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【関東総通】e−コムフォKANTO

平成30年10月25日
関東総合通信局

「地域ICT/IoT実装推進セミナーin 関東」を開催

 関東総合通信局(局長:黒瀬 泰平)は、平成30年9月18日(火曜日)、東京都千代田区において、新しいICT/IoT技術による地域課題の解決と自治体サービスの向上に資するため「地域ICT/IoT実装推進セミナーin 関東」を開催しました。
 関東総合通信局は、LPWA、AI等の新しいICT/IoT技術の利活用に関する最新動向を紹介し、地域の課題解決と自治体サービスの向上に、これらのICT/IoT技術が有効であることについて理解をより深めていただき、多くの地域に展開されることを目的として本セミナーを開催しました。

1 開会挨拶

 関東総合通信局の黒瀬局長は、「わが国のいわゆる『静かなる有事』を乗り越えるためには、ICTの活用が重要であり、本セミナーではLPWAやAIといった新しい技術が地域課題の解決にいかにつながるかを参加者の方に理解していただくために開催するもの。当局としても引き続きICT/IoTの利活用推進について、セミナー等を通じて支援していく。」との挨拶をしました。

2 基調講演

 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)オープンイノベーション推進本部ソーシャルICTシステム研究室長であり、総務省地域情報化アドバイザーも務めている荘司 洋三(しょうじ ようぞう)氏から「NICT が推進する地域IoT基盤の最前線 《“データの地産地消”で社会的価値も経済的価値も創る》」と題した基調講演が行われました。
 荘司室長からは、NICTが東京都墨田区等を中心に実証実験として進めている、自動販売機に設置したLPWA等を活用した「飛び出し注意喚起サービス」「ながら見守りサービス」「タクシー乗客発見支援サービス」を紹介しながら、クラウドにデータを蓄積しない「データの地産地消」で地域課題の解決ができるといった内容を、ご講演いただきました。

3 講演1

 総務省情報流通行政局 地方情報化推進室 松田 昇剛(まつだ しょうごう)室長から、「ICT/IoTの地域実装によるデータ主導社会の実現」と題した講演が行われました。
 松田室長は、官民データ活用推進基本法に定められた「官民データ活用により得られた情報を根拠とした施策の企画立案」(EBPM;Evidence-based Policy Making)が必要との基本的な理念を説明した上で、行政サービス改革や地方の課題解決に、自治体内でのデータ活用やオープンデータ公開が効果的だという事例紹介や総務省の取組などについて説明しました。

4 講演2

 関東総合通信局 小杉 情報通信振興課長は、「関東地域における地域ICT/IoT実装の推進」と題し管内の最近のICT/IoT利活用支援の事例について紹介しました。
 ふるさとテレワーク推進事業として「勝浦テレワークセンター」の整備事例、データ活用型スマートシティ推進事業として「スマートシティさいたまモデル」の構築事例、地域IoT実装推進事業としていすみ市の農業分野のIoT実装の事例、また、インフラ整備の支援として、日光市、山梨県、甲府市における公衆無線LANの整備事例、新島村における光海底ケーブル等の整備事例を紹介しました。

5 パネルディスカッション

 ディスカッションに先立ち、パネリストによる事例紹介が行われました。

(1)事例紹介1

 藤枝市企画創生部企画政策課長 兼 ICT推進室長 田中 章元(たなか あきもと)氏から、「IoT活用で導く地域課題解決《LPWAの実証実験誘致》」と題した事例紹介が行われました。
 藤枝市とソフトバンク株式会社が連携して構築したLPWAネットワークを活用し、IoTの実証実験を公募したこと及びその採択事例について紹介されました。
 採択事例として、「登下校お知らせサービス」「有害鳥獣の捕獲通知システム」「降雨災害の検知」「水位センサー、水位監視システム」等について説明され、藤枝市としてICTで人の流れを呼び込むまちづくり、ICTの効果的活用で“真に選ばれるまち”を取り組んでいることが紹介されました。

(2)事例紹介2

 富士通株式会社 公共・地域営業グループ 行政ビジネス推進統括部 行政第三ビジネス推進部 シニアマネージャー 河野 大輔(こうの だいすけ)氏から、「保育所入所選考へのAI技術導入《さいたま市の実証実験プロセスと成果・課題》」と題した事例紹介が行われました。
 保育所入所選考では、優先順位、条件など複雑な要素を考慮する必要があり、職員による入所選考会では10日以上かかることもある選考が、AIにより数秒で結果を出すことができたという実証結果について、マッチング理論の概要やさいたま市のコメントも交え紹介がありました。

(3)事例紹介3

 横浜市資源循環局政策調整部 3R推進課長 江口 洋人(えぐち ようと)氏から、「AIを活用したごみ分別案内」と題した事例紹介が行われました。
 横浜市ではAI技術を活用したチャットボットを用い、ごみの出し方や粗大ごみの処理手数料などを対話形式で案内する「イーオのごみ分別案内」を提供しており、開発の経緯や利用実績について説明がありました。コールセンターに比べるとコストが安価である点や、夜間21時以降のコールセンター営業時間外の利用が約3割と多いことも紹介されました。
 更に、行政からの情報発信や多言語化等の機能向上など、市民の皆様の利便性を高める機能向上について、方向性を説明されました。

(4)パネルディスカッション

 各事例紹介の後、会場の参加者が質問を投稿できる質問システムを使用したディスカッションが行われました。会場参加者からは、より詳しい内容や自治体が導入するにあたっての課題など、多くの質問が寄せられ、活発な意見交換が行われました。
 このセミナーには、自治体職員・ICT関連企業の方などを中心に100名の方が参加され、盛況に開催されました。
 
 関東総合通信局では、ICT/IoTの実装の優良事例の紹介や各種の補助事業による支援などを通じて、地域におけるICT/IoTの実装推進に取り組み、地域の皆様とともに歩んでまいります。
 

開会挨拶を行う黒瀬局長

基調講演を行う荘司氏

 

講演を行う松田室長

講演を行う小杉課長

 

事例紹介を行う田中氏

事例紹介を行う河野氏

 

事例紹介を行う江口氏

会場の様子

 

質問システム

(参考)

関東総合通信局 報道資料 (平成30年8月10日)
「地域ICT/IoT実装推進セミナー in 関東」の開催

連絡先
総務省 関東総合通信局
情報通信部 情報通信振興課
担当:小杉、下島
TEL:03-6238-1690

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