総務省は、国際電気通信連合(ITU)2023年世界無線通信会議(WRC-23)の審議結果を受けて、ITU憲章及び条約に規定する無線通信規則の一部改正が発効されること等に伴い、周波数割当計画の案を作成しました。
つきましては、周波数割当計画案について、令和6年7月27日(土)から同年9月2日(月)までの間、意見を募集します。
1 背景
令和5年(2023年)11月20日(月)から同年12月15日(金)まで、アラブ首長国連邦(ドバイ)において開催された国際電気通信連合(ITU)2023年世界無線通信会議(WRC-23)の審議結果に基づき、ITU憲章及び条約に附属する無線通信規則の一部改正が令和7年(2025年)1月1日(水)に発効することとなっています。
我が国における割当て可能な周波数を示す周波数割当計画は、当該無線通信規則に整合するよう定める必要があることから、今般、WRC-23の結果を受けて新たに周波数割当計画を策定するものです。なお、現行の周波数割当計画(令和2年総務省告示第411号)は廃止します。
本件意見募集に関連するWRC-23の主要審議結果とこれを踏まえた周波数割当計画の主な改定内容は以下のとおりです。
(1) HIBS用周波数の特定(1710〜1885MHz、WRC-23 議題1.4関連)
高度18km前後の成層圏を飛行する高高度プラットフォーム(HAPS)にIMT基地局を搭載して利用するHIBS(HAPS as IMT Base Stations)について、従来からHIBS用周波数に特定されている2GHz帯に加え、1.7GHz帯もHIBS用周波数に特定するため、国内脚注を整備します。
(2) 117.975〜137MHz帯(航空移動業務)における航空移動衛星(R)業務への新規分配(同 議題1.7関連)
当該周波数帯は、現在、航空交通管理用途(音声・データ通信)に利用されているところ、海洋上の安全運行に資するため、将来、人工衛星を中継するシステムの導入を想定し、航空移動衛星(R)業務を新規に分配(一次分配)します。
(3) GMDSS近代化(ACS、NAVDAT及びAIS-SARTの導入)のため、関連する脚注の整備(1.6GHz帯、同 議題1.11関連)
国際海事機構(IMO)において検討されているGMDSS(海上における遭難及び安全に関する世界的な制度)の近代化を踏まえ、ACS(自動回線接続システム)、NAVDAT(画像等の伝送も可能なデジタル受信設備)及びAIS-SART(自動船舶識別装置を使用した非常用通信機器)の導入を可能とするため、国内脚注を整備します。
(4) 40〜50MHz帯における地球探査衛星業務(能動)への新規分配(同 議題1.12関連)
40〜50MHz帯において、地球上にある氷や水分の分布の観測を行う衛星搭載レーダーサウンダーのため、地球探査衛星業務(能動)を新規に分配(二次分配)します。
また、46〜68MHz帯において、無線標定業務(ウィンドプロファイラレーダー用途に限定)を新規に分配(二次分配)します。
(5) リモートセンシング観測の要求にのっとった地球探査衛星業務(受動)に係る既存分配の見直しと新規分配(235〜238GHz、239.2〜242.2GHz、244.2〜247.2GHz、同 議題1.14関連)
大気中のオゾン・二酸化硫黄等の観測のため、239.2〜242.2GHz帯及び244.2〜247.2GHz帯に地球探査衛星業務(受動)を新規に分配(一次分配)します。また、239.2〜241GHzの既存の固定業務・移動業務を235〜238GHz帯に移行する変更を行います。
(6)衛星間業務の新規分配(18.1〜18.6GHz、18.8〜20.2GHz、27.5〜30.0GHz、同 議題1.17関連)
静止衛星・非静止衛星間通信及び非静止衛星間通信を可能とするため、当該周波数帯域に衛星間業務を新規に分配(一次分配)します。
2 意見公募手続
3 今後の予定
意見募集の結果及び電波監理審議会への諮問に対する同審議会の答申を踏まえ、周波数割当計画を策定します。
4 資料の入手方法
資料については、連絡先窓口(総合通信基盤局 電波部 電波政策課)において閲覧に供するとともに配布します。また、e-Gov(https://www.e-gov.go.jp/)の「パブリック・コメント」欄に掲載します。