九州総合通信局は、九州経済産業局、九州経済連合会、九州商工会議所連合会、テレコムサービス協会九州支部との共催により、令和7年10月28日、中小企業・団体等の経営層やセキュリティ責任者及び情報システム運用担当者向けに「サイバーインシデント演習in福岡」を開催しました。
中小企業は、サプライチェーンの最前線を担い、多くの取引先や関連企業と日々やり取りを行っていますが、サイバー攻撃を受けた場合に備えて、社内で意識を持ち、体制を構築した上で、セキュリティインシデント発生時の対応方法や手順などを共有しておくことが重要となっています。
そこで、最近のサイバーセキュリティインシデントの発生状況や、被害拡大を最小限にとどめるための基本的事項を説明し、擬似的なインシデント発生時対応手順を体験することにより、組織内の基本方針やルールなどを考えていただくことが重要です。
本演習は、セミナー形式で昨今話題となっているインシデント事例などを紹介しながら実機演習として、グループごとに配したパソコンを使用してインシデントとなりうるリスクを擬似体験して、意図しない情報漏洩がどのように起きるのか、また不正なサイトからどのように情報が盗まれるのかについて理解を深めるとともに、インシデント発生から対応の検討、評価までのサイクルを、参加者が互いにディスカッション・意思決定等を行う机上演習の要素を取り入れた2時間程度の疑似的なインシデント対応を体験いただきました。
<開催概要>
開催日時:令和7年10月28日(火) 13:00から17:00まで
会場:JR博多シティ会議室A+B+C+D(福岡市博多区博多駅中央街1-1)
対象者:中小企業/団体等の経営層、セキュリティ責任者及び情報システム運用担当者の方
参加人数:30名
講師:株式会社川口設計 代表取締役 川口 洋 氏
<プログラム>
第1部【講演】「サイバー攻撃の情勢及び対応策について 〜サイバー攻撃から事業を守るためにやるべきこと〜」
第2部【実機演習】
第3部【机上演習】「セキュリティ事件・事故発生時の効果的な対応について 〜生成AIの業務量における懸念点〜」
<概要>
第1部では、インシデント発生時に備えた対策(サイバー攻撃によって被る被害、サポート切れの機器を使用することのリスク、脆弱なシステムが放置される原因、他組織での教訓を生かす事故調査報告書の有用性)など事業を守るためにやるべきことについて、講師の川口 洋氏より具体的な事例を交えながら講演いただきました。

【講演模様】
第2部では、ご参加頂いた方を業種や役職などに着目しながら4、5人のグループに分けて、グループごとに用意されたPCに格納された複数のファイルを開き、問題の所在、取扱いに際して留意するポイントなどを協議した上で、講師の川口 洋氏より意図しない情報漏洩がどのように起きるのか、不正なサイトからどのように情報が盗まれるのかについて詳細な解説をいただきました。
第3部では、第2部と同じグループ分けで、インシデント対応を擬似的に経験していただきました。インシデント発生から対応の検討、対応に対する評価までのサイクルを、次々に与えられるテーマに沿って極限られた時間内で協議し意思決定等していく中で、生成AIの業務利用における懸念点などセキュリティ事件・事故発生時の効果的な対応について理解を深めていただきました。

【演習の模様】
九州総合通信局は、共催団体ともども、引き続き、九州管内の企業・自治体等におけるサイバーセキュリティ対策に関する人材育成等の取組を推進してまいります。
お問い合わせ先:サイバーセキュリティ室 096-326-7848