総務省関東総合通信局(局長:黒瀬 泰平)は、一般社団法人埼玉県医師会、公益社団法人埼玉県看護協会、公益社団法人埼玉県臨床工学技士会の後援を受け、関東地域の医療機関における電波利用推進協議会と共催で平成30年12月4日(火曜日)に、埼玉県さいたま市大宮区「ソニックシティビル」において、「医療機関において安心・安全に電波を利用するために《電波の安全性に関する説明会》」を開催し、79名に参加いただきました。
近年、医療機関では、患者のバイタルデータ(血圧や脈拍、体温などの生体データ)を遠隔監視するための医用テレメータなど、電波を利用する機会が増大する中、電波による医療機器への影響や通信障害が生じるなど、トラブルの増加が懸念されています。
そのため、電磁波が医療機器に与える影響と対策方法などを「医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き」、「各種電波利用機器の電波が植え込み型医療機器等へ及ぼす影響を防止するための指針」等に基づき説明し、電波の安全性に関して正しい知識を身につけていただくことを目的として開催しております。
なお、本説明会は、「MDIC 認定制度」、「認定ホスピタルエンジニア」、「臨床ME専門認定士制度」の更新のためのポイントの付与対象となっています。
説明会では、「電波の安全性に関する総務省の取り組み」と題して、総務省関東総合通信局の田中 純一電波監理部長から、ワイヤレスと家電との融合、地域活性化、医療分野への応用、環境問題への対応等の様々な新分野での電波利用が出現する中で「我が国における電波利用分野の拡大」がどのように生じているかについて説明しました。また、電波利用の普及・高度化に伴い、電波が人体や医療機器に与える影響への懸念が増大していることから、電波が人体に与える影響についての安全基準や総務省における調査研究の実施状況、医療機関における電波利用についての指針等について説明しました。
続いて、「関東地域の医療機関における電波利用推進協議会」座長である、滋慶医療科学大学院大学医療管理学研究科の加納 隆教授から、「医療機関において安心・安全に電波を利用するために」と題して、携帯電話等の電波利用機器による医療機器への影響調査とそれを受けて使用指針等を策定した推移についてご紹介いただき、平成28年4月に公表された「医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き」についてポイントを説明していただきました。
また、実際に病院等で発生した障害事例とその対策について、具体的に図を示しわかりやすく解説していただきました。
説明後には、「医療機関でICタグを使おうとしているが、その使用に関して注意することはあるか?また、ICタグを貼ってはいけないものはあるか?」などの質問を受けて、回答をするなど活発な質疑応答を行いました。
参加者からのアンケートでは、「トラブル事例もあり、分かりやすかった。テレメータだけではなく、他の事も管理が必要である事がわかってよかった。」「資料が分かりやすく、社内でも情報共有のため活用できる。」などの感想をいただきました。また、9割以上の方が「理解できた」「ほぼ理解できた」と回答されており、有意義な説明会となりました。
関東総合通信局は、引き続き電波の安全性に関する説明会を開催いたします。
次回の開催は、平成31年2月を予定しています。なお、開催案内は、1月中旬に当局ホームページへ掲載します。