます

 本日の閣議におきまして、家計調査結果について報告をしました。そのポイントを説明いたします。
 全国二人以上世帯の9月の消費支出は、一年前に比べて、変動調整値で名目9.8%の増加、実質9.5%の増加となりました。
 「電気代」などが実質減少となりました一方、電気冷蔵庫などの「家庭用耐久財」や、移動電話通信料や鉄道定期代などの「交通・通信」など、多くの項目が実質増加となりました。
 一年前と比べた世帯の消費支出は、消費税率引上げ直前の駆け込みなどにより、名目、実質ともに、一時的に大きく増加しました。
 詳細につきましては、統計局にお問い合わせください。


【水戸市及び吹田市の中核市指定】

 本日の閣議で、水戸市及び吹田市を中核市として指定する政令が決定されました。
 今後、2市におかれましては、来年4月からの移行に向けて準備を進め、引き続き適切な行政運営に努めていただきたいと考えております。
 この件の詳細は、自治行政局市町村課にお問い合わせください。


【令和元年秋季全国火災予防運動等】

 毎年11月9日からの1週間は、「秋の全国火災予防運動」の実施週間であり、この間、全国各地で防火防災に関するイベントや消防訓練などが行われます。
 これから寒い季節を迎えるにあたっての、ご家庭での火気の適切な取扱いや、「住宅用火災警報器」の定期的な点検・交換の必要性を重点的に呼びかけてまいります。
 また、今年は、台風による被害が頻発する中、停電が復旧し再び通電する際に電気配線や電気機器から発火する、いわゆる「通電火災」が疑われる火災が発生しています。
 今回の火災予防運動では、平時の火災予防はもちろん、災害時の火災予防の重要性についても、呼びかけてまいります。
 また、11月9日は、「119番」の日でもあり、消防庁では、毎年、住民の皆様に対し、消防に対する正しい理解と認識を深めていただくよう呼びかけております。
 119番通報の主な目的は救急でございますが、昨年の救急出動件数は、速報値で約661万件と過去最多となっており、救急車の適正利用は重要な課題でございます。
 その対策として、救急車を呼ぶかどうか迷った時に、専門家が電話で相談に応じる救急安心センター事業「#7119」が、極めて有効な方策と認識しております。
 一層の普及啓発に向けて、このたび、小学生を中心に知名度の高いキャラクターと連携した広報をスタートさせることといたしました。
 まずは本日から、消防庁ホームページに特設サイトを設置して公開します。
 詳細は、消防庁予防課、救急企画室にお問い合わせください。


NHKのインターネット活用業務実施基準の変更案に関する総務省の基本的考え方の意見募集別ウィンドウで開きます及びNHKに対する要請別ウィンドウで開きます

 本年10月15日火曜日に、NHKから認可申請のありましたインターネット活用業務実施基準の変更案に関しまして、本日、「総務省の基本的考え方」を発表いたします。
 また、NHKに対しましては、この「総務省の基本的考え方」に関する検討を、先ほど、要請したところでございます。
 本件につきましては、12月8日まで意見募集を実施いたします。
 以下、配布しました資料のポイントについて説明をいたします。

[協会の業務に関する総務省の基本的考え方] 
 NHKの在り方については、「業務」「受信料」「ガバナンス」を三位一体で改革していくことが必要であり、特に、「既存業務の見直し」や「受信料額の適正な水準を含めた受信料の在り方」については、引き続き検討が必要でございます。
 インターネット活用業務の実施に当たりましては、改正法案に対する国会の附帯決議において、「協会の目的や受信料制度の趣旨に沿って適切に実施されるよう、公正競争確保の観点から、適正な規模の下、節度をもって事業を運営する」ことが求められていることにも留意が必要と考えております。

[業務の実施に当たって留意すべき事項]
 NHKの「業務」「受信料」「ガバナンス」のそれぞれの改革の現状について整理し、NHKには、取組の徹底を図ることが求められます。
 三位一体改革について具体的に申し上げますと、業務全体の見直しにつきましては、業務の合理化・効率化、適切な給与水準・人員数の検討、調達に係る取引の透明化・経費削減、関連団体への業務委託についての透明性・適正性の向上、あるいは、子会社の業務範囲の適正化など子会社の在り方をゼロベースで見直す抜本的な改革を図っていただくことが必要でございます。
 受信料の在り方の見直しにつきましては、依然として1,161億円の財政安定のための繰越金を有していることを踏まえ、既存業務全体の見直しを徹底的に進め、受信料額の適正な水準を含めた受信料の在り方について、引き続き検討を行うことが必要でございます。
 ガバナンス改革につきましては、法令及び「日本放送協会の子会社等の事業運営の在り方に関するガイドライン」の規定に沿って、ガバナンスの強化を図り、既存業務の見直しを適切に進めることが求められます。
 また、インターネット活用業務を含む協会の業務全体を肥大化させないことが求められます。
 中期経営計画において、215億円の事業収支差金の赤字を見込んでいることを踏まえますと、インターネット活用業務の拡大が、そのまま事業支出の増加につながり、事業収支のバランスを悪化させることとならないように取り組むことが強く求められます。

[NHK案の概要]
 NHKから認可申請のございました案の概要についても整理をさせていただきました。
 そして、いよいよ私どもの考え方でございます。

[NHK案に対する総務省の基本的考え方]
 主なポイントは、「受信料制度との関係」「民間放送事業者との連携・協力」「費用の上限」の3点でございます。
 第1に、受信料制度との関係でございますが、NHK案では、常時同時配信を提供する画面上に受信契約を確認するためのメッセージを表示し、受信契約を結んでいることが確認できた場合には、メッセージを消去し、見逃し配信を利用可能とすることとしておられます。
 しかし、東京オリンピック・パラリンピック競技大会に際しては、常時同時配信のメッセージ表示をなくし、また、見逃し配信も一般に利用できることとなっています。
 この点、NHKが実施した意見募集におきましても、受信料負担の公平性や市場競争を損なうという懸念が示されています。
 総務省としましては、受信料負担の公平性や市場競争の観点から、特例的な措置は設けないことが望ましいと考えております。
 第2に、民間放送事業者との連携・協力でございます。
 放送法第20条第14項では、「地方向けの放送番組の提供」や「民間放送事業者との連携・協力」が求められているところですが、NHK案においては、時期や内容の見込みが明らかではございません。
 総務省としましては、「地方向けの放送の提供」の時期や内容については、常時同時配信の提供前に明らかにするとともに、民間放送事業者との協議の場を設けて、業務の内容を具体化することが望ましいと考えております。
 第3に、費用の上限でございます。
 NHK案では、常時同時配信などの開始に伴って、インターネット活用業務全体の費用上限が、従来の「受信料収入の2.5%」から、約3.8%相当に著しく増加する考えが示されています。ちなみに、これはNHKの令和元年度予算における受信料収入7,032億円をもとに算出したものでございます。
 この点、インターネット活用業務に要する費用が増加しますと、収支の赤字を拡大する恐れがあるほか、NHKが認可申請に先立って実施した意見募集におきましても、市場競争の阻害につながるとの懸念が示されております。
 総務省としましては、令和2年度については、東京オリンピック・パラリンピック競技大会に係る費用を除き、従来の「受信料収入の2.5%」を費用の上限とすることが望ましいと考えています。

[今後の進め方]
 透明性の高いプロセスの下、国民・視聴者の皆様のご意見も踏まえて判断したく、意見募集を明日から実施いたします。
 総務省としましては、この資料で示した考え方について、意見募集で寄せられたご意見や、総務省の検討要請に対するNHK側の検討結果も踏まえて、NHK案を審査することを予定しています。
 詳細につきましては、この後事務方から説明をさせます。

 
 私からは、以上でございます。
 

質疑応答


マイナポイント導入に向けての予算要求

問:
  昨日の経済財政諮問会議でも話し合われました、マイナンバーを使った消費促進策、マイナポイントについてお伺いいたします。これから予算の編成作業に入りますが、マイナポイント導入に向けてどのような要求をしていきたいとお考えでしょうか。

答:
 予算要求につきましては、民間キャッシュレス決済サービスを用いて前払いなどをした方に対して、マイナポイントのプレミアム分を国費で付与することとしております。  そのプレミアム分及び事業実施に必要な事務的な経費を 計上していくことになります。   プレミアム率や概ねの対象人数などは、今後、予算編成の中で決定してまいりたいと思っております。


NHKのインターネット活用業務実施基準の変更案に関する総務省の基本的考え方

問:
 先ほどご発言いただいたNHKの実施基準案についての考え方に関してなんですけど、2点伺わせてください。
  まず、令和2年度については2.5%の範囲内ですとか、特例措置は設けないですとか、そういうことが望ましいとおっしゃったわけですけど、こういった修正が図られない場合は、基本的に認可が難しいというご認識なんでしょうか。まず1点目をお願いします。

答:
 現時点で、認可の可否について申し上げる段階にはございません。
  この2.5%という数字でございますけれども、現在は、NHK側からの申し出によって、2.5%でやっておられます。
 今後、大切な受信料で行う業務でございますので、意見募集の結果や、NHKにも、パブリックコメントが終了する同時期に向けて、総務省意見に対する再検討を要請しておりますので、その結果も踏まえながら、厳正に審査をさせていただきたいと考えております。

問:
  もう1点、三位一体改革なんですけれども、「業務」「受信料」「ガバナンス」、改めてそれぞれ改革の進捗をどのように大臣は評価されているのでしょうか。
 
答:
 「業務全体の見直し」「受信料在り方の見直し」「ガバナンス改革」のいわゆる三位一体の改革について、具体的に記載させていただきました。
   「業務全体の見直し」ですが、業務の合理化・効率化、適切な給与水準・人員数、情報公開、調達、業務委託、外部制作事業者の活用や、子会社の在り方のゼロベースの見直し、4K、8K放送の普及段階を見据えた衛星放送の在り方について、考え方を示させていただきました。
 「受信料の在り方の見直し」については、平成30年度末には、依然として1,161億円の繰越金を有していることを踏まえて、既存業務全体の見直しを徹底的に進め、受信料額の適正な水準を含めた受信料の在り方について、引き続き検討を行うことが必要としております。
 「ガバナンス改革」については、新たに整備された法令及びガイドラインの規定に沿って、ガバナンスの強化を図っていただくことが求められております。

問:
  改めて、今回NHKの経営改革だったり、三位一体、受信料引き下げだったりとか、それはやはり不十分だというお考えで、今回のような措置に至ったのでしょうか。
 
答:
 NHKの経営改革ですが、前回、私が大臣を務めていた折に、有識者会議で熱心なご検討をいただき、出された結論をもとに、放送法の改正案が国会に提出されました。
  三位一体改革は、有識者会議の提言でも強く求めていたわけでございますが、三位一体改革の進捗状況は、今、申し上げたとおりであります。

問:
  本件につきましては、課題検討会も含めて、先ほど大臣がおっしゃられたように、検討されてきたように思います。それでもなお、今回このように、NHKに対して総務省として意見を示す事態になったというのは、どういうふうな理由があるとお考えなんでしょうか。
 
答:
 三位一体改革については、それを前提に改正放送法案を作成し、国会でご審議をいただきました。
 その上で、まだできていないことをクリアしていただかなければならないと思っております。
  このインターネット活用業務も、皆様がお支払いいただく受信料を財源として行われるものでございますから、改革をしっかりと進めていただいた上で、真に必要なものを見極めていただき、既に実施されているインターネット活用業務との整理もしていただきたいと思っております。
 参考までに申し上げますと、今、NHKがインターネット活用業務として無料配信しているのは、ラジオ放送については、NHK第1、第2、FMをインターネットで同時配信をしておられます。
 平成29年度からは、radikoでの配信もしておられます。
  「NHKワールドジャパン」は、外国人向けの国際放送でございますが、テレビもラジオもインターネットで同時配信をなさっておられます。平成21年からサービスが開始されております。
 私たちにとって最も大切なことですが、災害情報の同時提供もしていただいています。
  災害時においては、地上テレビジョン放送のインターネット同時配信を、平成27年から実施していただいております。
  この他にも、インターネット活用業務としては、ハイブリッドキャストサービスもありますし、特に、番組の同時配信については、試験的な提供も行われてまいりました。
 FIFAワールドカップロシアや平昌オリンピック冬季競技大会なども含めて行われてきました。
  平成27年度には、7時から23時まで総合を配信され、平成28年度には、総合と教育を配信。平成29年度には、総合と教育を、長時間にわたって、5時から25時まで配信をされておられます。
  このように、既に実施している業務の要否も検討されるとともに、有料配信であるNHKオンデマンドとの整理もございます。
  見逃し配信なども含めて、全部受信料財源で全部やるというのは違う話であり、NHKオンデマンドとの整理も必要ではないかと考えております。

問:
  2点お願いします。1点目は、局長からの要請についてなんですけれども、今日のお話を踏まえると実施基準案そのものの見直しに加えて、三位一体改革について、もう少し具体策を示してほしいという、主に2つの要請があるように見受けられますが、そういう理解でよろしいですか。
 
答:
 冒頭に、ご説明申し上げたとおりでございます。
  もちろん、協会の業務に対する総務省の基本的な考え方として、三位一体改革を推進していくことについても要請させていただきますし、また、業務の実施に当たって留意すべき点として、「業務」「受信料」「ガバナンス」それぞれの改革の現状について、整理をしていただき、取組の徹底を図っていただくということでございます。
 今回、パブリックコメントにかけさせていただきますが、NHKから申請をいただいた実施基準の変更案に対しては、「受信料制度との関係」、「民間放送事業者との連携・協力」、「費用上限」の3つが、ポイントでございます。

問:
  NHKも予算の編成が、だいぶ迫っている時期でして、今回の考え方を示したことが、配信事業そのものの見直しとか、あるいは開始時期が遅れるとか、そういう影響についてどうお考えであるかということと、9月に示された案でしたので、例えばもう少し早くこういうお考えを示すことができなかったかどうか、最後に教えてください。
 
答:
  NHKから認可申請があったのは、10月15日でございます。私自身も全文読み込ませていただきました。
  そして、パブリックコメントで寄せられた多くのご意見、民放連や日本新聞協会のご意見だけではなくて、個人の方々から寄せられたご意見も含めますと、非常に分厚いものでしたが、一つ残らず読み込ませていただきました。
  さらには、衆・参の国会の決議、審議の経緯、有識者会議で取りまとめいただいた内容など、すべてを読み込み、総合的に判断をさせていただきました。
 最初のご質問ですけれども、この総務省の基本的考え方については、明日から12月8日の日曜日まで、1か月間、意見募集を行います。
  また、NHKに対しましては、この基本的考え方についての検討結果を、12月8日までに、総務省に提出していただくように要請をいたしました。
 総務省としましては、12月8日にまとまる意見募集の結果、NHKから頂戴する回答も踏まえまして、速やかに認可申請を審査してまいります。
  例年1月には、NHKの予算提出が行われていることも念頭に置きながら、審査の作業を進めてまいります。



地方税の徴税コスト


問:
 財務省の財政制度等審議会が自治体の徴税コストが国に比べて高いということで、コスト電子化などによって縮減するよう提言しましたが、大臣の受け止めをお願いします。

答:
  自治体の税金徴収に係る費用が、国の1.7倍だという財務省の指摘がございました。
 国と地方の徴税コストの比較につきましては、そもそも 国税と地方税では、取り扱う税目が異なっております。
  また、国税は、申告納税が基本でございますが、地方税は、課税側が調査をし、税額を決定する賦課課税税目が多く、課税対象の把握などに手間がかかることなどから、単純な比較は困難でございます。
 総務省では、地方団体共通の税務システムでありますエルタックスにおきまして、今年10月、一度の手続で複数の地方団体に納税できる「地方税共通納税システム」を稼働させることなどで、地方団体、納税者双方の負担軽減に取り組んでまいりました。
  今後も「地方税共通納税システム」の対象税目の拡大など、更なる機能拡大を進めることといたしております。
  地方団体の基幹税務システムの標準化につきましても、システムの管理運営や更新に係る一層の効率化を図る観点から、検討を進めてまいります。


問:
 よろしいでしょうか。では、これで会見を終わらせていただきます。ありがとうございました。

答:
 どうもお疲れさまでございます。
大臣の動画はこちら別ウィンドウで開きます(YouTube)

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