世界情報通信事情 World Information and Communication Circumstances

Republic of Korea 韓国のBeyond 5G/6G取り組み動向(最終更新:令和4年度)

政策

6G関連の最初の政策として、科学技術情報通信部が2020年8月に技術開発戦略の6G R&D戦略をまとめた。6G中核標準特許で世界一、スマホ市場シェア世界一、機器世界市場2位を戦略目標として掲げ、2021年から5年間で6G技術研究や標準化に国家予算総額2,000億ウォンを投じる。さらに、科学技術情報通信部が2023年2月にまとめた次世代ネットワーク総合戦略の「K-Network2030戦略」で、6Gの国際特許シェア30%以上の確保や、2026年中の6G研究成果発表イベント開催等の計画が盛り込まれた。

研究開発

6Gは、国が集中育成を図る最重要戦略技術10種の一つに指定されている。6G R&D戦略により、2021年から政府の6G研究開発事業が開始された。プロジェクトには37の企業・研究機関が参加し、政府系ICT研究機関の韓国電子通信研究院(ETRI)が主管機関として政府研究開発事業をとりまとめる。国の6G研究開発事業はITU、3GPPでの6G国際標準化のスケジュールに合わせて、2021-2023年までの第一段階、2024年以降の第二段階に分けて行われる。

サムスン電子とLG電子は自社の6G研究開発センターを2019年に立ち上げている。サムスン電子は、グローバルメーカーとして初めて6Gのビジョンをまとめた6G白書に続き、2022年には6G周波数白書を公表している。2021年以降、サムスン電子は米国のサンタバーバラカリフォルニア州立大、LG電子はドイツのFraunhofer研究所と組んで140GHz以上の高周波数帯域でのデータ送信実験に成功している。また、両社ともITUや3GPP、米国のNext G Allianceといった6Gの国際標準化機関等の議長・副議長の要職に人材を派遣している。

市場形成

国内通信事業者や大手ICTメーカーは2019年から6G研究開発のため、国内外のICT事業者との協力関係を拡大している。6G時代を見据え、科学技術情報通信部の主導で官民協力窓口となる衛星通信フォーラムが2021年7月に立ち上げられた。