それは、ある小学生からの手紙がきっかけでした。
− 整いました!光と地デジとIP告知システムが厚岸町に −
平成23年7月27日up
今年3月、厚岸町ではブロードバンド・ゼロ地域及び地デジ難視聴エリアの解消、IP告知システムを導入する情報通信基盤整備を行いました。住民から寄せられる要望や財源確保、差し迫る期限の狭間で大きな後押しとなったのは、ある小学生からの手紙だったといいます。厚岸町 総務課長補佐 田崎氏に伺いました。
厚岸町は現在、人口約1万人の農業と漁業の町。広い土地に民家が点在するため、採算面から中心市街地以外は通信事業者によるブロードバンド整備が見込めず、その世帯数は1,700世帯にも上っていました(全世帯数4,437世帯)。
また、厚岸町では、アナログ放送時代から地形等の影響により難視地域が多数存在していました。町内には、NHK共聴や自主共聴施設により視聴していた世帯が約1,500世帯あり、デジタル改修の必要があったことと、地デジ化により新たに難視となる可能性がある世帯について町独自の調査を実施した結果、最大1,500世帯にも上る可能性があり、地デジ完全移行が平成23年7月に迫る中、地デジ難視聴エリア解消が課題となっていました。
さらに、住民への防災情報提供の改善も課題となっており、いずれも財源確保がネックとなってなかなか動けずにいました。そんな中、住民からはブロードバンド化の要望が多く寄せられ、さらに、ある小学生から町長あてにブロードバンド化を要望する手紙が直々に届いたことが大きな後押しとなり、これらの課題を一気に解決すべく総務省の地域情報通信基盤整備推進交付金等を活用して整備に取り組んだとのことです。
そして平成23年3月、町内全域に光ファイバによる情報通信網を整備するとともに地デジ難視聴エリアを解消し、さらに地域の防災機能とコミュニティーを強化するため全世帯(長期不在者等を除く。)へIP告知システムを導入しました。
IP告知システムとは、IP網を使用して、地域の行政情報や緊急情報などを各家庭等に設置されたIP告知端末に一斉に告知放送するシステムで、厚岸町の場合は、音声だけではなく、文字や画像・映像の送信が可能です。告知放送時に不在でも、タッチパネルの画面操作で再び情報を取り出せるので、防災情報など重要なお知らせなどを確実に住民に伝えられるようにという思いで導入したそうです。実際に、防災行政無線を聞き逃したり聞こえづらかったりした際に寄せられていた役場への問い合わせが、導入後はなくなったとのこと。また、町内全域の端末同士であれば、通話料無料でテレビ電話を掛けることが可能であることから、これにより町内の医療機関などと連携した健康相談や高齢者安否確認などに取り組んでいるそうです。

厚岸町 総務課長補佐 田崎 清克 氏

IP告知端末

よく利用しているという濱野さんにテレビ電話で使用感を聞いてみました。
「顔を見て話せるのがいいですね。操作も簡単ですよ。料理のレシピをよく使っています。昭和30年代のレシピもありますよ。」
住民の反応を伺ったところ、インターネットや新しい機械への拒否反応からか、導入前に行った説明会への参加者は少なかったそうですが、隣家や知人が使用しているのを見聞きして口コミで広がり、特に小学生や高齢者がよく利用しているとのことです。新しいシステムというより“テレビ電話”感覚で利用でき、驚くほど機能に詳しい方もいるそうです。
また、生花店が母の日にちなんだカーネーションの特売広告を出したところ、すぐに電話が殺到し売り切れになったとのこと。配達を行っている食料品店も、テレビ電話なのでどちらの野菜を購入するか実際に見比べて選んでもらえるので便利だそうです。
今後は、漁協や農協、商工会議所などの関係団体と連携して基幹産業の発展や地域活性化に向けアイデアを出しながら活用していくとともに、報道は少なかったのですが東日本大震災で床上・床下浸水200戸という大きな被害を受け、役場の前も川のようになったことから、情報通信基盤の強みを生かして住民の安全確保により一層取り組んでいきたいとのことでした。
ページトップへ戻る