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報道資料

平成27年3月6日
東海総合通信局

AMラジオ難聴解消のための小電力放送システム調査検討会が報告書を取りまとめ

 総務省東海総合通信局(局長 木村 順吾(きむら じゅんご))では、AMラジオ放送が局地的に聴こえにくい地域の解消のため、ケーブルテレビ網を活用した小電力放送システムの有効性について技術的な調査検討をしてきたところ、有効であるとの結論に達しました。

1 調査検討の目的

 ラジオ放送は、非常災害時における最も基本的な情報伝達手段として非常に大きな役割が期待されていますが、未だ聴こえにくい地域があります。
このような局地的なAMラジオの難聴地域の解消に、ケーブルテレビ網を活用したFM補完小電力放送システム(注)が利用できれば、AMラジオ放送をFMラジオで鮮明に聴くことができ、難聴地域の解消に有効な手段となります。

 注記

  • ケーブルテレビ網を活用したFM補完小電力放送システム:ケーブルテレビ網を活用して、AMラジオ放送の放送番組を山間部などの局地的な地域まで伝送し、FM小電力無線局により放送するシステムです。

図:ケーブルテレビ網を活用したFM補完小電力放送システムのイメージ

 そこで、総務省東海総合通信局では、昨年8月から、ケーブルテレビ網を活用したAMラジオ難聴地域解消のためのFM補完小電力放送システムの調査検討会(座長:都竹 愛一郎(つづく あいいちろう) 名城大学理工学部教授)にその技術的な調査検討を委嘱してきたところです。

2 調査検討の結果

 本調査検討会では、試作した複数の小電力のFM送信設備を設置し、擬似的にAMラジオ番組を伝送してFMラジオで受信することが可能か否かの実証実験を行ったところ、可能であることを確認しました。

 今回は、山間部を対象地域として実証を行いましたが、同様のシステムは、都市部のビル陰や地下街でも有効と考えられます。
総務省では、今後、現用のFM放送局より安価に設置できるFM小電力無線局について、実現に必要な技術基準の検討を行って、難聴地域の解消に努めていきます。

関係報道資料

3 報告書の概要

1 FM補完小電力放送システムの無線局の技術的条件
FM補完小電力放送システムの技術基準を検討し、これに基づくFM小電力無線局の試作機規格を検討、規格に基づき無線局設計・試作を行い、所要の性能を確認した。
2 FM小電力無線局の電界強度と音質の評価
FM小電力無線局から発射した電波を普及型のFMラジオで受信し、電界強度と音質評価を行った。
3 FM小電力無線局の混信検討
FM小電力無線局が近接して2台設置された場合の混信(マルチパス)について、2つの電波の遅延時間差と音質評価、所要DU比の関係を確認した。
4 サービスエリアの検討
電波法令におけるサービスエリアは、地上高4mにおける電界強度で規定しているが、農作業等で腰につける、あるいは傍らに置くなどの実運用を考慮し、受信高の低い場合(地上高約1m)の電界強度も検討した結果、実用性を確認した。
5 実証実験による検証
山間部の難聴地域における試作FM小電力無線局による実証実験により、本試験環境下において、FM補完小電力放送システムの実用性が確認できた。
6 今後の課題
  1. 本システム特有の状況と具体的対応を記したガイドラインの作成
  2. ケーブルテレビ網から隔離した難聴地域への対応
  3. 都市部難聴地域への対応
  4. 地下街等閉鎖空間への応用

報告書の公表
報告書は、3月下旬を目途に当局ホームページにて公表する予定です。


連絡先
東海総合通信局 企画調整課
電話:052-971-9143

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