平成19年版 情報通信白書(資料編)

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付注10 地域情報通信産業の分析


1 情報通信産業の定義

 本分析では、各経済産業局が公表している地域産業連関表(平成2年、7年及び12年)を基に作成した「65部門実質地域内表」及びこれを連結して作成した「65部門実質地域間表」に基づき分析を行った。このため、平成17年情報通信産業連関表に基づき分析した第1節3における値とは異なることに留意する必要がある。
 65部門表で定義した情報通信産業と各経済産業局が公表している地域産業連関表の部門(基本分類)との対応は図表のとおりである。

図表 地域産業連関表(1990年、1995年及び2000年)との部門対応
図表 地域産業連関表(1990年、1995年及び2000年)との部門対応

2 実質表と地域間表の作成手順
(1)実質地域内表の作成方法
 上記1の分類に従い集計した65部門名目表をもとに平成12年価格評価による実質化を行った。基本的な方法は、総務省編『平成2−7−12年接続産業連関表 総合解説編』で示されている手順に準拠し、次の[1]から[5]のようにして行った。以下に示す手順は、全ての地域について共通である。
 [1] 総務省編『平成2−7−12年接続産業連関表』に基づき、基本分類(511行部門)各部門の国内生産額、輸入額及び輸出額の名目値と実質値を65部門に集計した上で、それぞれの実質値を名目値で割ることにより、65部門別国内生産インフレータ、輸入インフレータ及び輸出インフレータを作成した。
 [2] 各地域内表の行部門ごとに、国内生産額、輸出額、輸入額を[1]で求めたインフレータを乗じることで実質化した。
 [3] 行部門ごとに、「国内需要額=国内生産額−輸出額+輸入額」により、国内需要額を実質、名目のそれぞれについて求めた。次いで、国内需要額の実質値を名目値で除し、国内需要インフレータを求めた。(国内需要額は事後的に求めるため、国内需要インフレータは、地域により異なる。)
 [4] 行部門ごとに、国内需要の各列項目を国内需要インフレータにより実質化した。
 [5] 付加価値については、列部門ごとに実質国内生産額から実質中間投入額計を差し引くこと(いわゆるダブルインフレーション)により実質値を求めた。

(2)実質地域間表の作成方法
 地域間表の作成は、経済産業省公表の『平成7年地域間産業連関表 作成結果報告書』で示された方法に準拠し、以下の[1]、[2]の手順で行った。ただし、結合作業は基本分類ベースではなく、(1)で推計した65部門実質表ベースで行った。また、屑・副産物について、あらかじめこれを抜き出し別途に地域分割するという作業は行っていない。
 [1] 行部門毎に地域別移入額を(中間需要+地域内最終需要計)で除し、地域間交易係数を求めた。
 [2] 中間需要と地域内最終需要額に地域間交易係数を乗じて地域分割し、非競争型に組み替えた。

3 生産誘発額の計算と成長率の要因分解
(1)生産誘発額の求め方
 生産誘発額は、以下の式に基づいて計算した。実際の計算において、行列の次元nは、65部門×9地域で、n=585となる。
生産誘発額の求め方
 行列Xの列が誘発元の最終需要部門、行が生産を誘発された部門を表す。図表1-1-721-1-74に示した生産誘発額は、これを適宜集計した上で、一部を抜き出したものである。

(2)生産誘発額の成長率に関する要因分解の方法
生産誘発額の成長率に関する要因分解の方法
 (4)式の右辺第1項が国内生産構造変化の要因、第2項が最終需要変化の要因である。図表1-1-73及び1-1-75で示した成長率の要因分解は、(4)式右辺第1項と第2項の行列の要素を適宜集計し、それぞれを対応する生産誘発額の集計値で割ることにより計算した。

 

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