総務省は、国際民間航空条約第10附属書第85改訂に伴う国内の技術基準を整備するための関係告示の一部改正案について、平成23年3月31日から同年5月2日までの間、意見募集を行ったところ、意見の提出はありませんでした。
総務省では、意見募集の結果を踏まえ、速やかに制度整備を行う予定です。
1 改正の背景
航空無線通信は、航空機の安全運航を確保するために必要不可欠な通信手段として有効に活用されているところですが、この度、国際民間航空機関(ICAO)において国際民間航空条約(以下、「ICAO条約」という。)第10附属書の改訂が行われたことに伴い、国内の技術基準を整備する上での問題点及び対策について、平成23年2月15日に情報通信審議会より「ICAOの無線通信に関する勧告等により、国内の技術基準を整備する上での問題点及び対策」として、答申を受けました。
総務省では、この答申を踏まえ、ICAO条約の第10附属書の第85改訂の内容を国内の技術的条件に反映するため、関係告示の一部改正を行おうとするものです。
(参考)
国際民間航空条約は、国際民間航空の安全かつ整然とした発達及び国際航空運送業務の健全かつ経済的な運営を目的とした条約です。同条約の附属書は、国際航空運送に関する国際基準及び勧告を定めており、第10附属書は航空通信について規定しています。
2 改正の概要
本改正案の概要は次のとおりです。
(1)昭和63年郵政省告示第874号(ATCRBSの無線局の無線設備の技術的条件を定める件)の一部を改正する告示案:
ICAO条約第10附属書の第85改訂の内容のうち、航空機側のトランスポンダに「SI(監視識別:Surveillance Identifier)」能力を追加するものです。
(2)平成2年郵政省告示第574号(ACASの技術的条件を定める件)の一部を改正する告示案:
ICAO条約第10附属書の規定において、第85改訂にて修正されたものを告示に反映するものです。
(参考)
ATCRBS(航空交通管制用レーダービーコンシステム):
航空交通管制に用いられる航空機の高度、位置等を識別するシステム。
ACAS(航空機衝突防止システム):
衝突等の恐れがある接近中の他の航空機からの信号を受信してパイロットに警告するシステム。
3 意見募集の結果
平成23年3月31日から同年5月2日までの間、当該各告示案について意見募集を行ったところ、意見の提出はありませんでした。
4 今後の予定
総務省は、意見募集の結果を踏まえ、速やかに制度整備を行う予定です。
【関係報道資料】
・国際民間航空条約第10付属書第85改訂に伴う航空無線通信の技術的条件の見直し(平成23年2月15日)
・国際民間航空条約第10附属書第85改訂に伴う航空無線通信の技術的条件の見直しに係る意見募集(平成23年3月30日)