世界情報通信事情 World Information and Communication Circumstances

Oriental Republic of Uruguay ウルグアイ(最終更新:平成27年度)

市場の動向

インターネット・ブロードバンド市場

2014年6月末現在、ブロードバンド世帯普及率はおよそ70%で、中南米地域平均の36%を上回っている。

国営事業者のアンテルが独占していたインターネット市場は1998年に開放され、ローカル多地点配信サービス(LMDS)網の敷設や事業免許が他社にも付与されるようになった。競合事業者として、2000年5月にデディカドが設立され、ワイヤレス・ローカル・ループ(WLL)によるインターネットや電話サービス、固定WiMAXネットワークを14都市で提供している。しかし、市場開放後もアンテルの優位が続いている。2015年6月末現在の事業者別加入者数シェアは、アンテル:99.1%、デディカド:0.7%である。

2015年6月末現在、接続方法別割合は、DSL:37.2%、LAN/FTTx:61.9%である。アンテルが2011年10月に首都モンテビデオ等でFTTHサービス提供を開始し、加入者数が年々増加している。

固定ブロードバンド加入数及び普及率(2010-2014年)

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年
固定BB加入数(千) 384 473 581 737 840
固定BB普及率 11.4% 14.0% 17.1% 21.6% 24.6%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database, 2015

移動電話市場

ウルグアイの携帯電話普及率は2008年に100%を超え、2014年末現在、160.8%である。

1991年にモビコム・ベルサウス(現モビスター)が国営のアンテルの周波数を借りて、国内で初めて携帯電話サービスの提供を開始した。2004年5月に実施された周波数オークションでアメリカ・モビルが新規参入し、2004年12月にCTIモビル(現クラロ)のブランド名でGSMサービスを開始した。2015年6月末現在、アンテルが約5割のシェアを占め、モビスターとクラロが続いている。

3Gサービスは、2007年7月にアンテルとモビスター、11月にクラロが商用サービスを開始した。2015年6月末現在、加入者総数は172万2,000である。

LTEサービスは、アンテルが2011年12月から首都モンテビデオとプンタ・デル・エステでサービスを開始した。2014年2月にクラロ、9月にモビスターもサービスを開始している。2015年6月現在、LTE加入者数は49万3,000である。

MVNOについては、2009年4月にアルゼンチンの携帯電話事業者テレコム・パーソナルがサービス開始を発表し、サービス拡大のため、同月にウルグアイの同業スプリングビルを買収した。同社はアンテルのネットワーク上でサービスを提供予定であると発表したが、2014年10月現在、新しい展開はない。

移動電話加入数及び普及率(2010-2014年)

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年
移動電話加入数(千) 4,437 4,757 4,995 5,268 5,497
移動電話普及率 131.6% 140.6% 147.1% 154.6% 160.8%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database, 2015

固定電話市場

1974年に市内、国内長距離、国際固定電話市場を独占する形で国営事業者アンテルが設立された。その後、2001年2月に通信サービス規制機関(URSEC)が新規参入の18社に国際電話の免許を付与したことから、国際通話市場が開放された。しかし国内固定通話についてはアンテルの独占状態が続いている。

固定電話加入数及び普及率(2010-2014年)

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年
固定電話加入数(千) 962 965 1,011 1,048 1,083
固定電話普及率 28.5% 28.5% 29.8% 30.8% 31.7%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database, 2015

放送市場

地上放送

国営放送TNUに加え、サエタTV、テレドチェ、モンテカルロ・テレビジョンなどの放送局が存在する。

有料放送

ディレクTVラテンアメリカが2002年に初の衛星放送を開始した。2013年6月末現在、衛星放送加入者数は9万9,500である。また、ケーブルテレビ大手ケーブルビジョンも2007年に衛星放送を開始した。衛星放送はケーブルテレビより普及率は低いが、近年、加入者が増加している。

ケーブルテレビは、TCC(2013年6月末現在、加入者数5万1,200)、Nueve Siglo(同5万400)、モンテケーブル(同4万6,800)が代表的な事業者である。衛星放送に移行する加入者が増加している。

重要政策動向

地上デジタル放送

2007年8月に欧州方式DVB-Tの採用を決定したが、南米諸国で日本方式採用が相次いだことを受けて決定を撤回し、2010年12月、日本方式ISDB-Tの採用を決定した。2012年5月、政府はデジタル放送への完全移行を2015年11月に実施する計画を発表した。2012年8月、国営放送TNUが首都モンテビデオで試験放送を開始した。

2013年9月、地上デジタル放送免許オークションが実施され、VTV及びPop TVの2社が新規参入者として免許を取得した。その後、予備入札評価でトップであったGiroの不服申し立てに基づき政府は入札を再評価し、10月にPop TVへの免許付与の決定を撤回してGiroに免許を付与した。

2014年9月、ホセ・ムヒカ大統領とアンテルは、国営のDTTシステム「Digital Television National System」の構築を開始すると発表した。システムは政府が所有しアンテルが構築する。首都モンテビデオと都市部で最初に開始され、その後、他地域に拡張される。2015年8月には、デジタル放送への完全移行の期限が2017年4月に延期された

基礎データ集

国の基礎データ

政体
立憲共和制
面積
17万5,016㎢
人口
336万9,000人(2015年)
首都
モンテビデオ
公用語
スペイン語

経済関連データ

通貨単位
1ウルグアイ・ペソ(UYU)=3.98円(2016年12月末)
会計年度
1月から1年間
GDP
534億4,270万USD(2015年)

出所:World Bank, World Development Indicators Database

法律

通信 法令17.296
放送 法令14.670 等

監督機関

通信 通信サービス規制機関、国家電気通信局&オーディオビジュアル・コミュニケーション・サービス
放送 通信サービス規制機関、国家電気通信局&オーディオビジュアル・コミュニケーション・サービス