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「ICT利活用サミットin熊本」を開催
−平成30年10月15日(熊本市国際交流会館)−

 九州総合通信局は、一般財団法人全国地域情報化推進協会(APPLIC)との共催により、平成30年10月15日(月)、16日(火)の2日間、熊本市国際交流会館(熊本市)及びスマートひかりスクウェアくまもと(熊本市)において、「ICT利活用サミットin熊本」を開催し、地方公共団体、企業等から延べ127名の参加がありました。
 サミットでは、大規模災害時の情報伝達の在り方など、地域が抱えている様々な課題を、ICT/IoTを利活用してどのように解決に導くのかを検討するため、地域課題をテーマにパネルディスカッションを行ったほか、地域での取組について語り合うショートセッションを行いました。
 
<1日目:平成30年10月15日(熊本市国際交流会館)>

【開会挨拶】九州総合通信局長 森 孝
 

森局長

<森局長>


【講演1】「ICT地域イノベーション −課題解決から地域の魅力創造へ−」
     (一財)全国地域情報化推進協会 ICT利活用地域イノベーション委員会 委員長
     早稲田大学大学院アジア太平洋研究科長 教授 三友 仁志 氏


 フィンランドに滞在した経験から、通信インフラの発達や加速するネットワーク社会など日本との共通点と、一方で、小さな国内市場規模、起業に対する様々なサポート、ICTを活用した仕事の効率化など、日本との相違点について説明がありました。その上で、国内の地域におけるICTの利活用が進んでいない「産業振興」と「就労・人材」の各分野での活用を増やすことに、地域力・地域の価値創造の源泉があるのではとの指摘がありました。
 また、地域の魅力創造に向けたICT利活用のポイントとして、「地域の魅力を失わない」、「業を創る人が集まるために場と仕組を作る」、「ICTは距離的・物理的なハンディを埋めるためのツール」であることなど、地域の魅力を創造するために何が必要かについて講演をいただきました。
 

三友教授

<三友教授>


【講演2】「地域ICT/IoT実装に向けた総務省の取組〜防災関連の取組を中心に〜」
     総務省情報流通行政局地域通信振興課 課長 吉田 正彦

 地域ICT/IoT実装に向けた総務省の取組として、防災関連を中心に、熊本地震や大阪北部地震におけるLアラートの活用例、発信状況、情報の地図化、及び本年7月から検討を始めた「今後のLアラートの在り方検討会」の内容について説明しました。
 また、G空間防災システムの普及促進に向けた「地域IoT実装推進事業」や「G空間情報利活用のための人材育成支援」の取組、防災拠点や災害対応の強化が望まれる公的拠点におけるWi-Fi環境の整備に向けた「公衆無線LAN環境整備事業」等の取組について紹介しました。

 

吉田課長

<吉田課長>


【パネルディスカッション1】「ICTによる地域イノベーションの展開」
 ○
コーディネータ
  総務省地域情報化アドバイザー 国立大学法人熊本大学名誉教授 山中 守 氏
 ○パネリスト
  総務省情報流通行政局地域通信振興課 課長 吉田 正彦 
  熊本県企画振興部交通政策・情報局情報企画課 課長 島田 政次 氏
  熊本市総務局行政管理部情報政策課 副課長 松岡 雅美 氏
  中小企業診断士事務所ナレッジケース代表 桐原 光洋 氏
  名古屋大学大学院情報学研究科 講師 浦田 真由 氏
  (一社)クラウド活用・地域ICT投資促進協議会 臼木 裕明 氏

 最初に、島田氏、松岡氏及び桐原氏から、熊本市・熊本県・NTT西日本の三者によるICT利活用に関する包括連携協定に基づく「スマートひかりタウン熊本」の取組事例について紹介がありました。また、浦田氏からは、愛知県内の7市町で検討しているオープンデータ推進会議や行政サービスにおけるAIスピーカーの活用に関する実証実験の内容についての紹介、臼木氏からは、地域の中小規模事業者等におけるクラウドサービス活用を地域の関連団体とともに支援している各種取組について紹介がありました。
 ディスカッションでは、会場から「実証事業から実用化に移していかなければイノベーションは生まれない。そのためには地域で何が必要なのか」との問題提起に対し、パネリストから「しっかりしたビジネスモデルのもと、中心となって引っ張っていく主体の存在が重要なのではないか」や「実証したあとの振り返りを行うことが必要である」などの提言がありました。最後に、「地域の伝統産業等と、IoTやICTといった技術をどう連携させていくかが今後の課題である」とコーディネータの山中氏の提言でパネルディスカッション1は終了しました。
 

コーディネータ 山中氏

<コーディネータ 山中氏>

 

パネリスト

<パネリストの方々>
 

【パネルディスカッション2】「再考:大災害と情報・メディア」
 ○コーディネータ
  (一財)全国地域情報化推進協会 ICT利活用地域イノベーション委員会 委員長
  早稲田大学大学院アジア太平洋研究科長 教授 三友 仁志 氏
 ○パネリスト
  前福岡大学法学部 准教授 西澤 雅道 氏
  LINE株式会社 執行役員 公共政策室室長 江口 清貴 氏
  名古屋大学大学院法学研究科 教授 林 秀弥 氏
  静岡大学学術院情報学領域 准教授 高口 鉄平 氏
  早稲田大学大学院アジア太平洋研究科 准教授 中嶋 聖雄 氏
  (一社)日本民間放送連盟 研究所長 木村 幹夫 氏
  (一社)マルチメディア振興センター 主席研究員 田中 絵麻 氏

 最初に、ショートプレゼンテーションとして、西澤氏から、「コミュニティ防災とICT-熊本地震、九州北部豪雨、西日本豪雨等を踏まえて」と題して、情報通信学会国際コミュニケーション・フォーラム「ICT×AI×防災・減災」での議論のポイントについて説明がありました。  
 次に江口氏から、「災害時のLINE活用と防災・減災につながるネットコミュニケーション」と題して、熊本地震時において情報伝達の手段としてLINEが活用された事例等について説明がありました。
 ショートプレゼンテーションをふまえ、パネリストから以下のような指摘や説明がありました。

 林氏「費用便益分析の観点から、防災無線以外にも様々なツールの検討が必要ではないか」
 高口氏「防災における個人情報の利用についてもう少し柔軟に考えるべき」
 中嶋氏「SNSの利用に際し、発信側のメディアリテラシーが重要になってきている」
 木村氏「メディアの側では、フェイクニュース対策として、情報源を地道にあたるしかない」
 田中氏「日本の防災の特徴は、LINEやLアラートといったツールがしっかり連携できていることがあげられる」

 ディスカッションでは、コーディネータの三友氏から「最近メディアが、一般人が撮影した映像等を使う機会が増えているように感じるが、どのようなことが必要か」との問題提起に対し、パネリストから「情報の裏をしっかりとることが必要」や「マスメディアとソーシャルメディアの融合に当たっては、情報を発信する側のメディアリテラシーが必要になるのではないか」などの提言がありました。最後に、「電子化と災害対応の強靱性を両立させることが今後必要になってくるのではないか」とコーディネータの三友氏の提言でパネルディスカッション2は終了しました。

 

コーディネータ 三友氏

<コーディネータ 三友氏>

 

ショートプレゼンテーション 西澤氏

<ショートプレゼンテーション 西澤氏>

 

ショートプレゼンテーション 江口氏

<ショートプレゼンテーション 江口氏>

 

パネリスト

<パネリストの方々>
 

【閉会挨拶】熊本市長 大西 一史  氏

 

大西市長

<大西市長>
 
10月16日の記事へつづく)

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