総務省は、利用者のICTリテラシーに関する認識や偽・誤情報の拡散傾向の実態把握を目的に「ICTリテラシー実態調査」を実施しましたので、その
概要
を公表します。
調査の結果、偽・誤情報を拡散した人の中で、ICTリテラシーに関するテスト(※1)に全問不正解であった人の割合は48.9%に上り、拡散していない人の全問不正解の割合(24.7%)の約2倍であり、ICTリテラシーと偽・誤情報の拡散行為の間に一定の相関が見られました。
また、SNS上で見かけた情報・ニュースに対して拡散前に「立ち止まって考える」意向を尋ねたところ、79.2%が「立ち止まって考えると思う」と回答しました。さらに、認知バイアス(※2)を知識として知るだけでは十分ではなく、持っている実感があることが、偽・誤情報の拡散抑制につながる可能性が示唆されました。
【調査の背景】
本調査は、総務省とプラットフォーム事業者・通信事業者等が官民連携で推進する、インターネットやSNSにおけるICTリテラシー向上のための意識啓発プロジェクト「DIGITAL POSITIVE ACTION」の一環として、インターネットやSNS利用者のICTリテラシーに関する認識や、偽・誤情報の拡散傾向等、ICTリテラシーに係る実態を把握し、ICTリテラシー向上の取組の推進に活用するために実施しました。
※ICTリテラシーを「情報通信サービス等を適切に活用するための能力」として調査実施
【調査結果のポイント】
1.過去に流通した偽・誤情報を見聞きした人に対して、その内容の真偽を尋ねたところ、「正しい情報だと思う」「おそらく正しい情報だと思う」と回答した割合は48.4%。他方、偽・誤情報に接触した人のうち、何らかの手段を用いて拡散した人の割合は20.3%。
2.ICTリテラシーに関するテストにおいて、5問中、全問正解した人の割合は5.6%、全問不正解は39.5%だった。偽・誤情報の拡散経験別の正答率では、拡散した人の中で全問不正解であった人の割合は48.9%であり、拡散していない人の全問不正解した人の割合(24.7%)の約2倍であった。
3.ディープフェイク(※3)を「自分は見破ることができる」と回答した人は、ICTリテラシーテストの全問不正解の割合が他の回答をした人と比べて群を抜いて高かった(61.5%)。
4.自分のICTリテラシーについて、平均的または平均より高いと思うと回答した人は、83.0%であった。
5.SNS等での投稿・拡散前に一度立ち止まって考えることは偽・誤情報等の拡散抑制に有効とされているが、SNS上で見かけた情報・ニュースに対して立ち止まって考える意向を尋ねたところ、79.2%が「立ち止まって考えると思う」と回答。
6.「認知バイアス」を知っている人は40.3%で、持っている実感がある人は46.8%であった。「認知バイアスを知っている」人の割合は、拡散経験がある人の方が高い(拡散経験のある人66.5%、拡散経験のない人52.3%)が、「認知バイアスを持っている実感がある」人の割合は、拡散経験がない人の方が高かった(拡散経験のある人54.3%、拡散経験のない人59.3%)。このことから認知バイアスは知識として知るだけでは十分ではなく、自身にも起こり得るものとして理解・自覚することが、慎重な情報判断や拡散抑制につながる可能性が示唆された。
7.インターネットやSNS利用時に「偽・誤情報等に触れている可能性がある」と回答した人は80.6%で、「偽・誤情報等を信じてしまう・騙されてしまう可能性がある」と回答した人は56.4%であった。
8.ICTリテラシー向上に向けた具体的な取組を「行っていない」人は65.8%であった。取組を実施しない理由としては、「取組み方が分からない」(50.4%)が最も多かった。
※3 ディープフェイク:「ディープラーニング(深層学習)」と「フェイク(偽物)」を組み合わせた造語で、本物または真実であるかのように誤って表示し、人々が発言または行動していない言動を行っているかのような描写をすることを特徴とする、AI技術を用いて合成された音声、画像あるいは動画コンテンツのこと
【調査概要】
| 調査期間 |
令和8年5月8日〜令和8年5月13日 |
| 対象地域 |
全国47都道府県 |
| 調査対象属性 |
15歳以上の男女 |
| 調査対象数 |
5,640名 |
| 調査事項 |
利用者のICTリテラシーに関する認識、偽・誤情報の拡散傾向等 |
| 調査方法 |
インターネット調査 |
【「DIGITAL POSITIVE ACTION」について】/調査結果を踏まえた今後の取組
「DIGITAL POSITIVE ACTION」は、インターネットやSNSにおける幅広い世代のICTリテラシー向上を目指し、官民連携での意識啓発プロジェクトとして発足しました。趣旨に賛同するプラットフォーム事業者、通信事業者、IT関連企業、関連団体等が参画しています。
プロジェクトでは、「世代に応じた多様な普及啓発」「SNS・デジタルサービスにおけるサービス設計上の工夫」「信頼性の高い情報にかかる表示上の工夫」の方向性の下、普及啓発教材の作成やセミナー・シンポジウムの開催、広報活動等、更なるICTリテラシー向上に向けた取組を推進しています。取組内容は、Webサイトを通じて随時公表しています。今回の調査結果も踏まえて、ICTリテラシー向上に資する施策や認知バイアスに着目した周知啓発等の取組を引き続き実施してまいります。
生活を楽しく便利にしてくれるインターネットですが、偽情報や誤情報、フェイク動画や詐欺広告、誹謗中傷などによって、正確な情報が手に入らなかったり、惑わされてしまったりすることもあります。日常と隣り合わせになったデジタル空間を、誰もが安心できる場所にするために、情報社会を支える企業・団体とともに、安心できる情報社会づくりを進めてまいります。