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安全運転支援(ミリ波レーダーの利用)

 今回は、ITS推進に関する全体構想のうち「安全運転支援」についてお話しします。
交通事故は、34秒に1回発生し、63分に1回は死亡事故につながり、また3割が前車への追突事故と言われています。この追突を回避・軽減するため、各メーカーはプリクラッシュセーフティ(衝突直前の安全)という技術を相次いで開発しており、その主となるシステムがミリ波レーダーです。

1 ミリ波レーダーとは(ミリ波:波長がミリメートル台の30GHz〜300GHzの電波)

 ミリ波レーダーは、100m程度の範囲の状況を探知可能な、ミリ波を用いたレーダーシステムです。電波を利用することから霧の中や降雨・降雪時においても使用可能であり、運転者の視覚を補助し、衝突事故等の防止の一助となることが期待されています。現在、利用できる周波数帯は60GHz帯、76GHz帯及び79GHz帯であり、小電力ミリ波レーダーとして技術的条件が規定されています。

図:ミリ波レーダーの利用例イメージ

2 ミリ波レーダーの特徴

  1. 基本機能としては、距離測定機能(レ―ダー前方の障害物等までの距離を測定す る機能)と速度測定機能(レーダー前方の障害物等に対する速度を測定する機能) を有しています。
  2. 使用目的としては、
    1. 警報、表示
    2. 危険回避を援助する制御
    3. 自動走行制御等
    が考えられます。

3 実用化されたシステムの例

 あるメーカーが開発したシステムは、次のようになっています。

  1. 車の前方に設置されたミリ波レーダーにより、前の車との距離や相対速度を計算し、危険 と判断した瞬間、ドライバーがブレーキを踏むよう警報を鳴らし、シートベルトを軽く引き込む。
  2. このときドライバーがブレーキを踏めば、多くの場合、追突事故を防ぐことができますが、 それでも衝突が避けられない状況になった場合、シートベルトをより強く引き込みブレーキ を自動的にかけて被害の低減を図る。

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