世界情報通信事情 World Information and Communication Circumstances

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国家ブロードバンド政策

国家ブロードバンド政策

(2026年1月調査)

名称 政府監督機関 発表時期 主要政策概要
米国 BroadbandUSA 国家電気通信情報庁 2015年1月 トランプ政権は、すべての米国民を安価で信頼できる高速インターネットにつなげる目標の達成に向けた「BroadbandUSA」という取組みを推進している。2021年11月に成立した「インフラ投資・雇用法」は、このために650億USDの資金を提供した。このうち、国家電気通信情報庁(NTIA)には482億USDが割り当てられ、六つのブロードバンドプログラムが新設された。2023年6月には、その中でも最大規模のプログラムである「ブロードバンド衡平性・アクセス・配備(Broadband Equity Access and Deployment:BEAD)プログラム」が発表された。同プログラムでは、サービス未提供地域でブロードバンドインフラの展開と導入を計画、支援する各州のプロジェクトに合計424億5,000万USDが配分される。
中国 ブロードバンド国境 工業・情報化部 2023年12月 国境地域の都市と農村部分において、移動体通信網と固定ブロードバンド網の普及率を向上し、5Gとギガビット光ファイバ網へのアップグレードを加速する。2025年末までに5Gとギガビット光ファイバ網が国境地域で利用可能になり、2027年末までに国境地域の行政村、国境管理、貿易機関の95%が5G網に接続される予定である。5G網は陸地だけでなく、内海、領海、その他の海域でも達成される見込みである。
韓国 Hyper AIネットワーク戦略 科学技術情報通信部 2025年12月 科学技術情報通信部は、2025年12月、次世代総合ネットワーク戦略として「Hyper AIネットワーク戦略」を発表した。戦略では固定通信インフラ整備目標として、現在91%の光ケーブル普及率を2030年にギガ級ブロードバンドインフラも併せて98%に拡大構築することを掲げている。
EU デジタルの10年 欧州委員会 2021年3月 欧州委員会は2021年3月、2030年までを「デジタルの10年(Digital Decade)」とし、具体的施策事項を示した「デジタル・コンパス 2030」を発表した。EUの全世帯にギガビット網を接続し、すべての人口密集地を5G 網でカバーするという目標を示している。EU全体及びEU加盟各国の接続状況は年度ごとにデジタル経済社会指数レポートとしてインターネット上で報告されている。また、欧州市民のブロードバンド接続環境向上のためのR&D支援計画であるConnecting Europe Facility(CEF)は2021年から2027年までの関連プロジェクト助成予算として30億EURの出資を予定している。
英国 プロジェクト・ギガビット デジタル・文化・メディア・スポーツ省(現科学・イノベーション・技術省) 2021年3月 50億£の公的資金を投入、提供最困難地域にある100万以上の世帯や企業を接続。2025 年までに最低85%のギガビット対応カバレッジが目標。2億1,000万£相当のブロードバンドバウチャー制度の拡張、1億1,000万£の最大 7,000 の地方の開業医院、図書館、学校の接続、衛星や5G技術を使って電波の届きにくい地域を接続。2023年には、5億3,000万£以上の資金提供により、33万以上の到達困難な家庭や企業に対し、高速なブロードバンドの普及を約束。2025年7月時点で英国施設の87%以上がギガビット対応ブロードバンドへの接続を達成。
ドイツ ギガビット戦略2030 連邦デジタル・交通省 2022年7月 2025年末までに光ファイバ接続を3倍にして、家庭や企業の半数は光ファイバ接続されていることを目標とする。また2026年までに、全国で音声やデータ通信ができる状態にする。次いで、2030年までに、光ファイバを全世帯に、人々が生活し、働き、移動するあらゆる場所で、最新のモバイル通信規格を導入する。政府は投資の円滑化のために許認可の迅速化や協力体制の構築等の支援を行う。また、連邦デジタル・交通省(BMDV)(当時)は、2023年4月から、通信事業者の民間進出において、キャッチアップと新調達の必要性が高い分野に資金を投入する「ギガビット・ファンディング2.0」プログラムを開始しており、同プログラムを通じて光ファイバインフラの全国的な普及を支援している。
フランス 超高速ブロードバンド計画 電子通信・郵便・出版流通規制機関(ARCEP)等 2013年2月 2013年2月、「2022年までに全国の世帯を光ファイバに接続可能にする」という目標の下に、超高速ブロードバンド助成の予算計画が組み直された。助成対象は地方自治体の主導するプロジェクトであり、2022年には実施機関が2025年までに延長されて、公募によるプロジェクト審査と助成金の交付が進められている。2025年の予算案では、銅線撤廃予定地域で光ファイバ接続に技術的な困難を伴う建物の居住者に対して合計1,610万EURの助成予算が設定されている。ARCEP は事業者等の投資促進を図る目的で、3か月ごとに国内の FTTH 網整備状況を報告している。
日本 デジタルインフラ整備計画2030 総務省 2025年6月 本計画は、人口減少や社会課題の多様化に対応しつつ成長力を維持するため、生成AI等のデジタル技術の活用と、それを支えるインフラ整備が不可欠であるという認識のもと策定されたものである。また、災害に備えた通信インフラの強靭化も重要課題であることを踏まえている。計画では、2030年頃を見据え、地方創生と国土強靭化、国際競争力の強化に向けて、「AI時代の新たなデジタルインフラ整備の推進」「新たなデジタルインフラやデジタル技術の活用を支えるネットワーク環境の構築」「特定のデジタルインフラ分野によらず横断的に留意し取り組むべき事項」の三つの柱を設定。各柱に紐づく九つの重点分野を策定している。