はじめに、主催者である「総務省関東総合通信局長 椿 泰文」から、電波の日・情報通信月間に当たり、本記念講演への参加の御礼を述べるとともに関東地域における電波利用の発展及び情報通信の普及・振興に貢献された7個人及び6団体の方々に表彰したことを報告して敬意を表しました。
(参考1:関東総合通信局ホームページ)
次に、関東総合通信局が現在取り組んでいる主な施策として、コロナ禍において安心して様々な活動ができるようにサポートするための「地域課題解決策提案会」、「テレワーク導入ミニセミナーの開催」及び「ローカル5Gの概要」等の概要を説明しました。
(参考2:関東総合通信局ホームページ)
つづいて、講師の「宮田 裕章 慶應義塾大学教授」のプロフィールを御紹介するとともに御講演に先立ち、次の質問を行い宮田教授から御回答をいただきました。
Q:今後、ICTの利活用を広げていく上での課題は何か、あるいは、どのような点に配慮していけばICTの利活用が広がっていくのか。
A:ICT、デジタルというのは手段なので、一番必要なことはこの技術を使ってどういう価値を実現できるのか、人々の生活がどう豊かになるのかということだ。さらに今は非常に大きな転換期なの で、いわゆる身近な事例で実感してもらうだけではなくて、その先に広がる未来あるいはこの社会、そういったものも一緒に描いていく。まさにこうした視点は必要だと考えている。
総務省 関東総合通信局長 椿 泰文 による挨拶
椿 局長 と 宮田 教授 によるQ&Aの模様
宮田教授による講演の模様
講演会終了後には、聴講者からの質問を受け付けて、宮田教授から御回答を述べられました。
Q:企業や自治体がデータ活用やデジタル化を推進していくためのアドバイスがあれば伺いたい。
A:大事なのは体験価値から考えるということ。サービスを受けている人たちの体験をどう変えることができるのかだ。製品を売るためがもちろん必要だが、例えば製薬会社と話しているのは薬をただ売って副反応は知らない、多剤併用の投薬の実態を知らないといった企業ではなかなか生き残れないだろう。薬を使って例えば適切なタイミングによって病気が完治する、あるいは完治が望めなくても最後までその人らしく生きることができることを支えるということ。ユーザーがどう感じたのか、どういう価値が提供されたのかを把握すること。フィードバックをしっかり提供しながら体験のデータを取り続ける、この中で活動そのものが磨かれていくのではないか。このようなユーザー視点に基づきながらデータを収集していくことが大事ではないか。