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「令和元年度地域ICT/IoT実装推進セミナーin久留米」を開催

 九州総合通信局は、一般社団法人九州テレコム振興センターとの共催により、令和2年2月21日(金)、石橋文化会館(久留米市)において、「令和元年度地域ICT/IoT実装推進セミナーin久留米」を開催し、自治体、企業等から78名の参加がありました。
 このセミナーは、地域におけるICTの利活用やIoTの実装にあたって、先進事例等を紹介することにより、地域の課題解決や活性化に役立てていただくことを目的に毎年開催しているもので、今年は「5Gの最新動向と総務省施策」及び「オープンデータの推進」をテーマに2部構成で実施しました。
 会場では新型コロナウイルス感染防止のための必要な対策を行い開催しました。

【開会挨拶】 九州総合通信局 情報通信部長  野尻 英行

 

野尻部長

<野尻部長>


『第1部 5Gの最新動向と総務省施策』

【5G動向紹介1】「5Gの概要とそのユースケースについて」
         第5世代モバイル推進フォーラム事務局
         (一社)電波産業会 研究開発本部 主任研究員  山崎 義樹 氏


 第5世代モバイル推進フォーラムの活動として、第5世代移動通信システム(5G)総合実証試験の内容、地域利用推進委員会の活動、国内外の5G関連団体との連携、イベントや講演会等の普及啓発活動等について紹介。
 2017年から3カ年で取り組んできた5G総合実証試験について、5Gが実現する未来として、超高速、超低遅延、多数同時接続による機能拡張により、5G利活用アイデアコンテストでの内容を参考に、建設機械の遠隔操縦、スマート農業、VR利用観光振興等に取り組み、地域課題に資する5Gの利活用について説明されました。
 

山崎氏

<山崎氏>


【5G動向紹介2】「ローカル5Gを活用した地域課題の解決に向けて」
         総務省 総合通信基盤局 電波部 移動通信課
         新世代移動通信システム推進室 課長補佐  豊重 巨之


 5Gは、従来のコンシューマー向けサービスはもとより、産業分野主流で使われることを想定しており、5Gを活用することにより、身のまわりのあらゆるモノがインターネットでつながる本格的なIoT時代の到来、産業構造の変化、新たなビジネス創出に期待。
 ローカル5Gは、用途別に周波数が割り当てられ、様々な主体が地域で自ら柔軟にネットワークシステムを構築できるものであり、総務省の令和2年度事業として予定している「地域課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証事業」の内容について紹介がありました。
 

豊重補佐

<豊重補佐>


【総務省施策説明】「九州におけるIoT実装の推進」
         九州総合通信局 情報通信部 情報通信振興課長  松下 邦裕


 Society5.0時代における地域力強化に向けて、農業や防災など身近な分野における地域課題の解決を目指す自治体等に対しての5G関連施策を除く各種支援施策、先行して取り組まれている成功事例について紹介。
また、九州管内のIoT実装を推進するための組織として、産学官連携に取り組む「九州IoT実装ワーキンググループ」の活動について説明しました。
 

松下課長

<松下課長>


『第2部 オープンデータの推進』

【講演】「デジタル新時代の業務改革とオープンデータについて」
         (一社)九州テレコム振興センター 主席研究員  井上 英幸 氏


 デジタルデータが急速に増加している現在、それをどのように活用し、どのようにシェアしていくかが重要とした上で、データ活用の例を民間分野と行政分野の2つの視点から紹介されました。また、オープンデータの現状について、都道府県ごとの取組率を交えながら解説され、今後の課題についても触れながら説明がありました。
 

井上氏

<井上氏>


【事例紹介1】「久留米広域連携中枢都市圏におけるオープンデータの取組」
         久留米市 情報政策課長  星野 正和 氏


 平成26年度から開始した市のオープンデータの取組について、久留米市オープンデータカタログサイトの開設、久留米広域連携中枢都市圏での取組など、当初から現在までの経緯を紹介されました。
 中枢都市圏の取組については、オープンデータマップによる位置情報データの可視化等、より詳細な説明がありました。

星野氏

<星野氏>


【事例紹介2】「不動産物件仲介サービスにおけるオープンデータ活用」
         (公財)九州先端科学技術研究所
         BODIK担当ディレクター  東 富彦 氏


 不動産仲介サービスにおける実証実験(小学校区、中学校区が表示される地図上から物件を選択)の紹介を通じて、生活者視点のデータ活用の重要性を説明。
 さらに、生活者視点のデータ活用を可能にする「BODIKオープンデータユニファイドAPI」(2020年4月より正式サービス開始)の紹介がありました。

東氏

<東氏>

 【パネルディスカッション】
  (ショートプレゼンテーション)
  「オープンデータはなぜ簡単には進展しないのか〜その問題点と打開策」
   長崎総合科学大学 名誉教授
   株式会社九州地域情報化研究所 代表取締役  横山 正人 氏


 オープンデータの現状・問題点について、データの提供側及び活用側それぞれの観点から説明され、オープンデータビジネスのタイプ、展開されている事例、九州におけるコードフォーコミュニティの紹介をされました。
 

横山氏

<横山氏>

 その後引き続き、オープンデータをテーマにパネルディスカッションが行われました。

コーディネーター:(株)九州地域情報化研究所      横山 正人 氏
パネラー       :(一社)九州テレコム振興センター  井上 英幸 氏
            久留米市情報政策課          星野 正和 氏
            (公財)九州先端科学技術研究所    東  富彦 氏


 パネルディスカッションでは、コーディネーターから『オープンデータの推進にあたって苦労した点は』との問いに対し、各パネリストから「データを掲載する方も利用する方もその価値がまだ理解できていない」や「オープンデータを管轄する情報担当課と、基となるデータを保有する原課との間に温度差がある」などの発言がありました。
 さらに、セミナー参加者からの質問(質問システム「Sli do」を活用)として『自治体として公開すべきデータとそうでないデータはどのような基準で判断しているのか』との問いに対し、パネリストから「自治体の保有する情報は市民のものでもあるので、基本的には全て公開すべきだが、個人情報が含まれる場合はその部分のみ非公開としている」との発言がありました。
 まとめとして、パネリスト3名からオープンデータの今後の展望について一言ずつ発言をいただき、パネルディスカッションを終了。

 最後に、参加者からの5Gに関する質疑応答を行い、全日程を終了しました。

 九州総合通信局では、引き続き、様々な地域課題を解決するため、地域における効率的で効果的なICTの利活用やIoTの実装を推進してまいります。
 

セミナーの様子

<セミナーの様子>

お問合せ先:情報通信振興課(096-326-7825)

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