報道資料
平成31年4月24日
東海総合通信局
戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)における 平成31年度研究開発課題の公募の結果(東海地域)
東海地域から7件を採択
総務省は、戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)の平成31年度研究開発課題の公募を、平成31年1月4日から同年2月4日まで実施し、全国で149件、東海地域は17件の応募がありました。
これらの提案について、外部有識者による評価を実施し、その結果を踏まえて、全国で56件、東海地域から7件を採択しました。
- SCOPE:戦略的情報通信研究開発推進事業
- (SCOPE: Strategic Information and Communications R&D Promotion Programme)
情報通信技術(ICT)分野の研究開発において、新規性に富む研究開発課題を大学・独立行政法人・企業・地方自治体の研究機関などから広く公募し、外部有識者による選考評価の上、研究を委託する競争的資金です。
東海地域における採択課題
表1:社会展開指向型研究開発(2年枠) フェーズ2
研究代表者(敬称略) |
研究開発課題名 |
名古屋大学 |
河口 信夫(かわぐち のぶお) |
IoTに基づく潜在的社会ニーズの推定と柔軟なサービス需給交換基盤の研究開発 |
表2:社会展開指向型研究開発(3年枠) フェーズ1
研究代表者(敬称略) |
研究開発課題名 |
鳥羽商船高等専門学校 |
江崎 修央(えざき のぶお) |
人工知能を用いた海面養殖業向け自動給餌システムの開発 |
静岡大学 |
渡邊 実(わたなべ みのる) |
耐放射線光電子融合デバイスへのマルチコンテキストスクラビングの実装 |
表3:ICT基礎・育成型研究開発(1年枠)
研究代表者(敬称略) |
研究開発課題名 |
豊橋技術科学大学 |
後藤 太一(ごとう たいち) |
スピン制御レーザーの磁気ホログラムプリントへの応用 |
表4:電波有効利用促進型研究開発(先進的電波有効利用型フェーズ1)
研究代表者(敬称略) |
研究開発課題名 |
浜松ホトニクス株式会社 |
藤田 和上(ふじた かずうえ) |
小型・高性能1テラヘルツ帯量子カスケード半導体光源の研究開発 |
三重大学 |
松井 龍之介(まつい たつのすけ) |
電子ビーム・メタマテリアル相互作用に基づく高指向性テラヘルツ電磁波放射源の研究開発 |
三重大学 |
成枝 秀介(なりえだ しゅうすけ) |
周波数有効活用のためのIoT統合モニタリングシステムの研究開発 |
また、全国における採択課題の詳細は、以下のホームページをご覧ください。
関連報道発表
東海地域における採択課題の詳細
表5:社会展開指向型研究開発(2年枠) フェーズ2
課題名 |
研究代表者 |
概要 |
期間 |
IoTに基づく潜在的社会ニーズの推定と柔軟なサービス需給交換基盤の研究開発 |
河口 信夫(名古屋大学) |
社会に存在する潜在的なサービス需要を抽出し、サービス提供者へ必要に応じて需要の粒度を再構成の上提示し、需要と供給の柔軟な交換を行うサービス需給交換基盤を構築する。構築したサービス受給基盤を愛知県尾東・西三河地区および神奈川県湘南地区に展開し、見守り・交通・インフラ保守点検・防災など平時・有事にまたがる異分野の潜在的需要の抽出と受給交換を行う実証実験により、提案手法の社会需要・展開を加速させるサービス需要利活用モデルを確立する。 |
2か年度 |
表6:社会展開指向型研究開発(3年枠) フェーズ1(注1)
課題名 |
研究代表者 |
概要 |
期間 |
人工知能を用いた海面養殖業向け自動給餌システムの開発 |
江崎 修央(鳥羽商船高等専門学校) |
本研究開発の目的は、マダイやブリなどの魚類を対象とした海面養殖業において、人工知能を活用した自動給餌システムを構築することである。漁師の経験や勘を学習し、顧客のニーズに合わせて出荷時期を調整し、刺身用や煮魚用などの風味付けにも対応可能な全く新しい養殖技術を開発する。少子高齢化による労働力確保の問題を解決し、機械に置き換えられる業務については積極的な適用を進めることで漁師の負荷の軽減を目指す試みである。 |
1か年度 |
耐放射線光電子融合デバイスへのマルチコンテキストスクラビングの実装 |
渡邊 実(静岡大学) |
本研究開発ではシールドが無くても強放射線環境下で安定して動作できる光電子融合デバイスを実現していく。耐放射線光電子融合デバイスが1Gradのトータルドーズ耐性を持つこと、マルチコンテキストスクラビングをこの耐放射線光電子融合デバイスに適用することで頑強なソフトエラー耐性と恒久故障耐性の双方を同時に実現できることを世界で初めて実証していく。 |
1か年度 |
注記
- (注1)戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)は、多段階選抜方式(研究開発を複数のフェーズに分け、多段階で選抜する方式。)を導入しています。社会展開指向型研究開発(3年枠)はフェーズ1(1か年)に採択されました。フェーズ1終了後、選抜評価を通過しフェーズ2 (2か年度)に移行します。
表7:ICT基礎・育成型研究開発(1年枠)
課題名 |
研究代表者 |
概要 |
期間 |
スピン制御レーザーの磁気ホログラムプリントへの応用 |
後藤 太一(豊橋技術科学大学) |
超臨場感映像技術として期待される磁気ホログラムプリントを使った三次元ディスプレイは、超自然な立体視が可能である。しかし、磁気ホログラムプリントには,大型の高出力レーザーが必要であり、デバイス小型化の障害になっている。そこで,本研究開発では、最近開発した世界最小の集積化可能な高強度レーザー(スピン制御レーザー)を使って、この課題の解決を目指す。具体的にはスピン制御レーザーを使った磁気ホログラムプリントの実証を行う。 |
1か年度 |
表8:電波有効利用促進型研究開発(先進的電波有効利用型フェーズ1)(注2)
課題名 |
研究代表者 |
概要 |
期間 |
小型・高性能1Tテラヘルツ帯量子カスケード半導体光源の研究開発 |
藤田 和上(浜松ホトニクス株式会社) |
未開拓な周波数1テラヘルツ帯のキーデバイスとして、小型・高性能1テラヘルツ帯量子カスケードレーザー光源の開発を行う。まずフェーズ1では、誰も成し得ていないサブテラヘルツ〜1テラヘルツ帯で動作が可能な量子カスケードレーザー光源を開発する。フェーズ2では、実現した1テラヘルツ帯光源を基にシリコン基板へのデバイス貼り合せ技術を用いてテラヘルツ出力取り出しを向上することによって高出力化を行い、さらにはCW動作を実現する。 |
1か年度 |
電子ビーム・メタマテリアル相互作用に基づく高指向性テラヘルツ電磁波放射源の研究開発 |
松井 龍之介(三重大学) |
電子ビームとメタマテリアルとの相互作用によれば、大電流入力によらずとも指向性の高いテラヘルツ電磁波放射が得られることが数値シミュレーションにより近年明らかとされているが、未だ実験観測の報告はない。本研究開発では、そのような高指向性テラヘルツ電磁波放射の実験観測に世界に先駆けて挑戦し、安価で使い勝手の良いテーブルトップ型のテラヘルツ電磁波放射源の開発のためのメタマテリアル構造の設計指針の確立を目指す。 |
1か年度 |
周波数有効活用のためのIoT統合モニタリングシステムの研究開発 |
成枝 秀介(三重大学) |
本研究開発は、限られた周波数資源でIoT時代の極多数のセンサによる無線センサネットワークを実現するためのIoT統合モニタリングシステムを開発する。数多くの測定対象を無線センサに統合し、データの空間・時間相関的に適応した集約・収集技術によって周波数利用効率を向上させることを目的とする。データ集約・収集技術、無線センサの最適配置技術等を開発し、近未来に到来する本格的なIoT/M2M時代を支える無線通信インフラ基盤の実現を目指す。 |
1か年度 |
注記
- (注2)戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)は、多段階選抜方式(研究開発を複数のフェーズに分け、多段階で選抜する方式)を導入しています。電波有効利用促進型研究開発(先進的電波有効利用型フェーズ1)はフェーズ1(1か年度)に採択されました。フェーズ1終了後、選抜評価を通過しフェーズ2 (2か年度)に移行します。
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