香南市における道路工事からの振動による財産被害責任裁定申請事件(平成26年(セ)第1号事件)
事件の概要
平成26年1月7日、高知県高知市等の住民3人から、国(代表者国土交通大臣)及び建設会社を相手方(被申請人)として責任裁定を求める申請がありました。
申請の内容は以下のとおりです。被申請人会社が施工した歩道工事に伴う振動により、申請人ら所有の家屋の壁・基礎等に亀裂が発生し、トイレも漏水して使用できなくなり、申請人Aは、仕事引退後、この家屋に移り住む予定だったが、できないでいる。公共事業の施工に伴う建物等の損傷であるので、定められた調査をするよう被申請人国に申し出たが、拒否されている。このため、申請人らは、被申請人らに対し、連帯して、申請人Aに対し4,000万円、他2人に対しそれぞれ1,000万円の損害賠償金の支払を求めたものです。
事件の処理経過
公害等調整委員会は、本申請受付後、公害紛争処理法第42条の12第3項の規定に基づき、高知県公害審査会に対して責任裁定申請の受理について意見照会を行い、受理について特段の支障はないとの回答を受けたので、直ちに裁定委員会を設け、1回の現地審問期日を開催するとともに、環境振動に関する専門的事項を調査するために必要な専門委員1人を選任するなど、手続を進めた結果、平成28年1月18日、本件申請を棄却するとの裁定を行い、本事件は終結しました。
裁定書
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