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中部国際空港(セントレア)の無線システム

 中部国際空港(セントレア)は、平成17年2月17日に開港しました。

 空港では、航空機の離発着はもとより、ターミナルから滑走路への誘導、航空路にいたるまでの管制など、あらゆる場面で電波が使用されており、無線局は航空機の安全運航のための重要な役割を担っています。

 ここでは、空の安全を守る無線システムについて紹介します。


写真1:飛行検査を実施する国土交通省所属の航空機
セントレアの滑走路は全長3,500メートル(写真提供:中部国際空港株式会社)


写真2:セントレアの空港管制塔 高さは約92メートル


写真3:管制塔内に設置された管制卓

航空局(VHF/UHF帯無線電話)

 空港の管制官と航空機のパイロットを直接結ぶ重要な通信手段で、航空機の離発着や地上誘導などの通信に使用します。


写真4:VHF/UHF帯無線電話のアンテナ


写真5:東海総合通信局による送信装置の検査風景

ATIS(飛行場情報放送業務)用無線局

 ATIS(Automatic Terminal Information Service)とは飛行場情報放送業務のことで、飛行場の気温、風向、風速、気象情報、使用滑走路等の情報を、30分から1時間おきに無線局から航空機に送信します。

ASR(Airport Surveillance Rader空港監視レーダー)

 空港から約150Km以内の空域にある航空機の位置を探知し、出発・進入機の誘導及び航空機相互間の間隔設定等ターミナルレーダー管制業務に用いられる一次レーダー。

SSR(Secondary Surveillance Rader二次監視レーダー)

 航空機の識別用に用いられる二次レーダーのことで、上記のASRと組み合わせて使用します。航空機は、この装置から発する質問電波を受信すると、機上のATCトランスポンダー(航空交通管制用自動応答装置)から、各機に固有の応答信号を発射し、地上のレーダー表示画面上に航空機の識別、高度並びに緊急事態の発生等を表示します。


写真6:ASR/SSR用アンテナ


写真7:ASR/SSR用送受信装置


写真8:庁舎内のコントロールセンター
ASR/SSRからのデータ等をもとに管制業務を行う。

ASDE(Airport Surface Detection Equipment空港面探知レーダー)

 空港地表面の航空機や車両等の動きを監視し、それらの交通の安全を図るための高分解能レーダーで、飛行場管制業務に使用されます。

ILS(Instrument Landing System計器着陸装置)

 ILSは滑走路に着陸しようとする航空機に対し、指向性のある電波を発射し滑走路への進入コースを指示する無線着陸援助装置で、滑走路への進入コースの中心から左右のずれを示すローカライザ、適切な進入角を示すグライド・スロープ、滑走路までの距離を示すT−DEM及びインナーマーカーから構成されます。パイロットは、機上の指針方向に飛行することにより安全に進入、着陸することができます。  中部国際空港では、南北を向いた滑走路の両端にILSが設置され、南北どちらの方向からでも着陸することができます。


写真9:滑走路への進入コースの中心から左右のずれを示すローカライザ用アンテナ(VHF帯)


写真10:適切な進入角を示すグライド・スロープ用アンテナ(UHF帯)

VOR(VHF Omni-directional Range超短波全方向式無線標識)

 VORは、有効到達距離内の全ての航空機に対し、VOR施設からの磁北に対する方位を超短波を用いて連続的に指示します。航空路の要所にVORを設置することにより航空機は、正確に航空路を飛行することが可能となり、また、VHF帯を使用しているため雷雨等の影響が少なく、安定して飛行コースを指示することができます。一般にはVORは単独で使用されることはなく、DMEなどの装置と併用されます。

DME(Distance Measuring Equipment距離情報提供装置)

 DMEは、電波の伝搬速度が一定であることを利用し、航空機から地上のDME局へ質問電波を発射し、それに応じてDME局から発射された応答電波を受信するまでの時間的経過から地上局までの距離を連続測定するものです。距離測定は、航空機から発射されたパルス信号が2点間を往復する時間を測定することにより行われます。


写真11:VOR/DME送受信装置


写真12:VOR/DMEアンテナ


写真13:中部国際空港の無線システムの配置

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