第1部 令和6年度の地方財政の状況

3 地方財源の状況

国税と地方税を合わせた租税の状況及び地方歳入(普通会計)の状況は、以下のとおりである。

(1)租税の状況

国税と地方税を合わせた租税として徴収された額は127兆3,350億円で、前年度と比べると4.4%増となっている。

国民所得に対する租税総額の割合である租税負担率をみると、令和6年度においては、前年度と比べると0.6ポイント上昇の28.2%となっている。なお、主な諸外国の租税負担率をみると、アメリカ27.8%(2022暦年計数)、イギリス37.8%(同)、ドイツ33.1%(同)、フランス44.3%(同)となっている。

次に、国税と地方税の状況をみると、第21図のとおりであり、租税総額に占める割合は、国税63.7%(前年度63.4%)、地方税36.3%(同36.6%)となっている。また、地方交付税、地方譲与税及び地方特例交付金等を国から地方へ交付した後の租税の実質的な配分割合は、国44.7%(同45.4%)、地方55.3%(同54.6%)となっている。なお、国税と地方税の推移は第22図のとおりであり、地方税は平成24年度以降増加傾向にある。

(2)地方歳入

ア 地方税

地方税の決算額は46兆2,691億円で、前年度と比べると3.7%増となっている。

地方税収入額の64.3%を占める住民税、事業税及び地方消費税の収入状況は、第15表のとおりである。また、各税目の収入額を前年度と比べると、企業収益の増等を背景として法人関係二税は8兆8,300億円で、前年度と比べると11.8%増となっている(住民税(法人分)は15.3%増。事業税(法人分)は10.2%増。)。地方消費税も消費支出の増加等により10.4%増となっている。

地方税計、個人住民税、法人関係二税、地方消費税及び固定資産税の人口1人当たり税収額の指数をみると、第23図のとおりであり、地方税計については、最も大きい東京都が167.3、最も小さい長崎県が70.3で、約2.4倍の格差となっている。

個別の税目ごとに比較してみると、個人住民税については、最も大きい東京都が171.1、最も小さい秋田県が64.1で、約2.7倍の格差となっている。法人関係二税については、最も大きい東京都が245.8、最も小さい奈良県が42.6で、約5.8倍の格差となっている。地方消費税については、最も大きい東京都が118.4、最も小さい奈良県が84.7で、約1.4倍の格差となっている。固定資産税については、最も大きい東京都が159.7、最も小さい奈良県が68.2で、約2.3倍の格差となっている。

このように、地方税収については、各税目とも都道府県ごとに偏在性があるが、その度合いについては、法人関係二税の格差が特に大きく、地方消費税の偏在性は比較的小さい。

(ア)道府県税の収入状況

都道府県の地方税の決算額から東京都が徴収した市町村税相当額を除いた道府県税の収入額は22兆3,191億円で、道府県民税(法人分)、事業税(法人分)の増加等により、前年度と比べると6.8%増となっている。

道府県税収入額の税目別内訳の状況は、第24図のとおりである。

このうち、法人関係二税は6兆4,845億円で、道府県税総額に占める割合は29.1%となっている。

道府県税収入額の推移は、第25図のとおりであり、企業収益の増等により、法人関係二税などが増加し、道府県税収入額は増加傾向にある。

(イ)市町村税の収入状況

市町村の地方税の決算額に東京都が徴収した市町村税相当額を加えた市町村税の収入額は23兆9,500億円で、地価の上昇等による固定資産税の増加や企業収益の増等による市町村民税(法人分)の増加等により、前年度と比べると1.0%増となっている。

市町村税収入額の税目別内訳の状況は、第26図のとおりである。

市町村税収入額の推移は、第27図のとおりであり、固定資産税や市町村民税(法人分)の増加により、市町村税収入額は増加傾向にある。

イ 地方譲与税

地方譲与税は、本来地方税に属すべき税源を、形式上一旦国税として徴収し、これを地方公共団体に対して譲与する税であり、特別法人事業譲与税等がある。

地方譲与税の決算額は3兆962億円で、企業収益の増による特別法人事業譲与税の増加等により、前年度と比べると11.6%増となっている。

地方譲与税の主な内訳をみると、特別法人事業譲与税が2兆4,870億円(対前年度比14.4%増)、森林環境譲与税が629億円(同25.8%増)となっている。

ウ 地方特例交付金等

地方特例交付金等の決算額は1兆1,332億円で、個人住民税における定額減税の実施に伴う地方公共団体の減収を補塡するための定額減税減収補塡特例交付金の創設等により、前年度と比べると422.5%増となっている。

地方特例交付金等の内訳をみると、定額減税減収補塡特例交付金が9,233億円、住宅借入金等特別税額控除減収補塡特例交付金が1,975億円、新型コロナウイルス感染症対策地方税減収補塡特別交付金が124億円となっている。

エ 地方交付税

地方交付税は、地方公共団体間の財源の不均衡を調整し、どの地域においても一定の行政サービスを提供できるよう財源を保障するための地方の固有財源である。また、その目的は、地方公共団体が自主的にその財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を損なわずに、その財源の均衡化を図り、地方行政の計画的な運営を保障することによって、地方自治の本旨の実現に資するとともに、地方公共団体の独立性を強化することである。

地方交付税の決算額は19兆9,346億円で、前年度と比べると4.9%増となっている。地方交付税の内訳をみると、普通交付税18兆6,000億円、特別交付税1兆2,597億円、震災復興特別交付税(*)750億円となっている。

また、団体区分別にみると、都道府県においては10兆670億円で、前年度と比べると3.8%増、市町村においては9兆8,676億円で、前年度と比べると6.0%増となっており、その地方交付税総額に占める割合は、都道府県においては50.5%(前年度51.0%)、市町村においては49.5%(同49.0%)となっている。

普通交付税(基準財政需要額(*)が基準財政収入額(*)を超える地方公共団体に対して、その差額(財源不足額)を基本として交付されるもの)の交付状況をみると、不交付団体は、都道府県では東京都の1団体である。市町村(特別区及び一部事務組合等を除く。以下この段落において同じ。)では前年度より1団体減少し、75団体となっており、団体数の推移は第28図のとおりである。また、災害等特別の事情に応じて交付する特別交付税の令和6年度の交付状況をみると、都道府県においては東京都を除く全団体に、市町村においては全1,718団体に、それぞれ交付されている。

なお、令和6年度当初において地方公共団体に交付される通常収支分の地方交付税の総額は、地方財政計画(*)において、前年度と比べると、3,060億円増(1.7%増)の18兆6,671億円とした。また、国の令和6年度補正予算(第1号)において、国税収入の決算等に伴い令和6年度分の地方交付税の額が2兆748億円の増額となったことを受け、このうち1兆1,926億円を令和6年度に増額交付することとした。具体的には、普通交付税の調整額を復活するとともに、地方公共団体が、経済対策の事業等を円滑に実施するために必要な経費を算定するため、基準財政需要額の費目に「臨時経済対策費」を創設することとしたほか、地方公務員の給与改定に必要な経費を算定するため、基準財政需要額の費目に「給与改定費」を創設することとした。さらに、令和7年度及び令和8年度における臨時財政対策債の元利償還金の一部を償還するための基金の積立てに要する経費を算定するため、基準財政需要額の費目に「臨時財政対策債償還基金費」を創設することとした。

オ 国庫支出金

国庫支出金の状況は、第16表のとおりである。国庫支出金の決算額は20兆1,862億円で、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金等の減少等により、前年度と比べると4.4%減となっている。

国庫支出金の内訳をみると、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金が2兆1,507億円となり、前年度と比べると9,368億円増加し、国庫支出金総額の10.7%を占めている。

カ 都道府県支出金

市町村が都道府県から交付を受ける都道府県支出金(*)の決算額は5兆42億円で、児童保護費等負担金、障害者自立支援給付費等負担金の増加等により、前年度と比べると4.2%増となっている。

都道府県支出金の内訳をみると、国庫財源を伴うものが64.5%、都道府県費のみのものが35.5%となっている。

キ 地方債

地方債の発行状況は、第17表のとおりである。地方債の決算額は8兆8,506億円で、臨時財政対策債等が減少したものの、災害復旧事業債や緊急防災・減災事業債、教育・福祉施設等整備事業債等が増加し、前年度と比べると2.4%増となっている。

団体区分別にみると、都道府県においては4兆1,776億円で、前年度と比べると3.8%減、市町村においては4兆6,981億円で、前年度と比べると8.7%増となっている。また、地方債依存度(歳入総額に占める地方債の割合)は7.4%で、前年度と同率となっている。

ク その他の収入

その他の収入の状況は、第18表のとおりである。決算額は20兆7,792億円で、貸付金元利収入等が減少したものの、基金からの繰入金の増加等により、前年度と比べると2.3%増となっている。

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