北海道総合通信局は、令和7年6月26日(木曜日)に旭川市、27日(金曜日)には苫小牧市において「NTN利活用相談会」を開催し、主に自治体や公的機関などの関係者(旭川会場24人、苫小牧会場25人)が参加しました。
本相談会では、非地上系ネットワーク(NTN)の利活用の促進を図ることを目的に、NTNの技術、サービス、活用事例に関する講演のほか、機材の展示、実機による通信デモンストレーション、課題解決に向けた情報交換などを行いました。
第一部 講演
第一部では、北海道総合通信局からNTN実現に向けた制度整備の最新動向を紹介し、株式会社三菱総合研究所からはNTNの国際標準・規格化の動向や日本国内のNTNサービスに関する最新情報について講演いただきました。NTTドコモビジネス株式会社、KDDI株式会社、ソフトバンク株式会社の3事業者からは、Starlink Businessのサービス概要や衛星と直接通信を行うStarlink Directについて説明いただくとともに、令和6年1月に発生した能登半島地震における非常時の導入事例や医療・林業・建設・遠隔監視等、非常時に限らない平時利用のユースケースについても幅広く紹介いただきました。
演題:「NTNに関する諸外国動向及び先進事例」
講師:株式会社三菱総合研究所 モビリティ通信事業本部 ICTインフラ戦略グループ
伊藤 陽介(いとう ようすけ) 氏
演題:「ドコモビジネスが描く衛星通信の活用の未来」
講師:NTTドコモビジネス株式会社 ビジネスソリューション本部ソリューションサービス部
デジタルソリューション部門 第六グループ 第一チーム 主査
松崎 史晃(まつざき ふみあき) 氏
※令和7年7月1日、NTTコミュニケーションズ株式会社からNTTドコモビジネス株式会社へ社名変更
演題:「ユビキタスネットワーク構想とNTN活用事例について」
講師:ソフトバンク株式会社 法人プロダクト本部コミュニケーションサービス第2統括部
ネットワークサービス開発第2部 部長 古田 信一(ふるた しんいち) 氏
第二部 Starlinkの運用等デモンストレーション
第二部では、KDDI株式会社及びソフトバンク株式会社によるStarlinkの運用デモンストレーションを実施しました。参加者は実際にStarlinkを経由したインターネット回線に接続して通話するなど、通信品質も確認され、接続体験等による具体的な運用イメージを持っていただきました。また、デモンストレーションの最後にはStarlink機材の撤収作業を実演し、収納手順を紹介しながら、工具を用いずに機材を分解して収納する様子を参加者にご覧いただきました。
KDDI株式会社 デモンストレーションの様子
ソフトバンク株式会社 デモンストレーションの様子
第三部 事業者との相談会及び展示ブース
第三部では、各講演事業者による機器展示及び個別相談会を実施しました。参加者が講演内容やデモンストレーション時の疑問点を各事業者の担当者へ積極的に質問したり、機器の大きさや周辺機材を実際に確認したりする様子が見られました。
NTTドコモビジネス株式会社 展示ブース
KDDI株式会社 展示ブース
ソフトバンク株式会社 展示ブース
事業者との相談会の様子
参加者からのアンケート結果では、「大変参考になった」、「今後の国内の通信環境におけるロードマップがイメージできた」等の意見が見られました。
本相談会では、参加者と各事業者が実際に機材を見ながら意見交換を行うことができ、参加いただいた北海道内の自治体職員等にとって、NTN導入に向けた疑問を解消できる機会になりました。
北海道総合通信局では、今後も北海道内の電波利活用の促進、地域課題解決に向けた取組を推進してまいります。
<参考報道資料>
・「NTN利活用相談会 in 旭川・苫小牧」を開催(令和7年5月23日報道発表)
総務省|北海道総合通信局|「NTN利活用相談会 in 旭川・苫小牧」を開催