登録検査等事業者制度

1 登録検査等事業者

1 登録検査等事業者制度の背景

 従来より、総務大臣の登録を受けた登録点検事業者が無線局の無線設備等の点検を行い、免許人から当該点検の結果を記載した書類の提出があったときは、検査の一部を省略することができる登録点検事業者制度が実施されており、無線局の無線設備等の新設検査、変更検査及び定期検査において広く活用されてきました。

 平成23年6月30日の放送法等の一部を改正する法律の施行により、同制度を発展させ、総務大臣の登録を受けた登録検査事業者が無線設備等の検査を行い、免許人から当該無線局の無線設備の検査結果が法令の規定に違反してない旨を記載した証明書の提出があったときは、定期検査を省略することができる無線局の定期検査制度の見直しが行われ、これまでの点検に加えて検査を行うことが可能な登録検査等事業者制度が開始されました。

 登録検査等事業者制度においては、無線局の無線設備等の定期検査に係る検査、又は無線局の無線設備等の新設検査、変更検査及び定期検査に係る点検の事業を行う登録検査事業者(用語1)と、従来からの登録点検事業者と同様に、無線設備等の点検の事業のみを行うことができる登録点検事業者(用語2)の2種類が存在します。

 なお、経過措置として、本法律施行の際に、既に登録点検事業者として登録を受けている者は、引き続き、施行日に新制度における登録点検事業者として登録を受けたものとみなされます。

ここで言う用語の定義
(用語1) 登録検査事業者とは「検査」と「点検」の事業を行う者
(用語2) 登録点検事業者とは「点検」の事業のみ行う者

2 対象となる無線局

1 登録検査事業者が行う検査(定期検査に限る。)

  • ア 図1:イメージ

    登録検査事業者が検査を行うことができる無線局の範囲:人の生命又は身体の安全の確保のためその適正な運用の確保が必要な無線局として総務省令で定めるもの以外の無線局
    (注) 紫色部分が対象となる無線局の範囲
  • イ 対象無線局
    人の生命又は身体の安全の確保のためその適正な運用の確保が必要な無線局として総務省令で定めるもの以外のもの。(電波法第73条第3項、登録検査等事業者等規則第15条)

登録検査等事業者等規則

  • 第15条 法第73条第3項の総務省令で定める無線局は、次の各号のいずれかに該当する無線局とする。
    • 一 法第103条の2第12項各号に掲げる者が専ら当該各号に定める事務の用に供することを目的として開設する無線局その他これらに類するものとして電波法施行令第14条各号に掲げる無線局
    • 二 法第103条の2第13項第1号及び第2号に掲げる無線局
    • 三 地上基幹放送局
    • 四 船舶局(旅客船の船舶局に限る。)
    • 五 航空機局
    • 六 地球局(放送法第2条第3号に規定する一般放送及び同条第13号に規定する衛星基幹放送の業務の用に供するものに限る。)
    • 七 航空機地球局
    • 八 船舶地球局(旅客船及び第1号の無線局を開設する船舶の船舶地球局に限る。)
    • 九 人工衛星局(放送法第2条第3号に規定する一般放送の業務の用に供するものに限る。)
    • 十 衛星基幹放送局
    • 十一 総務大臣が別に告示(平成23年総務省告示第277号)する無線局    
      • 航空保安用
      • 放送事業用(固定局に係るものに限る。)
      • 飛行援助用

2 登録点検事業者が行う点検

  • ア 図2:イメージ

    無線局の範囲:国が開設する人の生命又は身体の安全の確保のためその適正な運用の確保が必要な無線局として総務省令で定めるもの以外の無線局
    (注) 紫色部分が対象となる無線局の範囲
  • イ 対象無線局
    国が開設するもの(登録検査等事業者等規則第15条に規定する無線局で国が開設するものに限る。)以外。(登録検査等事業者等規則第19条第3項)

登録検査等事業者等規則

  • 第19条 
    • 1〜2 (省略)
    • 3 登録検査等事業者等が無線設備等の点検を行うことができる無線局は、国が開設するもの(登録検査等事業者等規則第15条に規定する無線局で国が開設するものに限る。)以外のものとする。

3 検査・点検の実施項目等

1 登録検査事業者による検査点検が可能な範囲

表:検査・点検が可能な範囲
  新設検査 変更検査 定期検査
検査 × ×
点検

2 検査の実施項目等

  •  検査の実施項目は登録検査等事業者等規則第16条第1項(別表第5号)のとおり。
  •  登録検査事業者は、業務実施方法書に従って適切に検査を実施。
  •  検査の実施方法等については、総務大臣が告示(平成23年総務省告示第278号)するところによるものとする。

登録検査等事業者等規則・別表第5号 一部抜粋

  • 一 無線従事者の資格及び員数
  • 二 電波法第60条の時計及び備付書類
  • 三 無線設備
    • 無線局事項書及び工事設計書に記載された内容と実装との照合
    • 電気的特性の検査
    • 総合試験

3 検査結果証明書の交付等

電波法施行規則

第41条の5 法第73条第3項の規定により、免許人から提出された施行規則別表第5号の2の様式による無線設備等の検査結果を記載した書類検査実施報告書及び検査実施報告書に添付された同項に規定する検査結果証明書が適正なものであって、かつ、検査(点検である部分に限る。)を行った日から起算して3ヶ月以内に提出された場合は、法第73条第1項の検査を省略する。

4 点検の実施項目等

  • 点検の実施項目は登録検査等事業者等規則第19条第1項(別表第7号)のとおり。
  • 登録検査事業者又は登録点検事業者は、業務実施方法書に従って適切に点検を実施。
  • 点検の実施方法等については、総務大臣が告示(平成23年総務省告示第279号)するところによるものとする。
  • 登録検査事業者又は登録点検事業者が点検を行うことができる無線局は、国が開設するもの(登録検査等事業者等規則第15条に規定する無線局で国が開設するものに限る。)以外のものとする。

登録検査等事業者等規則・別表第7号 一部抜粋

  • 一 無線従事者の資格及び員数
  • 二 電波法第60条の時計及び備付書類
  • 三 無線設備
    • 無線局事項書及び工事設計書に記載された内容と実装との照合
    • 電気的特性の点検
    • 総合試験

5 点検結果通知書の通知

  •  登録検査事業者又は登録点検事業者は、点検のみを実施したときは、登録検査等事業者等規則別表第8号に定める点検結果通知書により、点検を依頼した者に通知しなければなりません。
  •  検査の一部を省略する場合は、電波法施行規則第41条の6の規定により、免許人から提出された無線設備等の点検実施報告書及び点検結果通知書が適正なものであると判断した場合に、検査の一部が省略になります。

電波法施行規則

 第41条の6 法第10条第2項、第18条第2項又は第73条第4項の規定により、免許人又は予備免許を受けた者から提出された別表第5号の3の様式による無線設備等の点検結果を記載した書類「点検実施報告書」が適正なものであって、かつ、点検を実施した日から起算して3ヶ月以内に提出された場合は、法第10条第1項、第18条第1項又は法第73条第1項の検査の一部を省略する。

2 登録の要件等

1 登録要件

1 電波法第24条の2第4項第1号の規定による、別表第一に掲げる知識を有する者が点検を行うものであること。(点検員)

電波法・別表第一 

  • 一 第一級総合無線通信士、第二級総合無線通信士、第三級総合無線通信士、第一級海上無線通信士、第二級海上無線通信士、第四級海上無線通信士、航空無線通信士、第一級陸上無線技術士、第二級陸上無線技術士、陸上特殊無線技士(登録検査等事業者等規則第2条第2項第4号により、第一級陸上特殊無線技士に限る。)、又は第一級アマチュア無線技士の資格を有すること。
  • 二 外国の政府機関が発行する前号に掲げる資格に相当する資格を有する者であることの証明書を有すること。
  • 三 学校教育法による大学、高等専門学校又は中等教育学校において無線通信に関する科目を修めて卒業したものであって、無線設備の機器の試験、調整又は保守の業務に二年以上従事した経験を有すること。
  • 四 学校教育法による大学、高等専門学校又は中等教育学校に相当する外国の学校において無線通信に関する科目を修めて卒業したものであって、無線設備の機器の試験、調整又は保守の業務に二年以上従事した経験を有すること。

2 電波法第24条の2第4項第2号の規定による、別表第二に掲げる較正を受けた測定器等を使用して無線設備の点検を行うこと。(測定器)

電波法・別表第二

  • 一 周波数計
  • 二 スペクトル分析器
  • 三 電界強度測定器
  • 四 高周波電力計
  • 五 電圧電流計
  • 六 標準信号発生器

3 電波法第24条の2第4項第3号の規定による、別表第四に掲げる知識経験を有する者が検査(点検である部分を除く。)を行うこと。(判定員)

電波法・別表第四

  • 一 学校教育法による大学(短期大学を除く。第五号において同じ。)若しくは旧大学令(大正七年勅令第三百八十八号)による大学において無線通信に関する科目を修めて卒業した者又は第一級陸上無線技術士の資格を有する者であって、無線設備の機器の試験、調整若しくは保守の業務に三年以上従事した経験又は第二十四条の二第四項第一号に規定する知識経験を有する者として無線設備等の点検の業務に一年以上従事した経験を有すること。
  • 二 学校教育法による短期大学若しくは高等専門学校若しくは旧専門学校令(明治三十六年勅令第六十一号)による専門学校において無線通信に関する科目を修めて卒業した者又は第一級総合無線通信士、第一級海上無線通信士若しくは第二級陸上無線技術士の資格を有する者であって、無線設備の機器の試験、調整若しくは保守の業務に五年以上従事した経験又は第二十四条の二第四項第一号に規定する知識経験を有する者として無線設備等の点検の業務に二年以上従事した経験を有すること。
  • 三 第二級総合無線通信士、第二級海上無線通信士又は陸上特殊無線技士(総務省令で定めるものに限る。)の資格を有する者であって、無線設備の機器の試験、調整若しくは保守の業務に七年以上従事した経験又は第二十四条の二第四項第一号に規定する知識経験を有する者として無線設備等の点検の業務に三年以上従事した経験を有すること。
  • 四 外国の政府機関が発行する第二号に掲げる資格に相当する資格を有する者であることの証明書を有する者であって、無線設備の機器の試験、調整又は保守の業務に五年以上従事した経験を有すること。
  • 五 学校教育法による大学に相当する外国の学校の無線通信に関する科目を修めて卒業した者であって、無線設備の機器の試験、調整又は保守の業務に三年以上従事した経験を有すること。
  • 六 学校教育法による短期大学又は高等専門学校に相当する外国の学校の無線通信に関する科目を修めて卒業した者であって、無線設備の機器の試験、調整又は保守の業務に五年以上従事した経験を有すること。

4 電波法第24条の2第4項第4号の規定による、業務の実施の方法が定められていること。 (業務実施方法書)

電波法 第24条の2

  • 1〜3 (省略)
  • 4 (省略)
  • 四 無線設備等の検査又は点検を適正に行うのに必要な業務の実施の方法(無線設備等の点検の事業のみを行う者にあっては、無線設備等の点検を適正に行うのに必要な業務の実施の方法に限る。)が定められているものであること。

2 欠格事由

電波法第24条の2第5項の規定による、欠格事由に該当しない者であること。

  1. 電波法の違反者で2年を経過しない者
  2. 登録検査事業者又は登録点検事業者の登録取消処分を受けて2年を経過しない者
  3. 法人であって役員に、上記1及び2に該当する者がいる場合

3 登録の手続き

 無線設備等の検査又は点検の事業を行う者は、総務大臣の登録を受けることができます。登録検査事業者又は登録点検事業者として登録を受けようとする者は、以下の申請書等を提出してください。

 申請手数料はかかりませんが、別途、登録免許税9万円がかかります。

1 登録検査事業者の登録のための申請書類等

  1. 登録検査等事業者等申請書
  2. 業務実施方法書
  3. 判定員が法別表第四に該当する者であることの証明書
  4. 点検員が法別表第一に該当する者であることの証明書(無線従事者の資格を有する者は除く)
  5. 定款の謄本(申請者が法人のである場合)
  6. 登記事項証明書(申請者が法人である場合)
  7. 役員の氏名・過去2年間の経歴を記載した書類(申請者が法人である場合)
  8. 氏名、住所及び生年月日を証する書類(申請者が個人である場合)
  9. 個人の氏名・過去2年間の経歴を記載した書類(申請者が個人である場合)
  10. 欠格事由に該当しないことを示す誓約書
  11. 返信用封筒(切手貼付)(郵送の場合)
    令和6年10月1日(火)から郵便料金が変わります。各種の申請書等を郵送する場合や返信用封筒を同封される場合には、料金不足が生じないようにご注意願います。
    (日本郵便(株)ホームページへ)
    https://www.post.japanpost.jp/service/2024fee_change/index.html別ウィンドウで開きます

2 登録点検事業者の登録のための申請書類等

  1. 登録検査等事業者等申請書
  2. 業務実施方法書
  3. 点検員が法別表第一に該当する者であることの証明書(無線従事者の資格を有する者は除く)
  4. 欠格事由に該当しないことを示す誓約書
  5. 返信用封筒(切手貼付)(郵送の場合)
    令和6年10月1日(火)から郵便料金が変わります。各種の申請書等を郵送する場合や返信用封筒を同封される場合には、料金不足が生じないようにご注意願います。
    (日本郵便(株)ホームページへ)
    https://www.post.japanpost.jp/service/2024fee_change/index.html別ウィンドウで開きます

4 登録後の手続き

1 変更の届出

  1. 氏名又は名称及び住所並びに法人にあってはその代表者の氏名、並びに、事務所の名称及び所在地に変更があったときは、遅滞なくその旨を届け出なければなりません。(事後の届出)
  2. 業務実施方法書の記載事項(無線局の種別、組織、点検員、測定器、測定器等の較正の計画、判定員(登録検査事業者に限る。)、検査又は点検の実施方法、帳簿その他書類の管理に関する事項)を変更しようとするときは、届出書を提出しなければなりません。(事前の届出)
  3. 変更届を提出するときの必要書類
  4. 前述の届出違反は業務停止命令又は登録の取消し。
  5. 前述の届出をせず又は虚偽の届出をした者は、30万円以下の過料。

2 承継の届出

  1. 事業の全部の譲渡、相続、合併若しくは分割があったときは地位を承継します。
  2. 地位を承継した者は、遅滞なく届け出なければなりません。
  3. 承継届を提出するときの必要書類
  4. 前述の届出違反は業務停止命令又は登録の取消し。
  5. 前述の届出をせず又は虚偽の届出をした者は、30万円以下の過料。

3 登録の更新(登録検査事業者に限る。)

  1. 登録検査事業者については、更新制度が導入されました。(登録点検事業者は登録の更新は不要です。)
  2. 登録検査事業者の登録については、政令で定める期間(電波法施行令において5年)ごとに、その更新を受けなければ、その効力を失うことになります。
  3. 登録の更新は、登録の有効期間満了前3ヶ月以上、6ヶ月を超えない期間に申請することになります。
  4. 登録の更新手数料は13,400円(電子申請による場合は13,300円)です。

4 登録証の再交付

  1. 登録証を破損し、汚し、失った場合は、申請書を提出しなければなりません。
  2. 新たな登録証の交付を受けたときは、遅滞なく旧登録証を返納しなければなりません。
  3. 登録証の再交付申請手数料は、1,400円です。(電子申請による場合は1,250円。)

5 廃止の届出

  1. 事業を廃止したときは、遅滞なくその旨を届け出なければなりません。
  2. 前述の届出をせず又は虚偽の届出をした者は、30万円以下の過料。

5 適合命令等

1 適合命令、業務改善命令

 従来の登録要件への適合を命ずる適合命令(電波法法第24条の7第1項)に加え、業務実施方法書によらないで業務を行った場合の業務改善命令の規定が新たに追加(電波法第24条の7第2項)されました。

  1. 総務大臣は、登録検査事業者又は登録点検事業者が登録要件に適合しなくなったと認めるときは、これらの規定に適合するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。(適合命令)
  2. 総務大臣は、業務の実施の方法によらないで検査又は点検の業務を行っていると認めるときは、無線設備等の検査又は点検の実施の方法その他業務の方法の改善に関し必要な措置を執るべきことを命ずることができる。(業務改善命令)
  3. 報告の徴収、立入検査

 総務大臣は、電波法を施行するため必要があると認めるときは、電波法第24条の8の規定により、登録検査事業者又は登録点検事業者に対し、その登録に係る業務の状況に関し報告(報告の徴収)させ、又は登録検査等事業者の事業所に立ち入り、その登録に係る業務の状況若しくは設備、帳簿、書類その他の物件を検査(立入検査)させることができる旨規定されています。

 立入検査は登録検査等事業者の業務の不適切な実施に関する疑い、又は外部からの情報があった場合にその事実関係を確認する場合に実施するほか、不正等の疑いがない場合であっても、登録に係る業務が法令の規定に基づき適正に実施されているか確認するために実施することがあります。

3 登録の取消し、業務停止命令

 従来の登録の取り消しに加え、新たに期間を定めて業務の停止を命ずる業務停止命令の規定が追加されました。(登録の取消し)

 総務大臣は次の場合には登録を取り消し、又は期間を定めて検査又は点検の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。(業務停止命令)

  1. 登録検査事業者又は登録点検事業者が欠格事由に該当した場合
  2. 変更又は承継の届出義務に違反した場合
  3. 総務大臣の適合命令又は業務改善命令に違反した場合
  4. 点検の結果を偽って通知した場合、又は検査結果証明書に虚偽の記載をしたことが判明した場合
  5. 業務実施方法書によらないで検査又は点検の業務を行ったとき
  6. 不正な手段で登録又はその更新を受けた場合

4 登録の抹消

 登録の更新を受けなかったとき、廃止の届出をしたとき又は登録を取り消されたときは、その登録を抹消します。

5 登録の返納

  1. 登録の更新を受けなかったとき、廃止の届出をしたとき又は登録を取り消されたときは、その登録証を返納します。
  2. 届出をせず又は虚偽の届出をした者は、30万円以下の過料。

6 証明書の虚偽記載に係る罰則

  1. 電波法第73条第3項に規定する検査結果証明書に虚偽の記載をした者は、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
  2. 電波法第111条の規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を科する。

6 書類の提出先

〒461-8795 名古屋市東区白壁1-15-1 名古屋合同庁舎第3号館
東海総合通信局 電波監理部 電波利用環境課
電話:052-971-9617 FAX:052-971-9396
管轄:岐阜県、静岡県、愛知県、三重県

7 よくある質問集

質問1 今回の制度改正の主な変更点は何ですか。

 今般の法改正で変更となった主なポイントは以下のとおりです。

1 無線局の定期検査制度の見直し(登録検査等事業者制度の導入)
免許人からの依頼により登録検査事業者が検査を行い、無線設備等が法令に適合している旨を記載した証明書を、免許人が総務省に提出したときは、定期検査を省略できる制度を設けます。
2 登録の更新制度の導入
登録検査事業者については、政令で定める期間(5年)ごとにその更新を受けなければ、その登録の効力を失うことになります。
3 検査の対象となる無線局の規定及びそれに伴う点検の対象となる無線局の規定の見直し
登録検査事業者が検査を行うことができる無線局は、人の生命又は身体の安全の確保のためその適正な運用の確保が必要な無線局以外となります。これに合わせ、国が開設するもののうち、人の生命又は身体の安全の確保のためその適正な運用の確保が必要な無線局以外が新たに点検の対象となる無線局として追加されました。
4 業務方法に係る改善命令の新設
業務の実施の方法によらないで検査又は点検の業務を行ったと認める場合に、業務方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずる業務改善命令が新たに規定されました。
5 業務停止命令の新設
登録の取り消しに加え、期間を定めて検査又は点検の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることを可能とする業務停止命令が新たに規定されました。
6 証明書の虚偽記載に係る罰則規定の新設
検査結果証明書に虚偽の記載をした者に対し、6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する刑罰が新たに規定されました。

質問2 現在、登録点検事業者として登録を受けている事業者は、新制度でどのように扱われますか。

 放送法等の一部を改正する法律の施行の際に、既に登録点検事業者として登録を受けている者は、施行日において、新制度における登録点検事業者として登録を受けた者とみなされます。登録番号に変更はなく、現在交付されている登録証は、そのまま利用可能です。

質問3 登録点検事業者が、検査の事業を行うために登録検査事業者として登録を受ける場合、どのような手続きを行えばよいですか。

 登録点検事業者が、登録検査事業者として登録を受ける場合、新たに登録検査事業者として登録の申請を行い、登録検査事業者として登録を受けることが必要になります。

質問4 登録点検事業者が、新たに登録検査事業者として登録を受けた場合、登録免許税は課税されますか。

 登録点検事業者の登録と登録検査事業者の登録は、異なる別個の登録であることから、新たに登録検査事業者として登録を受けた場合は、登録免許税9万円が課税されます。

質問5 登録検査事業者による検査の対象外となる船舶局(旅客船のみ)とは具体的にどのような船舶局をさしますか。

 無線局事項書中船舶の用途コードにPSG(旅客船)又はPCS(貨客船)のいずれかが含まれているものはすべて登録検査事業者による検査の対象外の無線局となります。なお、旅客船は、法令上、12名を超える旅客定員を有する船舶と定義されています。

質問6 法別表第4では無線設備の機器の試験、調整又は保守の業務に5年以上(又は3年以上)従事した経験を有するという条件がありますが、経験年数はどの時点から起算すべきでしょうか。

 無線通信に関する科目を修めて大学等を卒業した時点又は第一級陸上無線技術士等の無線従事者の資格を取得した時点等以降の業務経験年数が該当します。

質問7 法第24条の8第1項の規定により、電波法を施行するために必要があると認めるときは、登録検査事業者又は登録点検事業者に対して立入検査を行うことがあるとのことですが、どのような場合に立入検査が行われますか。

 立入検査は、業務の不適切な実施に関する疑い又は外部からの情報があった場合に、その事実関係を確認する場合に実施するほか、不正等の情報がない場合でも登録に係る業務が法令の規定に基づき適正に実施されているか確認するために実施することがあります。

質問8 登録点検事業者であった者が登録検査事業者として新たに登録を受けた場合に、登録点検事業者であったときの無線設備の点検データを判定することは可能ですか。

 できません。無線設備等の検査は、検査の点検である部分も含めて登録検査事業者が自ら定めた業務実施方法書に従って行うことが必要です。従って、検査の点検である部分を登録の異なる登録点検事業者が行った結果を用いることはできません。

質問9 判定員は、点検(検査の点検である部分を含む。)の業務を行うことができますか。また、判定員と点検員は兼務することは可能ですか。

 判定員は、無線設備等の検査(点検である部分を除く。)を行うものであること (法第24条の2第4項第3号) とされており、点検(検査の点検である部分を含む。)の業務を行うことはできません。ただし、判定員と点検員を兼務することは可能ですので、判定員は、業務実施方法書に点検員として登録を受けることが必要となります。

質問10 登録検査事業者の登録の更新にはどのような手続きが必要ですか。

 登録の更新の際に必要となる書類は、登録の申請の際に必要となる書類と同様です。なお、登録検査事業者がその登録の更新を受ける場合は、登録検査事業者としての登録を受けた場合に課税される登録免許税(90,000円)は必要ありませんが、登録更新手数料13,400円(電子申請の場合は13,300円)が必要となります。

質問11 登録検査事業者が交付した証明書を添付した検査実施報告書を総合通信局に提出すれば、ただちに、定期検査が省略されたことになりますか。

 検査実施報告書の提出を受けた総合通信局は、施行規則第41条の5の規定に基づき、証明書の内容が適正なものであるか、検査(点検である部分に限る。)を行った日から起算して3か月以内かつ総務大臣が通知した期日の1か月前までに提出されたものであるかの確認を行った上で、検査を省略する場合は、施行規則第39条第2項の規定に基づき、免許人に無線局検査省略通知書を通知します。

質問12 登録検査事業者として登録を受けた者は、登録点検事業者の登録を受けられますか。

 法的には、登録点検事業者としての登録を受けられますが、登録検査事業者は、検査と点検の両方の業務を行うことができますので、別に登録点検事業者として登録を受ける必要はありません。

質問13 登録検査事業者として登録を受けた者が、判定員の要件を満たす者がいなくなったので、登録点検事業者として登録を受け直すことを検討しておりますが、どのような手続きが必要ですか。

 登録検査事業者と登録点検事業者は、異なる登録に基づく、別個の事業者ですので、法第24条の9の規定に基づく登録検査事業者の廃止届を提出した上で、登録点検事業者として登録の申請を行うことが必要です。

質問14 登録検査事業者又は登録点検事業者の不正等が発覚した場合、定期検査等の取扱いはどのようになりますか。

 不正の内容によっては、定期検査等を省略せず、国の検査を受けるか、他の登録検査事業者による検査、又は他の登録点検事業者による点検を受けてもらうことがあります。また、既に定期検査の省略を受けた場合であっても、国が臨時検査を実施し、当該無線設備等が法令に定める事項に適合しているか否かを確認する場合があります。

質問15 検査又は点検の業務を他の者に委託することはできますか。

 従来より、一般的な測定器では測定することが困難な特殊な無線設備の点検を行う場合等について、審査基準(第31条 (3) ク (エ))の規定により、(A)点検の業務の一部を他の者に委託する旨が業務実施方法書に記載され、委託する点検の業務について、法第24条の2第4項第2号に適合して行われることを受託者との間で取り決める旨が記載されていること、(B)受託先が報告する点検の業務の結果の適正性を確認する方法及び当該点検の業務の結果に係る組織内の管理体制が明確に記載されていること等の条件を満たす場合においては、点検の業務の一部を他の者に委託することができました。

 登録検査等事業者制度についても従来の考えを踏襲し、検査の点検である部分の一部、又は点検の一部を他の者に委託することができます。

質問16 検査の業務において、検査の点検である部分を行う場所と検査の判定を行う場所が異なっても問題ありませんか。

 判定員は、点検員が作成した法令の規定を満足しているかどうか確認できる資料により判定を行うことになります。よって、検査の点検である部分の一部を他の者に行わせ、かつ検査の点検である部分と検査の判定が別の場所、別の者によって行われたとしても、判定員は点検員が用意した判定に必要な資料を基に判定を行うことになるため、問題ありません。

 なお、点検(検査の点検である部分を含む。)は無線局に臨局して行うことを想定していますが、判定については、臨局する必要がないと判定員が判断する場合は、必ずしも臨局する必要はありません。

質問17 登録の取り消し又は業務の停止処分を受けるのは、どのような場合ですか。

 法第24条の10の規定に基づき、次の事項に該当する場合は、登録の取り消し又は期間を定めて業務の停止を受ける場合があります。

  1. 登録検査事業者又は登録点検事業者が欠格事由に該当した場合
  2. 変更又は承継の届出義務に違反した場合
  3. 総務大臣の適合命令又は業務改善命令に違反した場合
  4. 点検の結果を偽って通知した場合、又は検査結果証明書に虚偽の記載をしたことが判明した場合
  5. 業務実施方法書によらないで検査又は点検の業務を行ったとき
  6. 不正な手段で登録又はその更新を受けた場合

質問18 登録に係る業務の実施方法によらないで検査又は点検の業務を行っていると認めるときは、業務改善命令を受けるとのことですが、どのような場合に処分を受けますか。

 法第24条の7第2項において、総務大臣は、登録検査事業者又は登録点検事業者がその登録に係る業務の実施の方法によらないでその登録に係る検査又は点検の業務を行っていると認めるときは、当該事業者に対し、無線設備等の検査又は点検の実施の方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができることが新たに規定されました。

 具体的には、帳簿等の備付け・保存義務違反測定器等の管理等の義務違反業務実施方法書によらない検査・点検の実施等が認められた場合は、無線設備等の検査又は点検の実施の方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことの命令を受けることがあります。

 なお、総務大臣は、この法律を施行するために必要と認めるときは、その登録に係る業務の状況に関し報告させ、又はその職員に事業所に立ち入り、その登録に係る業務の状況若しくは設備、帳簿、書類その他の物件を検査させることができることとされています。

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