総務省トップ > 組織案内 > 地方支分部局 > 東海総合通信局 > 電波環境 > アマチュア無線局の使用区別

アマチュア無線局の使用区別

アマチュア業務に使用する電波の型式及び周波数の使用区別について

 アマチュア無線局が使用する電波の型式及び周波数の使用区別は、電波法第61条、無線局運用規則第258条の2、令和5年総務省告示第80号「無線局運用規則第258条の2の規定に基づくアマチュア業務に使用する電波の型式及び周波数の使用区別」PDF (令和5年9月25日施行)により定められています。使用区別は、周波数ごとに電波の型式(主にAM、SSB、CW、及びFM)と用途(衛星通信、レピータ通信、パケット通信、月面反射通信等)により区別されています。

アマチュアバンド使用区別早見表(総務省ホームページ)PDF

 この使用区別に違反して電波を発射すると、正しく通信しているアマチュア無線局の運用に支障をきたす恐れがあります。使用区別を守って、通信を行ってください。

無線局運用規則257条(発射の制限等)

 アマチュア局においては、その発射の占有する周波数帯幅に含まれているいかなるエネルギーの発射も、その局が動作することを許された周波数帯から逸脱してはいけません。

図1:アマチュア局が動作することを許される周波数帯を逸脱したイメージ
1200メガヘルツ帯の場合の逸脱例

アマチュア無線局の使用区別などに関するQ&A

デジタル通信

Q1:最近、FMモードで、運用していると「ザー、ザー」と、ノイズのような電波が被ってくることがあり、妨害されているのではないかと思うことがあります。 この、ノイズのような電波の正体は何ですか。

A1:FMモードでデジタル音声通信を受信すると、受信方式が違う(デジタル受信機ではない)ため、音声として復調されず「ザー、ザー」とノイズのような音として聞こえることが原因(正体)です。
 また、隣接した周波数の電波が、影響してノイズとなって受信される場合もあります。
 FMモードもデジタルモードも運用できる周波数は、「広帯域の電信・電話・画像(注1)」及び「全電波型式」とされているところで、共用して使用すると規定されています。  アマチュア無線で使用する周波数は、アマチュア局の皆様が共用して使用することを理解されることが大切です。

 アマチュア無線の目的は、「金銭上の利益のためでなく、もっぱら個人的な無線技術の興味によって行う自己訓練、通信及び技術的研究」であるため、可能であれば、他の周波数帯やFMモード以外の通信に挑戦してみるのも良いでしょう。

注1

図2:広帯域の電信・電話・画像通信の具体例

・占有周波数帯幅が3キロヘルツを超える通信・FM、D-STAR(DV)モードによる電話通信・FMモードでマイクロホン端子に電鍵などで断続した可聴周波数のモールス符号を入力して行う通信・FMモードによるSSTVやFAX等の通信・VoIP、RTTY及びデータ伝送を除く
 

Q2:デジタル音声(D−STAR:DV(デジタルボイス)モード等)通信ができる周波数が変更になったと聞いたのですが。

A2:平成21年3月30日から、広帯域の定義が「占有周波数帯幅が6kHzを超えるもの」から「占有周波数帯幅が3kHzを超えるもの」に変更されたので「広帯域の電話」の使用区別内で運用することになります。」(ただし、呼出周波数では運用できません。)
(A1の注1、A4の注3参照)

Q3:D-STAR(DV)モードのデジタル音声通信では、自局のコールサインを言わなくても、無線機に入力したコールサインをデジタル信号で送出しているため、無線局運用規則(以下、運用規則)違反にならないですか。

A3:運用規則違反になります。
 デジタル通信方式であっても、音声で通信するのであれば、運用規則に定められた呼出し、応答方法(注2)のとおり自局のコールサインを送信してください。
 なお、アマチュア無線の通信は、その通信中10分に1回は、自局のコールサインを送信してください。

注2

【呼出し】
運用規則第20条 (1)相手局の呼出符号 3回以下 (2)こちらは 1回 (3)自局の呼出符号
3回以下

【応答】
運用規則第23条 (1)相手局の呼出符号 3回以下 (2)こちらは 1回 (3)自局の呼出符号
1回

【10分に1回、コールサインの送信】
運用規則第30条 無線局は、長時間継続して通報を送信するときは、(アマチユア局にあっては10分)ごとを標準として適当に「こちらは」及び自局の呼出符号を送信しなければならない。

Q4:145.30MHz、433.30MHzは、デジタル呼出周波数といわれますが、FMモード(F3E等)で通信すると「電波の型式及び周波数の使用区別(以下、使用区別)」違反になりますか。

A4:違反ではありません。使用区別は、「アマチュア業務に使用する電波の型式及び周波数の使用区別(令和5年3月22日付け総務省告示第80号)(注3)」で定められており、145.30MHz、433.30MHzでFMモードの通信が、認められていることから違反とはなりません。

注3

令和5年総務省告示第80号「無線局運用規則第258条の2の規定に基づくアマチュア業務に使用する電波の型式及び周波数の使用区別」PDF

アマチュアバンド使用区別早見表(総務省ホームページ)PDF

 一般社団法人日本アマチュア無線連盟(JARL)では、145.30MHz、433.30MHzを、デジタル呼出周波数として推奨し、「JARLアマチュアバンドプラン(注4)」に記載しています。
 法的な決まりは無いものの、どのモード(FM、デジタル等)であっても、その運用に配慮しながら使用することが必要な周波数といえます。
 「FMモードで使用しているから違反だ。デジタルモードで混信を与えられた。」といった苦情が多数寄せられていますが、「広帯域の電信・電話・画像」又は「全電波型式」の使用区別では、FMモードもデジタルモードも共用で使用します。ルールを守ることは当然ですが、マナーを守りアマチュア無線局同士が譲り合って使用することが大切です。

 なお、メインチャンネルといわれる呼出周波数(145.00MHz、433.00MHzなど)は、デジタルモードでは、使用することができません。(145.00MHz、433.00MHzは、FMモードで連絡設定に使用することと「使用区別」で規定されているため。(注5))

注4

アマチュアバンドプラン(JARLホームページへ)別ウィンドウで開きます

注5

 告示(注3参照)の備考8
 この表の規定にかかわらず、次に掲げる周波数は、F2A電波又はF3E電波により連絡設定を行う場合に限り使用することができる。

VoIP通信

Q5:VoIP通信とは何ですか?

A5:公衆網に接続し音声等の伝送を行う通信(エコーリンク、WIRES等インターネット接続網を介して音声等の伝送を行う通信等)のことです。

Q6:VoIP通信は、どの周波数で行えばよいのですか。

A6:「アマチュア業務に使用する電波の型式及び周波数の使用区別」(令和5年9月25日付け総務省告示第80号)により、144MHz帯、430MHz帯の周波数においては、下記の周波数帯のみ通信可能です。(令和5年総務省告示第80号 備考6 及び、注15)
144.50MHz〜144.60MHz、145.65MHz〜145.80MHz
430.70MHz〜431.00MHz、438.00MHz〜439.0MHz
ただし、使用区別では、VoIP専用ではなく、VoIPとあわせて「全電波型式」用と定められています。
144MHz帯、430MHz帯以外については、使用区別が「全電波型式」とされている周波数ならば、VoIP通信可能です。
「全電波型式」は、全てのモード(電波型式)が使用する共用周波数ですので、「全電波型式」の使用区別でVoIP通信をする場合は特に注意や配慮が必要です。

Q7:VoIP通信に割り当てられた周波数以外の周波数でVoIP通信をすることは、電波法令違反になりますか。

A7:144MHzを超え440MHz以下の周波数においては、VoIP通信の使用を認められた周波数以外で、VoIP通信をすると、使用区別違反になります。
 144MHz帯、430MHz帯以外については、使用区別が「全電波型式」とされている周波数で、VoIP通信をすることは、使用区別違反にはなりません。

その他

Q8:電波の型式及び周波数の使用区別表の境界周波数での送信について、教えてください。 たとえば、431.00MHzでVoIP通信の運用はできますか。

A8:431.00MHzは、VoIP通信区別の境界周波数となります。
 境界周波数での運用については、使用区別の上限(数値の大きい方)の周波数と発射する電波の搬送波の周波数が一致してもよいとされている(A4の注3参照)ことから、運用することができます。(一方430.70MHzは、狭帯域データ(RTTY、PSK31など)等の使用区別に含まれますからVoIP通信はできません。)
 しかしながら、境界周波数で電波を発射すると、隣接の使用区別で運用する無線局とのトラブルが発生する可能性が高くなります。境界周波数での使用は避けて運用しましょう。
 なお、バンドエッジ(アマチュア周波数帯内の両端)の144.00MHz、146.00MHz、430.00MHz、440.00MHz等は、運用規則257条「アマチユア局においては、その発射の占有する周波数帯幅に含まれているいかなるエネルギーの発射も、その局が動作することを許された周波数帯から逸脱してはならない。」により、送信することが禁止されていますので十分ご注意ください。

図3:VoIP通信の使用区別に係る周波数の説明

周波数使用区別(VoIP通信)の下限周波数(運用不可)・上限周波数(運用可)について、アマチュアバンドエッジにおける送信についての説明図
 

Q9:432.31MHzなど、10kHzステップの周波数(10kHz台が奇数の周波数)で運用することは、運用規則違反になりますか。

A9:運用規則違反にはなりません。
 ただし、次の点に注意して他のアマチュア無線局の迷惑にならない運用をして下さい。
 ナロー対応のFM無線機(最大周波数偏移±2.5kHz)同士であれば、432.31MHzと隣接チャンネル(432.30MHz/432.32MHz)で混信することはありませんが、片方の無線機が通常のFM無線機(最大周波数偏移±5kHz)だと、お互いに混信を受けてしまいます。
 なお、D-STAR(DV)モードのデジタル通信は、ナロー対応の無線機と同様に、片方の無線機が通常のFM無線機だと、お互いに混信を受けてしまいます。

図4:FM無線機の混信説明

 

 ※アマチュア無線は歴史が古く、引き継がれてきた慣習も存在します。偶数の周波数で運用する慣習があることを理解することも大切です。

Q10:一緒に移動する自動車同士(近距離)での交信の際に電波出力はどのようにしたらよいでしょうか?

A10:電波出力は必要最小限にしましょう。(注7)
 電波は有限な国民の財産です。
 電波出力を最小限にすることにより、使用する周波数は繰り返し利用が可能になり、より多くの無線交信が可能になります。
 高出力で通信をすると、あなた方の交信が、走行場所によっては数十キロメートル一帯で受信されることになります。

注6
電波法第54条
 無線局を運用する場合においては、空中線電力は、次の各号の定めるところによらなければならない。ただし、遭難通信については、この限りでない。
 (1)免許状等に記載されたものの範囲内であること。
 (2)通信を行うため必要最小のものであること。

 交通マナーやネットマナーがあるように、アマチュア無線にもマナーがあります。法律を守るのは当然として、「みんなが聞いている、みんなのもの」という意識を持って通信する相手や受信している周囲の方などが楽しくアマチュア無線を利用できるように心がけましょう。

ページトップへ戻る