令和元年(平成31年1月〜令和元年12月)に愛知県及び三重県で発生した船舶事故167隻のうち、プレジャーボートは107隻と全体の約6割を占めています。
総務省では、付近を航行する他の船舶を自動的に識別するAIS及び船舶共通の通信システムである国際VHF等、海難防止のための無線設備の普及を促進しており、プレジャーボートの事故防止を図るため、東海総合通信局、第四管区海上保安本部及び公益社団法人中部小型船安全協会が合同で海上安全講習会を三重県津市のマリーナ河芸で開催します。
この講習会は、令和元年9月16日のNTPマリーナりんくう(愛知県常滑市)、同年11月2日の津ヨットハーバー(三重県津市)での開催に続いて3回目の講習会であり、プレジャーボートの海難の現況と対策について説明を行うとともに、救命胴衣の取扱い、小型船の海難防止のためのAIS及び船舶共通の通信システムである国際VHF等の無線機器の概要や、これらの機器を利用するために必要な手続に関する個別相談を実施します。
令和2年2月14日(金曜日)11時00分から12時00分まで
マリーナ河芸(三重県津市)
総務省東海総合通信局
海上保安庁第四管区海上保安本部/四日市海上保安部
公益社団法人 中部小型船安全協会
株式会社 マリーナ河芸
(1)プレジャーボートの海難の現状と対策について
第四管区海上保安本部交通部安全対策課及び四日市海上保安部交通課から、海難事故の発生状況と事故防止対策等について説明を行います。
(2)海難防止のための無線設備について
東海総合通信局航空海上課からAIS(自動船舶識別装置)、国際VHF無線(船舶共通システム)及びPLB(携帯用位置指示無線標識)の概要説明を行うとともに、無線局免許申請手続に関する個別相談を受けます。
取材に関しましては第四管区海上保安本部安全対策課までお問い合わせください。
(1)AIS(自動船舶識別装置)
船名、位置、針路、速力等のデータを発信するVHFデジタル無線機器で、対応ソフトウエアがあれば受信したデータを電子海図上やレーダー画面上に表示することが可能。総トン数300トン以上の国際航海する船舶、総トン数500トン以上の非国際航海の船舶、国際航海する旅客船に搭載義務。
AISの搭載義務のない小型漁船やプレジャーボート等向けの簡易型AISは、無線従事者資格は不要であり、特定船舶局として簡易な免許手続きで開設が可能。
図1:AIS(自動船舶識別装置)のイメージ
(2)国際VHF(船舶共通システム)
平成20年2月に房総半島沖で発生した護衛艦と漁船の衝突事故を契機として、すべての船舶で共通に使用できる通信システムとして制度化。
図2:国際VHF(船舶共通システム)のイメージ
(3)PLB(救命用携帯無線機:Personal Locator Beacon)
人工衛星を使った全世界的な救助システム(コスパス・サーサット)として運用。携帯電話や船舶無線が通じないような海域でも、遭難時に位置情報と識別信号が人工衛星を経由して海難救助機関(海上保安庁)に送信。
個人で携帯して使用するため、ボート、ウインドサーフィン、シーカヤックなどでも使用可能。
図3:PLB(救命用携帯無線機:Personal Locator Beacon)のイメージ