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【関東総通】e-コムフォKANTO

令和7年3月26日
関東総合通信局

スマートソリューション・R&Dセミナーを開催

 総務省関東総合通信局(局長:高地 圭輔(たかち けいすけ))は、一般社団法人電子情報通信学会東京支部(支部長:松本 健一郎(まつもと けんいちろう))及び国立研究開発法人情報通信研究機構(理事長:徳田 英幸(とくだ ひでゆき))との共催により、「スマートソリューション・R&Dセミナー」を令和7年2月26日に開催しました。

概要

 人口減少、少子高齢化、経済構造変化の進行によって地域課題が多様化する中、デジタル技術の実装は、課題解決に不可欠となってきています。
 このような状況を踏まえ、本セミナーでは地域課題解決に資する研究成果の社会実装促進のために、「基調講演」「地域課題解決に向けた研究開発事例の紹介」「パネル展示」等を実施し、総勢124名の方々にご聴講いただきました。
セミナー会場の様子

セミナー会場の様子

開催内容

 冒頭、主催者である総務省関東総合通信局 高地 圭輔 局長より開会挨拶を行い、以下のとおり各講師の皆様からご講演いただきました。
関東総合通信局 高地局長

関東総合通信局 高地局長

基調講演

演題
 「通信・電力環境不利地域での利用を想定した森林エリアネットワーク」
講師
 和歌山大学システム工学部 教授 塚田 晃司 氏
概要
 日本は国土の多くを山間部が占め、災害時には孤立集落となる地域が多数存在する。このような地域課題の解決に向けて、山間部の森林地域におけるネットワーク構築技術に関する研究を行っており、本公演では「通信インフラ」「電力インフラ」「ネットワーク運用」「応用サービス実装」の4つの観点から取組を紹介。植生の季節変化や設置環境で変化する太陽光発電の発電性能に苦労しながらも、安定した電力確保を目指している。森林地域においてネットワークを構築することにより、有事の際に自立運用できる情報伝達システムのみならず、平時においても、獣害対策や森林での作業員の安全確保に加え、森林での研究作業の効率化という学術目的での活用にも期待されている。
和歌山大学システム工学部 塚田教授

和歌山大学システム工学部 塚田教授

地域課題解決に向けた研究開発事例の紹介

【事例1】
演題
 「AIによるヒヨコの性判定の実現性と地方中小企業が始めるグローバルニッチな海外展開」
講師
 有限会社電マーク 代表取締役 中野 裕介 氏
概要
 ヒヨコの性差は非常に少なく、現在、性判定には専門の資格を持つ者による肛門鑑別法が用いられている。しかし、日本国内ではヒヨコの雌雄鑑別師の後継者不足という深刻な問題を抱えている。このような課題に対して、AIによるヒヨコの性判定の実現に向け、地方の中小企業が熊本県農業研究センターや広島大学と連携し、解決のために肛門の撮影・AI学習を行っている。結果として、鑑別師と同様の精度での鑑別を達成し、現在では鑑別速度の向上に取り組んでいる。また、鶏肉生産が拡大するインドやネパールといった海外においてこの技術の実装・サービス展開を目指している。
有限会社電マーク 中野氏

有限会社電マーク 中野氏

【事例2】
演題
 「ドローンAI協調型CLAS海ごみ自動回収運搬ロボット」
講師
 仙台高等専門学校 教授 園田 潤 氏
概要
 昨今、マイクロプラスチック等を含め海岸漂着の海ごみは世界的な問題となっている。研究当時は、新型コロナウイルス感染症や人口減少の影響で、海ごみの回収が困難な状況であった。そこで、海ごみ回収の省力化に向けて、「ドローンによる空撮」「AIによる海ごみの分布検出及び人員配置計画の策定」「ロボットによる海ごみの運搬」を実施している。ロボットの自動走行は、場面に応じて衛星測位とレーザー光測位を用いて、砂浜海岸や森林内、斜面においても問題なくロボットの自動走行が実現しており、ロボット1台あたり30、40人程度の人員削減効果が見込める。現在は、検証地域の拡大に向けた取組やロボットが海ごみを直接回収する研究開発等を行っている。
仙台高等専門学校 園田教授

仙台高等専門学校 園田教授

施策説明

 総務省より「持続可能な電波有効利用のための基盤技術研究開発事業(FORWARD)」の説明を行い、情報通信研究機構からは地域連携及びBeyond5G実現に向けた取組の説明を行っていただきました。
関東総合通信局電波利用企画課 五十嵐課長

関東総合通信局電波利用企画課 五十嵐課長

 情報通信研究機構 吉田氏

情報通信研究機構 吉田氏

 情報通信研究機構 新川氏

情報通信研究機構 新川氏

パネル展示

 地域課題解決に向けた2つの研究開発事例及び情報通信研究機構のBeyond5G実現に向けた取組に関して、現地会場でパネル展示を実施しました。
 セミナー参加者と説明者の間で、活発に意見交換が行われておりました。
ポスターセッションの様子

ポスターセッションの様子


 
 セミナー参加者のアンケート結果からは、「いずれも興味深い内容で、電波利用、インターネット環境、地域課題が手に取るように分かった。」「講演者の今後の取組にも注目していきたい。」などの感想が寄せられました。
 関東総合通信局では、引き続き研究開発支援及びICTによる地域課題解決に向けた取組を実施してまいります。

連絡先
総務省 関東総合通信局
 情報通信部 情報通信連携推進課
 (担当)大江、相原
 (電話)03-6238-1680

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