今回は、ITSシステムの1つであるDSRCについて説明します。
図:DSRCのイメージ
自動車と路側の間を無線通信で結ぶことにより、有料道路の料金所における料金収受を一旦停車することなく電子的に行うことを可能としたノンストップ自動料金支払いシステム(ETC)については、全国で整備されています。ETCの有料道路料金の自動収受技術(車載器と路側間の双方向通信技術)を、様々な分野で利用可能とするものがDSRC(狭域通信:Dedicated Short Range Communications)システムであり、ITSシステムの1つとして駐車場管理や物流管理、ガソリンスタンド代金支払い等の様々な分野においての利用が期待されています。
電波法令に規定するDSRCシステムの技術的条件は、次のとおりです。
諸元 | DSRCシステム | ETC(参考) | |
---|---|---|---|
無線周波数帯 | 5.8GHz帯の14波 | 5.8GHz帯の4波 | |
変調方式 | スプリットフェーズ符号を使用したASK変調方式又は4相位相変調方式 | スプリットフェーズ符号を使用したASK変調方式 | |
信号送信速度 | ASK変調方式 | 1,024kbps | 1,024kbps |
QPSK変調方式 | 4,096kbps | ||
空中線電力 | 基地局 | 300mW以下 | |
陸上移動局 | 10mW以下 | ||
試験用無線局 | 1mW以下 | ||
占有周波数帯幅の許容値 | 4.4MHz以下 | 8MHz以下 | |
空中線利得 | 基地局 | 20dBi以下 | |
陸上移動局 | 10dBi以下 | ||
試験用無線局 | 10dBi以下 |