総務省トップ > 組織案内 > 地方支分部局 > 九州総合通信局 > 「九州ICTセミナー2022」を開催 −DX推進を支える様々なICT技術のご紹介−

「九州ICTセミナー2022」を開催
−DX推進を支える様々なICT技術のご紹介−

 九州総合通信局は、令和4年11月22日(火)、一般社団法人九州テレコム振興センター(KIAI)との共催により、「九州ICTセミナー2022」を熊本城ホール及びYouTubeによるオンライン配信のハイブリッドにて、全国から450名の参加をいただき開催しました。
 本セミナーでは、DXを支えている様々なICT技術に焦点を当て、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)からの多言語音声翻訳技術や地域連携の取組紹介と、実際にDXに取り組んでいる企業・大学から事例紹介を行いました。
 
 はじめに共催者を代表し野崎九州総合通信局長が挨拶を行いました。
 本セミナーがICTに関するトレンド等をテーマに長年開催していることや、半導体世界最大手であるTSMCの工場が熊本県に進出する効果等、九州を取り巻く現状等を交えつつ各講演の概要について紹介し、参加者に対して、本セミナーをDX推進の参考にしてほしいと呼びかけました。
 

01

< 野崎九州総合通信局長 >
 
【講演内容】
(1)基調講演
 演題:「世界の『言葉の壁』をなくす多言語音声翻訳技術−逐次翻訳から同時通訳へ−」
 講師:国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)
     ユニバーサルコミュニケーション研究所 研究所長 内元 清貴 氏
 
 AIを活用した多言語音声翻訳技術の最新動向について講演がありました。
 NICTが研究開発した音声翻訳技術の実証実験として公開している多言語音声翻訳アプリ「VoiceTra(ボイストラ)」の仕組みと、同技術の新型コロナワクチン接種会場での活用等、観光・交通・医療等様々な分野で社会展開を行っている事例の紹介がありました。

 また、「相手が何語で話をしているのか分からない」という状況に対応可能な「言語識別機能付き多言語音声翻訳技術」、自動翻訳の高精度化に必要なデータを集積するための「翻訳バンク」等について説明がありました。
 最後に、AI同時通訳の実現に向け、それを支える技術について、デモ動画等を交えて紹介がありました。
 

02-03

< NICTユニバーサルコミュニケーション研究所 内元氏 >

(2)事例発表1:デジタル技術−AI−
 演題:「ドローンとAI解析技術を活用したインフラ点検DX」
 講師:九州電力株式会社福岡支店
     企画・総務部 通信ソリューショングループ 副長 古賀 俊生 氏
    株式会社オプティム ソリューション営業部
     パートナーセールスユニット サブマネージャー 吉田 真太朗 氏
 
 九州電力のダム遮水壁点検業務の高度化及び効率化に関する講演がありました。
 現状では、人の目による点検を実施しているため、見落とし等の可能性や、劣化の面的な詳細把握が難しいという問題点があるが、九州電力のドローンとオプティムのAI解析技術を組み合わせることにより、作業の効率化及び高度化に大きく寄与できると紹介がありました。
 点検に用いたドローンについて、九州電力が独自開発した自動飛行プログラムを活用していることや、効率的に幅広く撮影するために1億画素(12K)の超高画質カメラを搭載していること等の説明がありました。
 また、オプティムのAI解析については、画像解析の概要や、解析対象となる変状と解析精度、解析結果の確認・分析ができるソフトウェアの開発等について説明がありました。
 

04-05

< 九州電力株式会社福岡支店 古賀氏 >
 

06-07

< 株式会社オプティム 吉田氏 >
 
(3)事例発表2:デジタル技術−IoT−
 演題:「災害対策のDX化による情報共有と避難所混雑状況の可視化」
 講師:福岡工業大学 情報工学部 情報通信工学科 教授 石田 智行 氏
 
 災害対策本部業務及び避難所運営のデジタル化による災害情報システムについて講演がありました。
 災害情報システム開発の背景となったのは、2011年の東日本大震災で、滝沢村(現滝沢市)職員だった当時、災害対策本部や避難所は紙ベースでの情報共有が中心で、迅速な災害対応や全関係者への情報共有が難しいといった問題等を経験したことであるという話がありました。
 災害情報の電子化を可能とする「災害情報登録システム」や、災害対策本部での迅速な情報共有を可能とする「災害情報共有システム」、リアルタイムに避難所の状況を把握することができる「避難所混雑状況可視化システム」等について、その使用方法や利点を交えて説明がありました。
 

08-09

< 福岡工業大学 石田氏 >

(4)事例発表3:通信技術−ローカル5G−
   演題:「ローカル5G等の無線を活用した日向市における観光DX」
   講師:株式会社ケーブルメディアワイワイ 
        営業局 営業企画部 営業企画課 課長代理 甲斐 健人 氏
 
 ローカル5G等の無線を活用したポストコロナに対応したショッピングや観光ガイド等について講演がありました。
 JR日向市駅構内のまちの駅とみたか物産館におけるデジタルツインによるバーチャルショップでは、直接実店舗に来店できない人も、サイバー空間でバーチャルショップを周遊することができ、アバターロボットの利用により、販売員と話しながら土産品の選定ができると紹介がありました。その他、ローカル5GとMR(ミックスドリアリティ)を組み合わせた仮想のガイドスタッフや、サーファー向けの自動追尾カメラ等の紹介がありました。
 また、本取組は、宮崎県令和3年度ローカル5G等を活用した地域課題解決実証事業として行われ、今後も同社で様々な企業や地域の行政と連携し、引き続き地域DXを推進していくとの説明がありました。
 

10-11

< 株式会社ケーブルメディアワイワイ 甲斐氏 >

(5)政策発表:NICTの取組紹介
   演題:「DXを推進するNICTの社会実装・地域連携の取組」
       講師:国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)
        オープンイノベーション推進本部 ソーシャルイノベーションユニット
        戦略的プログラムオフィス長 西永 望 氏
 
 NICTの研究成果の社会実装に向けた取組や地域連携の取組等について講演がありました。 
 NICT内外の技術を利活用し、地域や社会と連携して地域課題解決に取り組んでいる例として、地域課題の解決策を地域の人々と考えるアイデアソンの開催や工場内の無線機器の協調制御にかかる産学官連携の取組について紹介がありました。
 また、Beyond 5G研究開発のための各種公募情報や、本年10月から順次提供されている高信頼・高可塑Beyond 5G/IoTテストベッドの機能概要、セキュリティ人材育成のための各種演習や、デジタル化の推進による社会課題・地域課題解決のための実証型研究開発の公募情報等について紹介がありました。
 最後に「課題解決のため、NICTと様々な形で連携していただきたい」と呼びかけがありました。
 

12-13

<NICT 戦略的プログラムオフィス 西永氏>

 九州総合通信局では、引き続き、九州テレコム振興センター(KIAI)ほか関係機関と連携して、ICTの利活用やDXを推進する取組を支援してまいります。
 
注:共催の九州テレコム振興センター(KIAI)による九州ICTセミナー2022の開催報告は、以下のリンクからご覧ください。なお、本セミナーの講演資料もこちらからダウンロード可能です。
 KIAI・HP:https://www.kiai.gr.jp/jigyou/R4/jigyou05.html別ウィンドウで開きます
 
お問合せ先:情報通信連携推進課 096-326-7314

ページトップへ戻る