日本標準産業分類の変遷と第13回改定の概要

1.日本標準産業分類の作成要旨とその変遷

   日本標準産業分類は,統計の正確性と客観性を保持し,統計の相互比較性と利用の向上を図ることを目的として設定された統計基準であり,全ての経済活動を産業別に分類している。
   ここに刊行した「日本標準産業分類(平成25年10月改定)」は,昭和24年10月の設定後13回目の改定に当たり,平成19年11月の前回改定以降の新産業や新制度の状況,既存産業の状況変化等を踏まえている。
   ここで日本標準産業分類の変遷を,昭和24年10月の設定以前の経緯と併せて述べれば,概略は次のとおりである。
   大正9年の第1回国勢調査のときに作られた職業分類(大正9年12月24日内閣訓令第1号)に産業の分類に当たる部分も含まれているが,我が国の最初の産業分類は,昭和5年第3回国勢調査に際し,職業分類と明確に分けて作られた産業分類(昭和5年12月27日内閣訓令第3号)とするのが適当である。この産業分類は,大分類,中分類,小分類からなる3段階構成であり,その構成は,大分類10,中分類42,小分類280となっている。しかしながら,各省が統一的に使用するように規定されていたものの,同時に,特に必要があるときは本分類と比較対照を失わない程度に各項目を変更することができるとされていた。
   戦後,国際連合が提唱した1950年世界センサスに呼応して,我が国でも大規模な各種センサスを実施することとなった。これを機会に,統計の総合調整を所管する行政委員会として設けられた統計委員会の下に1950年センサス中央計画委員会及び各種の専門部会が設置され,センサス実施とともに,基礎事業である各種分類の研究が進められることとなった。
   専門部会の一つである産業分類専門部会によって,日本標準産業分類の作成作業が昭和23年3月から開始された。米国の専門家の協力も得つつ,米国の標準産業分類や国際連合の国際標準分類の研究等の検討作業が行われ,同年8月に日本標準産業分類仮草案が作成された。さらに,総理庁統計局(現在の総務省統計局)及び商工省調査統計局(現在の経済産業省大臣官房調査統計グループ)における試験調査等を踏まえた修正を経て,同年10月に最終決定され,「日本標準産業分類第1巻-分類項目名,説明及び内容例示(昭和24年10月)」及び「日本標準産業分類第2巻-五十音索引(昭和25年3月)」として,統計委員会事務局より刊行公表された。
   日本標準産業分類が政府として統一的に使用されるようにするための方策については,昭和24年12月23日の第12回統計委員会及び昭和25年4月28日の第17回統計委員会において審議され,その結果,統計法(昭和22年法律第18号)に基づく政令を制定し,その使用を義務付けることとなった。
   その際,検討課題となったのは,日本標準産業分類が,数多くの統計調査に対し,無理なく適用できるものとなっているかという点であった。そこで,日本標準産業分類の実際の使用状況や,我が国産業構造の変化を検討した結果,日本標準産業分類を改定する必要があるとの結論に達した。改定作業は,産業分類専門部会に産業部門別小委員会を設けて行われ,昭和26年3月改定に関する成案が得られたことから,前述の政令として,統計調査に用いる産業分類並びに疾病,傷害及び死因分類を定める政令(昭和26年4月30日政令第127号。以下「分類政令」という。)が制定・公布されるとともに,日本標準産業分類についても第1回改定及び統計委員会公示としての官報掲載が行われた。
   統計委員会は,昭和27年8月に行われた行政機構改革に伴い行政管理庁に統合され,統計審議会が附置されることとなった。日本標準産業分類に関する諸問題については,統計審議会の下に設けられた産業分類専門部会が審議に当たることとなり,昭和28年3月の第2回改定は同部会の審議を踏まえて行われた。昭和27年9月18日の第1回統計審議会において,行政管理庁長官から統計審議会会長にあてた諮問第1号(統計調査に用いる産業分類の基準の設定について)が行われ,これに対する2回の答申を受けて,昭和29年2月の第3回改定及び,昭和32年5月の第4回改定がなされた。これ以後も,我が国産業構造の変化等を反映して各種統計調査での使用上多くの問題が生じてきたことから,統計審議会に対し諮問・答申を行った上で改定が行われた。
   平成19年5月,第166回国会において,公的統計の体系的かつ効率的整備及びその有用性の確保を図ることを目的とした統計法(平成19年法律第53号)が成立し,同法第28条において,公的統計の作成に際し,その統一性又は総合性を確保するための技術的な基準である「統計基準」が設けられた。統計基準は,同条に基づき総務大臣が設定するものである。また,統計法の規定により統計委員会が設置され,統計審議会は統計委員会に改組された。
   統計法の全面施行に伴い,分類政令が廃止されたため,日本標準産業分類を統計基準として設定する必要が生じた。総務大臣は,統計委員会に対して平成21年1月19日に諮問を行い,統計基準として設定して差し支えないとの答申を得た上で,平成21年3月に日本標準産業分類を統計基準として設定し,公示した。
   平成25年10月の今回の第13回改定は,統計基準化された後の初めての改定に当たる。
   参考のため,改定についての年月日等を示せば,次のとおりである。

 
  審議会関係(注1) 告示関係
諮問番号 諮問日 答申日 告示日 適用日
第1回 昭26. 4.30 昭26. 5. 1
第2回 昭28. 3.31 昭28. 4. 1
第3回 第 1 号 昭27. 9.18 (1)昭29.2.12 昭29. 2.27 昭29. 3. 1
第4回 (2)昭32.4.26 昭32. 5. 1 昭33. 1. 1
第5回 第92号 昭37.11.19 昭37.12.14 昭38. 1.12 昭38. 4. 1
第6回 第105号 昭41. 2.18 昭42. 2.17 昭42. 5. 1 昭43. 1. 1
第7回 第139号 昭46. 6.16 昭47. 2.18 昭47. 3.31 昭47. 4. 1
第8回 第164号 昭50.12. 5 昭51. 4.16 昭51. 5.15 昭52. 1. 1
第9回 第195号 昭57.12.17 昭58. 4.15 昭59. 1.10 昭60. 4. 1
第10回 第233号 平 3. 6.14 平 5. 7. 9 平 5.10. 4 平 6. 4. 1
第11回 第268号 平13. 2.16 平14. 1.11 平14. 3. 7 平14.10. 1
第12回 第320号 平19. 4.13 平19. 9.14 平19.11. 6 平20. 4. 1
統計基準設定(注2) 第14号 平21. 1.19 平21. 1.19 平21. 3.23 平21. 4. 1
第13回 第53号 平25. 5.17 平25. 9.27 平25.10.30 平26. 4. 1

   (注1)平成19年10月に統計審議会に代わり統計委員会が置かれたことから,第3回〜第12回改定に関する審議は統計審議会で,それ以後は統計委員会で行われている。
   (注2)平成21年の設定は,現行統計法施行に伴い,位置付けが統計基準に変更されたことから行ったものであり,分類の内容については,第12回改定と変化はない。

2. 日本標準産業分類の改定要旨

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