※1 複数地点受信方式航空監視システム(マルチラテレーションシステム)とは、SSRモードS※2の信号を利用し、空港内の航空機又は車両に搭載される無線設備から送信される信号を3カ所以上の受信設備で受信することで、航空機等の位置を把握する監視システム。
※2 SSR(Secondary Surveillance Radar:二次監視レーダー)とは、質問信号を発射し、これを受信した航空機の応答装置から発射される応答信号を受信することで航空機の位置監視を行うレーダーであり、モードS(mode Selective)とは、航空機ごとの選択的な位置監視が可能なSSRの機能。
(1)複数地点受信方式航空監視システムの導入
平成22年度に予定されている東京国際空港(羽田空港)の新滑走路整備に伴う航空交通量の増大等に伴い、滑走路、誘導路等における航空機の位置監視の重要性が更に高くなります。
このような状況を踏まえ、滑走路、誘導路等における航空機の位置監視を行う複数地点受信方式航空監視システムの国内導入のため、規定の整備を行うものです。
(2)航空機局、航空局等における共通装置の利用の拡充
ア 同一の免許人の航空機局相互間で共通に利用可能な装置の拡充
現在、複数の航空機局相互間において共通に使用する装置については、同一の電波の型式、周波数及び空中線電力で使用する場合であって、かつ、同一の型式のもののみ、共通装置として取り扱うことが可能となっています。
しかしながら、製造中止となった古い装置等については同一の型式の装置を調達することが困難な場合があるため、同一の規格の検定内容に合格している機器の装置であれば共通装置として取り扱うことを可能とし、利用者の利便性の向上を図るため、関係規定の整備を行います。
イ 同一の免許人の航空局等相互間で共通に利用可能な装置の導入
航空局や航空交通安全の確保のため運用を行っている無線航行陸上局及び特別業務の局については、災害発生時等において装置が故障した場合、迅速な復旧が求められます。このため、これらの同一局種の無線局間において共通に使用可能な予備装置を規定し、災害発生時等における可用性確保の向上に資するため、関係規定の整備を行います。
(3)航空移動業務に使用する周波数の追加
関東周辺の航空交通管制に係る空域の再編及び羽田空港の滑走路拡張等に伴い、各種管制業務に新たに使用開始予定の周波数を航空移動業務に使用する周波数に追加するため、関係規定の整備を行います。
(4)スポーツ及びレジャーに係る無線機器利用の拡充
航空分野におけるスポーツ及びレジャーのための無線機器利用の需要増を受け、利用者の利便性向上に資するため、以下の事項に係る規定整備を行います。
ア 飛行援助用航空局と同一飛行場内において同一周波数により使用する補助的な飛行援助用航空局を導入
イ スポーツ及びレジャー用携帯局の通信の相手方を拡大
(1)複数地点受信方式航空監視システムの導入に伴い、次の規定の整備を行います。
対 象 規 定 |
概 要 |
無線局免許手続規則(昭和25年電波監理委員会規則第15号)の一部を改正する省令案【別表第二号の二関係】 |
ノントランスポンダについて、工事設計書記載事項のうち有効通達距離の記載を不要と規定 |
登録点検事業者等規則(平成9年郵政省令第76号)の一部を改正する省令案【別表第四号関係】 |
ノントランスポンダについて、電気的特性の点検項目に送信パルス特性を規定 |
平成9年郵政省告示第666号(認定点検事業者が行う点検の実施方法等を定める件)の一部を改正する告示案 | |
平成2年郵政省告示第240号(無線従事者の資格を要しない簡易な操作を定める件)の一部を改正する告示案 |
無線従事者の資格を要しない簡易な操作の対象に、ノントランスポンダに係る操作を追加 |
複数地点受信方式航空監視システムの無線局の無線設備及びノントランスポンダの技術的条件等を定める告示案 |
質問信号送信設備、基準信号送信設備及びノントランスポンダの技術的条件を規定 |
複数地点受信方式航空監視システムの無線局の無線設備及びノントランスポンダの帯域外領域におけるスプリアス発射の強度の許容値及びスプリアス領域における不要発射の強度の許容値を定める告示案 |
各無線局のスプリアス発射の強度の許容値等を規定 |
(2)航空機局、航空局等における共通装置の利用の拡充に伴い、次の規定の整備を行います。
対 象 規 定 |
概 要 |
無線局免許手続規則の一部を改正する省令案【第二条関係】 |
同一免許人の航空機局相互間において共通に使用することができる装置の条件について、合格している検定内容が同一の機器の装置を追加 |
昭和50年郵政省告示第620号(無線局免許手続規則第二条第六項第三号の規定により、同一人に属する二以上の無線局相互間において共通に使用することができる装置を定める等の件)の一部を改正する告示案 |
同一免許人の無線局相互間において共通に使用することができる装置について、航空局、航空保安の用に供する無線航行陸上局及び特別業務の局の装置を対象に追加 |
(3)航空移動業務に使用する周波数の追加に伴い、次の規定の整備を行います。
対 象 規 定 |
概 要 |
平成7年郵政省告示第559号(航空移動業務に使用する電波の型式及び周波数の使用区別を定める等の件)の一部を改正する告示案 |
航空移動業務に使用する周波数を追加 |
(4)スポーツ及びレジャーに係る無線機器利用の拡充に伴い、次の規定の整備を行います。
対 象 規 定 |
概 要 |
電波法関係審査基準(平成13年総務省訓令第67号)の一部を改正する訓令案 |
スポーツ・レジャー用携帯局の通信の相手方を拡充 |
飛行援助用航空局の補助のための航空局について、置局条件に関する規定を緩和 |
ア 次の省令案(新旧対照表)
・無線局免許手続規則の一部を改正する省令案(別添1)
・登録点検事業者等規則の一部を改正する省令案(別添2)
イ 次の告示案
・昭和50年郵政省告示第620号(無線局免許手続規則第二条第六項第三号の規定により、同一人に属する二以上の無線局相互間において共通に使用することができる装置を定める等の件)の一部を改正する告示案(新旧対照表)(別添3)
・平成2年郵政省告示第240号(無線従事者の資格を要しない簡易な操作を定める件)の一部を改正する告示案(新旧対照表)(別添4)
・平成7年郵政省告示第559号航空移動業務に使用する電波の型式及び周波数の使用区別を定める等の件)の一部を改正する告示案(新旧対照表)(別添5)
・平成9年郵政省告示第666号(認定点検事業者が行う点検の実施方法等を定める件)の一部を改正する告示案(新旧対照表)(別添6)
・複数地点受信方式航空監視システムの無線局の無線設備及びノントランスポンダの技術的条件を定める告示案(制定案文)(別添7)
・複数地点受信方式航空監視システムの無線局の無線設備及びノントランスポンダの帯域外領域におけるスプリアス発射の強度の許容値及びスプリアス領域における不要発射の強度の許容値を定める告示案(制定案文)(別添8)
ウ 電波法関係審査基準の一部を改正する訓令案(新旧対照表)(別添9)
(2)意見の募集期間
平成22年1月4日(月)午後5時(必着)(郵送については、同年1月4日(月)付けの消印まで有効とします。)
詳細については、別紙の意見公募要領を御覧ください。
なお、本案については、総務省のホームページ(http://www.soumu.go.jp)の「報道資料」欄及び電子政府の総合窓口[e-Gov](https://www.e-gov.go.jp/)の「パブリックコメント」欄へ掲載するほか、連絡先にて配布します。
寄せられた御意見を踏まえ、速やかに公布・施行する予定です。
・「航空監視システム及び航空無線電話システム等の高度化に係る無線設備の技術的条件」の審議開始(平成19年4月26日)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/2007/070426_4.html
・航空監視システム及び航空無線電話システム等の高度化に係る無線設備の技術的条件についての関係者からの意見聴取(平成19年6月20日)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/2007/070620_3.html
・『「SSRモードS等の無線設備に関する技術的条件」(昭和63年7月電気通信技術審議会一部答申)の見直し(案)』に対する意見募集(平成21年6月12日)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02kiban15_000011.html
・『「SSRモードS等の無線設備に関する技術的条件」(昭和63年7月電気通信技術審議会一部答申)の見直し(案)』に対する意見募集の結果(平成21年7月27日)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02kiban15_000016.html
・空港面の安全運航を実現する航空監視システムの導入に向けて −SSR(2次監視レーダー)の高度化に対する情報通信審議会からの一部答申−(平成21年7月28日)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02kiban15_000017.html
・無線設備規則の一部を改正する省令案等に係る電波監理審議会への諮問及び意見募集 (平成21年10月14日)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02kiban15_000023.html