世界情報通信事情 World Information and Communication Circumstances

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国家ブロードバンド政策

国家ブロードバンド政策

(2022年1月調査)

名称 政府監督機関 発表時期 主要政策概要
米国 国家ブロードバンド計画 連邦通信委員会 2010年3月 同計画の策定の根拠法である「米国再生・再投資計画法」では7,200億USDの補助金を支給。同計画では、「コネクト・アメリカ基金」を設置し、普及を支援することを勧告。2012年4月に、コネクト・アメリカ基金から、第1段階として合計3億USDを交付すると発表。2012年7月には同基金からの交付を開始した。トランプ政権(当時)は、インフラ整備の一環としてブロードバンド整備も推進するとしている。2018年7月から8月にかけてコネクト・アメリカ基金から第2段階の拠出金を割り当てるオークションが実施され、14億8,800万USDがブロードバンド網の構築に用いられることになった。2019年8月、FCCは、同基金の後継となる枠組みとして、今後10年間で最大204億USDを引き続きブロードバンド展開支援のために割り当てる「Rural Digital Opportunity Fund:RDOF」を設置する等の提案を採択し公表した。総額160憶USDを割り当てる第1段階オークションは2020年10月から11月まで実施され、180者が今後10年間の資金として合計93憶USD近くを獲得した。
中国 ダブル・ギガビット網の共同発展行動計画(2021~2023年) 工業・情報化部 2021年3月 ダブル・ギガビット網とは光ファイバ網及び5G網の二つを意味する。主な目標では、2021年末までに、ギガビット級光ファイバ及び10G-PON以上のシステムによるカバー世帯数をそれぞれ、2億と500万以上に増やし、ギガビット級光ファイバ網への加入世帯数の1,000万突破を目指す。5Gでは、県レベル以上の行政エリアをすべてカバーし、基地局の新設数を60万か所以上とする。2023年末までには、ギガビット級光ファイバ及び10G-PON以上のシステムによるカバー世帯数をそれぞれ、4億と1,000万以上に増やし、ギガビット級光ファイバ網への加入世帯数の3,000万突破を目指す。5Gは郷・鎮レベルの行政単位を基本的にすべてカバーする
韓国 10ギガビット級ブロードバンド商用サービス化促進※KR1 科学技術情報通信部 2018年12月 ギガビット級ブロードバンド網のカバレッジは2017年9月までに全国85市において98%に達している。文在寅政権期の取組課題として、2018年から10ギガビット級ブロードバンドの商用サービス化を進めている。2018年末に発表された「第6次国家情報化基本計画」では2022年までに10ギガビット級ブロードバンドのカバレッジを85市基準で50%に拡大する方針が盛り込まれた。
EU Connectivity for a Competitive Digital Single Market - Towards a European Gigabit Society等 欧州委員会 2016年9月 2025年までのブロードバンド普及戦略として以下の目標を掲げ、Connecting Europe Broadband Fund(CEBF)等の支援基金、から主にルーラル地域の接続環境向上に対する各種プロジェクトへの助成を実施している。
  • 社会・経済上重要な地域に1Gbps級のネットワークを敷設
  • 都市部、主要交通路、鉄道で通信が途切れない5Gサービスを提供
  • 域内のすべての世帯が最大速度100Mbps以上のブロードバンド接続
また、2021年3月に、2030年までのEUのデジタル・トランスフォーメーション(DX)にかかる具体的施策事項を示した「デジタル・コンパス2030」を発表し、EUの全世帯にギガビット網を接続し、すべての人口密集地を5G網でカバーするという目標を示している。
英国 ギガビット級ブロードバンドの整備に向けた取組み デジタル・文化・メディア・スポーツ省(DCMS) 2018年7月 DCMSは2017年11月、銅線を一切介さない完全な光ファイバ網「フルファイバ」(FTTH)及び5G網に対する投資促進を目的に、政府省庁横断的なレビュー「将来の電気通信インフラレビュー(FTIR)」を開始。2018年7月に結果を発表し、2025年までに国内1,500万世帯・事業所をフルファイバ網でカバーし、更に2033年までに当該カバレッジを全国的に拡大すると発表した。ジョンソン政権では、英国の20%に当たるビジネス展開が最も困難な地域へのギガビット級のブロードバンドの展開に50億£を使うことを約束している。
ドイツ ギガビット社会 連邦交通デジタルインフラ省(現連邦デジタル・交通省) 2016年11月 2025年までに四つのフェーズで1Gbpsの超高速光ファイバ網の全国整備を完了するプロジェクトで、2018年末までに全世帯で50Mbpsのブロードバンドが利用可能(フェーズ1)、2019年末までに通信環境が不十分な産業エリアに光ファイバ網を整備(フェーズ2)、2020年末までに周波数帯の確保を含めた5Gの全国展開に必要な環境を整備(フェーズ3)、2025年末までに全国にギガビット網を構築する(フェーズ4)。
フランス 超高速ブロードバンド計画 電子通信・郵便・規制機関(ARCEP、現電子通信・郵便・出版流通規制機関)等 2013年2月 2013年2月、「2022年までに全国の世帯を光ファイバに接続可能にする」という目標の下に、超高速ブロードバンド助成の予算計画が組み直された。現行の計画では、2022年までの中央政府助成金総額は30億EUR、助成対象は地方自治体の主導するプロジェクトとされ、公募によるプロジェクト審査と助成金の交付が進められている。ARCEPは事業者等の投資促進を図る目的で、3か月ごとに国内のFTTH網整備状況を報告するほか、光ファイバ網の整備計画を発表した地域を「ファイバ地域」に認定、加入者回線の光ファイバへの変換を優先的に実施している。無線網からのブロードバンド接続については、移動体通信事業者にはTD-LTE網の構築また固定網の加入者のLTE網接続の受入れが求められている。
日本 情報通信基盤整備推進事業 等※JP1 総務省 2016年4月 2016年度より、過疎地域・離島等の条件不利地域を有する地方公共団体が超高速ブロードバンド基盤の整備を推進する目的で、光ファイバ等の超高速ブロードバンド基盤の整備を実施するのに対して、その事業費の一部を補助する。また、これらの地域における5G等高速・大容量無線通信の前提となる光ファイバ整備、2021年度からは、従来の新規整備に加え、地方公共団体が行う離島地域の光ファイバ等の維持管理に要する経費に関して、その一部を補助する高度無線環境整備推進事業も進められている。
  • ※KR1
    固有名称の計画名はない。
  • ※JP1
    固有名称の政策名ではない。