平成20年度第3回政治資金適正化委員会

日時

平成20年7月1日(火) 15時00分〜17時00分

場所

総務省 5階 第4特別会議室

出席委員

上田廣一、小見山満、池田隼啓、牧之内驪vの各委員

議事次第

  1. 開会
  2. 議題
    (1)政治資金監査に関する具体的な指針について
    (2)登録政治資金監査人の業務制限について
    (3)登録政治資金監査人の登録に係る広報等について
    (4)その他
  3. 閉会

配付資料

議事要旨

1. 第1回委員会の議事録について、委員から了承された。

2. 事務局から「政治資金監査の基本的性格(案)」、「政治資金監査に関するフローチャート(未定稿)」及び「政治資金監査に関する具体的な指針骨子(案)」についての説明が行われ、これを基に以下の意見及び質疑があった。(資料1・2・3)


○ 「政治資金監査の基本的性格」の内容については、政治資金監査マニュアルにも記載するのか。

→ 「政治資金監査の基本的性格」をより詳述したものを、政治資金監査マニュアルに記載したいと考えている。

○ 「政治資金監査の基本的性格」について、
・「網羅的」という用語を用いているが、財務諸表監査では、「網羅性」とは、負債の監査において財務諸表に書いていないことも含めて確認するという意味で用いられており、そのような意味も含まれるのか
・「支出の透明性を確保」とあるが、これは単に支出の金額のみならず、支出の性格、目的まで明らかにするということか
・「網羅性」や「透明性」という表現については、一般的な意味においては問題がなくとも、各士業者特有の意味において理解すると、行き過ぎた政治資金監査を想起させる場合もあるので、表現を見直した方がよいのではないか
・一般国民に対して政治資金監査の基本的性格を伝えるという観点からすれば、「網羅性」や「透明性」という表現が必ずしも不適切だとはいえないのではないか
等の意見があり、これらの意見を踏まえて、表現ぶりについて、さらに検討することとなった。

○ 政治資金監査報告書について、
・政治資金監査報告書には発見した事実に対する意見は記載せずに、発見した事項そのものを記載し、その発見事項に対してどのような意見を持つかは、一般国民が判断すればよいのではないか
・政治資金監査報告書はできるだけ簡素なものにすべきであり、発見した事実は政治資金監査報告書に添付する資料などに別途記載させる方が良いのではないか
・財務諸表監査でいうところの意見表明を政治資金監査報告書で行うべきではないことに異論はないが、政治資金監査報告書には一般的な意味での意見は含まれるものであり、政治資金監査報告書は意見表明を行うものではないと規定すると、一切の判断を政治資金監査報告書において記載することができなくなるのではないか
・政治資金監査報告書に何を記載するかが重要であり、政治資金監査マニュアルの検討に当たっては、意見表明を行わなくてもいいように、政治資金監査報告書の記載方法について、政治資金監査マニュアルに詳細を規定すべき
等の意見があり、これらの意見を踏まえてさらに検討することとなった。

○ 政治資金監査マニュアルに加えて、政治資金監査を受ける側の会計マニュアルも作成するべきではないか。

→ 政治資金適正化委員会で作成すべきものか検討する必要があるが、政治資金監査を受ける側の指針のようなものも作成して、政治団体に周知を図ることは必要であると考えている。

○ 会計帳簿について、どの範囲のものまで会計帳簿として認められるのかについて、検討しなければならないのではないか。

→ 省令で定める会計帳簿のほか、日計表・補助簿の使用も認められているので、どの範囲の書類を会計帳簿とするのか、検討を深めていきたい。

○ 調査方法について、費用対効果の観点から一定金額以下の支出については抽出調査とすることも考えられるが、すべての支出を調査するのか。また、全数調査とするのであれば、作業を合理化する必要があるのではないか。

→ 抽出調査にした場合には、会計帳簿と領収書等の突合がなされていない支出が残ってしまい、政治資金監査が十分ではないとの批判も考えられることから、すべての支出について会計帳簿と領収書等の突合を行うべきであると考えている。全数調査であっても、政治資金監査の方法について、政治団体に周知徹底し、領収書等の整理等の事前準備を行っておけば、ある程度は作業が円滑に進むものと考えている。

○ 会計帳簿への住所の記載について、
・住所を記載するのは、かなり大変な作業であり、実務上は不可能ではないか
・住所の記載については、法律で規定されているのであり、法を踏まえて監査における取扱いを検討することが必要ではないか
等の意見があり、これらの意見を踏まえてさらに検討することとなった。

○ 領収書については、どのような点を確認するのか。

→ 政治資金規正法では領収書等の要件は、支出の目的、金額及び年月日の3項目とされており、あて名は要件とはなっていない。したがって、あて名が当該政治団体以外の者や「上様」のものであっても、法令違反とはならない。しかしながら、あて名が当該政治団体以外の者である領収書等については国民の疑惑を招くものであり、何らかの確認をする必要があると考えられるので、領収書等の具体的な確認方法等については、委員会において議論を深めた上で、政治資金監査マニュアルに盛り込みたいと考えている。

○ 登録政治資金監査人の指摘を受けて政治団体が会計帳簿や収支報告書等を修正した場合、その旨を政治資金監査報告書に記載するのか。

→ 登録政治資金監査人の指摘を受けて収支報告書等の修正可能な書類を修正することは可能であると考えているが、修正した事項について、その内容をすべて政治資金監査報告書に記載する必要はないのではないかと考えている。

○ 経常経費についての会計責任者等に対するヒアリングについて、
・登録政治資金監査人がヒアリングする際の何らかの明確な基準を設定することができるのか
・税の世界では、課税される交際費と損金扱いされる会議費は金額により区別する等の基準があるが、政治資金監査における経常経費の判断に当たっても、何らかの基準となるデータを総務省の方で用意できないか
・経常経費についてヒアリングを行うのは、金額さえ突合できればよしとするのではなく、妥当性の疑われる支出についても確認するという姿勢を示してのものと思われるが、明確な基準を設定するのは困難ではないか
等の意見があり、これらの意見を踏まえてさらに検討することとなった。

○ 支出項目の区分について疑義のあるものとはどのようなものか。

→ 省令で定める支出項目の分類基準に照らして、その分類基準と異なる分類がされているものを「疑義のあるもの」と考えている。支出項目の分類基準については、省令で規定されているところであるが、それだけでは分かりにくいという意見もあることから、実務上分類の判断に迷う事例などについて、政治団体に対して委員会として意見照会を行い、それを踏まえて、省令をさらに具体化したものを作成したいと考えている。

○ 他団体に対する支出が、他団体の収入に計上されていることの確認は、事実上行うのは構わないが、マニュアルに規定すべき事項ではないのではないか。

○ 政治資金監査の報酬について、報酬の基準や報酬の算定の考え方を示すことはできないのか。

3. 事務局から、「登録政治資金監査人の業務制限について」についての説明が行われ、これを基に以下の意見及び質疑があり、特段の異論はなかった。(資料4)


○ 国会議員の確定申告をしている税理士は、当該国会議員の国会議員関係政治団体の政治資金監査を行うことができるのか。

→ 行うことができる。

○ 国会議員関係政治団体の役職員は、当該国会議員の別の国会議員関係政治団体の政治資金監査を行うことができるのか。

→ 行うことができる。

○ 一定期間以上連続して政治資金監査を行うことができないという継続的監査の制限については、特に規定する必要はないと考えている。

4. 事務局から、「登録政治資金監査人の登録に係る広報資料」及び「登録政治資金監査人の登録申請について」についての説明が行われ、委員から了承された。(資料5・6)

5. 事務局から、今後の議論の進め方等についての説明が行われた。

議事録

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