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小型船舶の不法無線局対策のため港湾調査を実施

小型船舶不法無線局対策の取組

 九州総合通信局では、小型船舶に設置された不法無線局対策のひとつとして港湾調査を実施している。管内の港を巡回し、目視により船舶に設置されているアンテナなどの無線設備の設置状況を調査した後、アンテナなどが設置されていた船舶について、無線局免許の取得状況を確認し、必要に応じた指導等を行うものである。
【無線電話のアンテナ】

無線電話のアンテナ

【レーダーのアンテナ】

レーダーのアンテナ

港湾調査を実施

 その港を訪れたのはとても暑い日だった。ざっと見た範囲では50隻程度の漁船が停泊しており、そのほとんどに無線電話のアンテナやレーダーのアンテナが設置されている。
 まずは挨拶のために漁協を訪問する。これは、港湾調査の趣旨を説明する目的に加え、「不審者が港で怪しい行動をしている」と漁協に問合せが入る場合に備える意味もある。
 漁協への挨拶を終え、入念に日焼け対策をしてから調査を開始した。
 3人1組のチームは、アンテナを設置した小型船舶の船舶番号や船名を双眼鏡で確認、内容を調査票に記録、写真撮影とそれぞれ役割分担して調査を進めていく。
 端から順にアンテナの種類や船名などを記録していると、何やら港周辺がざわざわするのがわかる。やはり不審がられているのだ。「何ばしよっと?」と声を掛けられたので、「無線の調査をしています。無線を使っていますか? 免許はお持ちですか?」と聞き返すと、「業者に任せている」とのこと。
 ここでは数人の方から声を掛けられ、無線の使用状況や業者の対応など、地域の実状を詳しく聞くことができた。
 この港の調査には1時間以上を要し、終わる頃には日焼け対策の効果もなく、腕や顔が赤くなっていた。軽く水分補給をして足早に次の港に向かう。この日の調査はまだまだ続く・・・。
 次の日、また次の日と調査を続けた。今回の対象地域は漁業が盛んということもあって、アンテナなどを設置した船舶が4日間で600隻余り確認された。
【港湾調査の様子】

港湾調査の様子

電波利用の正常化に向けて

 調査結果を持ち帰って、アンテナなどが設置されていた船舶について、免許の取得状況を確認したところ、免許の有効期間(5年)が過ぎて免許が失効しているものも含めて、全体の約1/4に当たる150隻余りの船舶で有効な免許が確認できなかった。これらの船舶の使用者には注意喚起文書を送付し、免許を取得するか、使用しない場合は無線設備を撤去するよう指導した。
 小型船舶の場合、免許の有効期間をうっかり過ごして失効してしまったというケースも少なくないので、注意喚起文書送付のほか、漁協等関係機関の協力を得て、電波法に関する知識の周知啓発PDFを図っている。
 さらに、海上保安庁と共同で取締を実施するなど、船舶における電波利用の 正常化に向けた取組をひきつづき進めていくことにしている。

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