【関東総通】e-コムフォKANTO
平成27年3月4日
「戦略的情報通信研究開発セミナー2015」を開催
平成27年2月24日実施
関東総合通信局は、平成27年2月24日(火曜日)、東京都港区の機械振興会館において、電子情報通信学会東京支部との共催により、「戦略的情報通信研究開発セミナー2015 ≪SCOPE(※1)によるイノベーション創出の実現に向けて≫」を開催しました。
セミナー概要
セミナーでは、特別講演やSCOPEの成果発表、平成27年度に向けた公募説明を行い、大学や民間企業研究者など総勢90名を超える参加者により盛況のうちに終了いたしました。
写真:主催者挨拶をする渡辺関東総合通信局長
≪特別講演≫
本セミナーでは、「イノベーションで未来を開くために」と題し、東京大学大学院 教授、ユビキタス情報社会基盤研究センター センター長、YRPユビキタス・ネットワーキング研究所 所長 坂村 健(さかむら けん)氏から特別講演がありました。
坂村氏は、シンガポールのERP(※2)を例に挙げ、社会の規制(法規制など)がイノベーション実現の障害になっているとして規制改革の重要性などを訴えるとともに、人材育成に関連してコンピュータサイエンス教育の充実などを強調されました。
写真:特別講演をする坂村健 氏
≪平成25年度終了「地域ICT振興型研究開発(関東総合通信局管内)」成果発表1≫
慶應義塾大学大学院 准教授 杉浦 一徳(すぎうら かずのり)氏からは、「家族地域連携を実現する生活密着型サイバーフィシカルリビングルームの実践的運用開発」の研究成果と実証実験の結果を発表いただきました。
杉浦氏は、遠隔地点に住む者同士を一つのリビングに集めるようなコミュニティをコンセプトとしたネットワーク技術の研究開発の成果と、シンガポール国立大学のシャトルバスに搭載した次世代ERP試作機によるデジタルサイネージの実証実験をはじめとしてイベントやコミュニティでの情報共有基盤としての実証実験の結果などを紹介されました。
写真:成果発表をする杉浦一徳 氏
≪平成25年度終了「地域ICT振興型研究開発(関東総合通信局管内)」成果発表2≫
株式会社デジタルアライアンス 研究員 水越 一貴(みずこし かずたか)氏からは、「公共交通機関が未発達な地域における高臨場感遠隔学習支援システムの研究開発」の研究成果と実証実験の結果を発表いただきました。
水越氏は、山梨県内において日本語教室などの個別指導が必要な生徒がおり公共交通手段の利便性が低い状況から遠隔教育への期待が高いことを紹介され、それを解決するための「学校間をシームレスに接続する技術」や「遠隔機器制御技術」、「臨場感を感じるインターフェイス技術」の研究開発成果を発表されました。また、開発されたシステムを利用した山梨県と岩手県の小学校間を結んだ遠隔教育の実証実験やパネルディスカッションでの活用などを紹介されました。
写真:成果発表をする水越一貴 氏
≪平成23年度終了「地域ICT振興型研究開発(信越総合通信局管内)」成果に基づく事業化成功事例発表≫
戸塚金属工業株式会社 代表取締役 追立 俊朗(おいたて としろう)氏からは、「『クロスネットワークを基軸とした地域間データ共有機能を有する金属加工形状検証システムの研究開発』成果に基づく事業化」と題して、研究成果に基づく事業化の成功事例が紹介されました。
追立氏は、板金加工時に発生する不良品を最小限にするための、「デジタル照合検査の実現」と「照合データのネットワークでの共有化」へ向けた研究開発のポイントと経緯を、板金サンプルの実物を示しながら説明され、事業に導入したことによって平板加工工程の不良数(率)が0.1%以下に激減するとともに次工程以後での品質管理意識の向上が図られ、大きな運用効果が認められたことを紹介されました。また、本成果をより広めるため「検査規格の策定」や「導入コストの圧縮」などを課題として挙げました。
写真:事例発表をする追立俊朗 氏
≪SCOPE平成27年度公募概要等の説明≫
セミナーの最後には、「戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)」について、総務省 総合通信基盤局 電波部 電波政策課 田野 正行(たの まさゆき) 開発係長から平成27年度公募に向けた事業の主な変更点を中心に説明を行いました。
写真:説明をする田野正行 氏
(※1)戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE) Strategic Information Communications R&D Promotion Programme
(※2)シンガポールの電子道路課金制度(ERP) Electronic Road Pricing
ページトップへ戻る