世界情報通信事情 World Information and Communication Circumstances

Republic of Zimbabwe ジンバブエ(最終更新:平成27年度)

市場の動向

インターネット・ブロードバンド市場

従来は、テルワンが国内のゲートウェイ基盤を一元的に提供していたが、2010~2011年にかけて、エコネットやパワテル等のISPもEASSY、SEACOM等の国際海底光ケーブルへの接続を実現し、主要都市間に光ファイバ基幹網を構築した。2014年6月現在、大手4事業者(テルワン、エコネット、パワテル、Africam)の光ファイバ・ケーブルの総長は約6,911kmにおよぶ。

ブロードバンド・サービスは、テルワンのADSLサービスが約3万9,000、エコネット子会社のエコウェブ、Acquiva等によるWiMAXサービスが約7,500の加入者を獲得している。モバイル・ブロードバンド・サービスは2014年9月に加入者が約605万に達し、ブロードバンド加入全体の98%近くを占めている。

固定ブロードバンド加入数及び普及率(2010-2014年)

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年
固定BB加入数(千) 33 34 72 104 152
固定BB普及率 0.3% 0.3% 0.5% 0.7% 1.0%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database, 2015

移動電話市場

エコネット・ワイヤレス、ネットワン、テレセルの3社が携帯電話市場に参入している。プリペイド・サービスが中心で、2014年9月末現在、加入者全体の約98%を占めている。ネットワーク間の接続が困難なため、ユーザは複数のSIMカードを所有している。2011年にSIMカード所有者の実名登録制が導入されており、2014年6月には、各事業者に対し実名登録のないSIMカードの接続切断措置が義務付けられた。

3Gサービスは、エコネット・ワイヤレス、ネットワン、テレセルの3社から提供されており、2015年3月末現在、353万の加入者がいる。LTEサービスは、エコネット・ワイヤレスが2013年8月に提供を開始し、2015年3月には主要3都市をカバーしている。

近年、モバイル・マネーが急成長している。2011年3月にネットワンが「OneWallet」を開始したのに続き、同9月にエコネット・ワイヤレスが「Eco Cash」、2014年1月にテレセルが「Telecash」を開始した。2014年9月末現在、モバイル・マネーの利用者数は約491万に達しており、代理店数は約2万570件、2014年6~9月の取引高は約4億USDとなっている。

移動電話加入数及び普及率(2010-2014年)

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年
移動電話加入数(千) 7,700 9,200 12,614 13,633 11,799
移動電話普及率 58.9% 68.9% 91.9% 96.3% 80.8%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database, 2015

固定電話市場

固定電話市場は、テルワンの独占状態にある。携帯電話サービスの普及に伴い、固定電話加入者は減少傾向にあったが、2014年には若干の増加が見られた。固定電話網の構築が遅れているルーラル地域では、無線(GSM方式)による音声通話サービスへの期待が高まっているが、テルワンはハイパーインフレによる経営基盤の悪化で同事業から撤退した。現在、同事業はエコネット・ワイヤレスが行っている。

固定電話加入数及び普及率(2010-2014年)

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年
固定電話加入数(千) 379 356 302 304 329
固定電話普及率 2.9% 2.7% 2.2% 2.1% 2.3%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database, 2015

放送市場

テレビ視聴世帯数は、2014年末現在、約167万と推定されている。地上波で全国放送を実施しているのはジンバブエ放送協会(ZBC)の1系統のみで、これ以外にZBCが首都及びブラワヨ市のみで「Channel 2」を実施している。

有料放送は、2014年末現在、約14万5,000のデジタル衛星放送加入世帯がいると推定されている。南アフリカの放送事業者マルチチョイスが、アフリカ中南部向けの衛星放送プラットフォームDStvにより、八つの番組パッケージで100チャンネル以上を配信している。

重要政策動向

情報通信技術・郵便・国際宅配サービス省(MICTPCS)は、2020年までのユビキタス接続を備えた知識ベース社会の実現を目標に次のプロジェクトを立ち上げている。それらは、1)学校ごとにICTラボを設置、2)ルーラル地域にコミュニティ情報センター設置、3)ユビキタス接続のための国家レベルの通信バックボーンを構築、4)電子政府サービスの充実、5)国家ICT政策の見直しなどである。

基礎データ集

国の基礎データ

政体
共和制
面積
39万757㎢
人口
1,257万人(2015年)
首都
ハラレ
公用語
英語、ショナ語、ンデベレ語

経済関連データ

通貨単位
1ジンバブエ・ドル(ZWL)=0.32円(2016年12月末)
会計年度
1月から1年間
GDP
144億1,919万USD(2015年)

出所:World Bank, World Development Indicators Database

法律

通信 2000年郵便電気通信法
放送 2001年放送サービス法

監督機関

通信 情報通信技術・郵便・国際宅配サービス省、ジンバブエ郵便電気通信規制庁
放送 メディア・情報・放送サービス省、ジンバブエ放送庁