今回は、ITS推進に関する全体構想のうち「安全運転支援」についてお話しします。
交通事故は、34秒に1回発生し、63分に1回は死亡事故につながり、また3割が前車への追突事故と言われています。この追突を回避・軽減するため、各メーカーはプリクラッシュセーフティ(衝突直前の安全)という技術を相次いで開発しており、その主となるシステムがミリ波レーダーです。
ミリ波レーダーは、100m程度の範囲の状況を探知可能な、ミリ波を用いたレーダーシステムです。電波を利用することから霧の中や降雨・降雪時においても使用可能であり、運転者の視覚を補助し、衝突事故等の防止の一助となることが期待されています。現在、利用できる周波数帯は60GHz帯、76GHz帯及び79GHz帯であり、小電力ミリ波レーダーとして技術的条件が規定されています。
図:ミリ波レーダーの利用例イメージ
あるメーカーが開発したシステムは、次のようになっています。