世界情報通信事情 World Information and Communication Circumstances

People's Republic of China 中国のBeyond 5G/6G取り組み動向(最終更新:令和3年度)

政策

2021年3月に国務院によって公表された「第14次5か年計画(2021~2025年)及び2035年までの長期目標綱要」において、「将来を見据えての6G技術の蓄積を進める」との6Gへの取組みについて明記されており、11月に工業・情報化部の公表した「第14次5か年情報通信産業発展計画」の中には、5G-Advanced、6G等研究開発へのサポートを強化するという方針が表明されている。

研究開発

国有企業で通信事業者最大手の中国移動は、6Gに関連した研究開発において重要な役割を担っている。同社は2030年の6G商用化開始を見据えて、2025年までは、ビジョン制定、6Gの潜在的なコア技術の研究と検証及び6Gのコンセプトのシステムデザインに取組むとしている。

そのために同社は2021年5月に未来研究院を設置した。また、清華大学や華南大学等の大学との共同研究も実施し、人材育成にも強化している。12月には、融合ネットワークに向けた軽量化5G-Advancedコアネットワーク実験衛星の軌道上運行に成功し、最小限の衛星搭載ユーザプレーン機能(UPF)の効率的な運用を実現した。

一方、既存IMT-2020 (5G) 推進グループをもとに2019 年 6 月に工業・情報化部によって設置されたIMT-2030(6G)推進グループは、2021年6月に、「6G全体ビジョンと潜在コア技術白書」を公表した。9月に開催された会合では、「6Gネットワーク・アーキテクチャ・ビジョン及びコア技術の展望」を公表し、DOICT(Data, Operation, Information, Communication, Technology)融合に向けた6G網構築技術の発展を提唱した。

市場形成

主要通信事業者やメーカー、大学、研究機関から構成されるIMT-2030(6G)推進グループは、センシング、超大規模アンテナ、テラヘルツ、無線AI 、RIS(Reconfigurable Intelligent Surface)、ネットワーク技術という六つのタスクグループの活動を通じ、国際交流と協力の発展促進も行い、6Gの標準制定、産業の推進、商業応用などによる市場形成を目指すとしている。