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平成29年版 情報通信白書のポイント
平成29年版 情報通信白書のポイント

平成29年版 情報通信白書のポイント

■構成

第1部 特集: データ主導経済と社会変革

  • データ主導経済(data-driven economy)の下では、多種多様なデータの生成・収集・流通・分析・活用を徹底的に図ることによって、製造過程はもとより、あらゆる社会経済活動を再設計し、社会の抱える課題の解決が図られる。
  • スマートフォンは、個人生活に密着したデジタル機器で、膨大な「ヒト」のデータを生成。また、「モノ」のインターネット(IoT)を前提とすると、活用可能なビッグデータの範囲は広がり、第4次産業革命ともいえる社会経済の変革がもたらされる。
    【第1〜3章】
  • 多様な分野で応用可能な汎用技術であるICTは、人口減少や地域経済縮小、災害等の社会的課題解決にも役立つ。
    【第4・5章】

第1章:スマートフォン経済の現在と将来

スマートフォンの普及と利用時間増に伴い、スマートフォンを起点としたネットによるサービス消費は一層増加するとともに、企業側での生成データの蓄積が進み、データ利活用による新たな価値創造の可能性が高まっている。その一方で、米国及び英国と比較すると、フィンテックやシェアリングサービスをはじめとした新サービスの日本の利用意向は低く、その底上げは今後の課題となっている。

第2章:ビッグデータ利活用元年の到来

改正個人情報保護法の施行(2017年5月)、官民データ活用基本法の施行(2016年12月)や、情報の自由な流通を巡る国際議論が進むなど、「ビッグデータ利活用元年」に向けた環境整備が進みつつある。日本では、一般利用者側でパーソナルデータの提供と理解が進む一方、不安感も根強い。データのセキュリティ確保や収集無効化等、個人と企業との認識ギャップの低下に向けた企業側の取組が必要。

第3章:第4次産業革命がもたらす変革

第4次産業革命の実現に向けた期待感は、日本では情報通信業において高いものの、国際比較を行うとデータ利活用への意欲で遅れが目立つ。同革命の前提条件としてルール整備と人材育成を最大の課題に挙げる日本企業は多いが、IoT化と企業改革が同時進行する経済成長シナリオ(年平均2.4%)では、2030年時点で実質GDP725兆円を達成と試算している。

第4章:社会的課題解決に役立つICT利活用

生産年齢人口の減少と地方圏の人口流出といった社会的課題に対し、その解決に向けた働き方改革や地方創生においてICT利活用が貢献すると考えられる。現に、テレワークは労働参加率・労働生産性の向上に寄与している。また、観光客向けの情報発信やWi-Fi整備等の観光振興策を行っている地方自治体では、インバウンドの増加をはじめとした成果を実感している。

今後、テレワークをはじめとしたICT投資や、地方自治体におけるICTを活用した振興策が広がっていくことが期待される。

第5章:熊本地震とICT利活用

東日本大震災後の通信・放送インフラの強靱化や、スマートフォンの普及・利活用の結果、被災地域における情報伝達・情報共有に際し、熊本地震ではICTが大いに活用。地震発生時に情報収集に利用された手段は、携帯電話、地上波放送についでLINEが3位。

今後、SNS情報のビッグデータ解析(DISAANA)やLアラートを通じた間接広報など、新たなICTツールの積極的な活用が期待される。

第2部 基本データと政策動向

第6章:ICT分野の基本データ

総務省実施調査である情報通信業基本調査や通信利用動向調査等の結果を中心に、我が国ICT産業の市場規模、雇用者数やGDP等の動向、ICTサービスの利用動向を示すデータを幅広く紹介。

第7章:ICT政策の動向

我が国のICT政策の最新動向を、電気通信事業、電波、放送、利活用、研究開発、国際戦略等の分野別に、総務省の取組を中心に紹介。

第1章 スマートフォン経済の現在と将来

  • 近年、スマートフォン保有は急増し、PCや固定電話と拮抗。その利用をけん引する若年層の利用時間は、モバイルがPCの4倍超。
  • スマートフォンを通じたサービスを提供する企業側では、生成データの蓄積が進み、データ利活用による新たな価値創造の可能性。
保有状況
利用状況
  • ネットショッピングにおけるスマートフォン・タブレットの活用度合いはPCと比べると小さく、米・英の両国と比べると遅れが目立つ。
  • スマートフォンを活用するFinTechやシェアリング・エコノミーの各種サービスについて、日本の利用者は、米・英の両国と比べると利用意向が低く、その底上げが経済活性化に向けた課題。
ネットショッピング月1回以上利用※
スマートフォンを介して消費した金額(直接効果)
FinTechの各種サービスの利用意向
シェアリング・エコノミーの各種サービスの利用意向

第2章 ビッグデータ利活用元年の到来

  • 今後、一気にデータ利活用が進み、本年は「ビッグデータ利活用元年」となる可能性がある。
  • 企業の利活用意欲と国民の不安とのギャップを解消し、安全性とのバランスをとりながらデータ利活用の推進を図る必要がある。
  • 個人は特にセキュリティ確保に対する重視度が高い一方、企業は第三者提供の有無等他の点を重視しており、認識ギャップが存在。
  • 利用者には、情報提供をサービス便益享受のためやむを得ないとする層と、情報の流出・不正利用への警戒感の強い層が見られる。
パーソナルデータ提供又は利用の同意時に重視する情報
個人情報等の提供に対する個人の認識

第3章 第4次産業革命がもたらす変革

  • IoT化で低コストによるビッグデータ収集が可能に。更に、AIによる解析で新たな価値を創出。
  • 「Society 5.0」の実現に向け、第4次産業革命への期待が高まっている。
  • 第4次産業革命に向けた取組について、日本企業は「検討段階」にあるものが多い。業種では、情報通信業の期待感が突出。
  • 第4次産業革命に向けた投資意欲について、日本(一般企業)の遅れが目立つ。投資の中では、人材投資を重視。

現状

企業における第4次産業革命の段階
第4次産業革命の変革を享受すると思われる業種

今後

第4次産業革命に係る市場予測と投資意欲
第4次産業革命に向けた環境整備に係る課題
  • スマートフォンと比べ、「モノ」がインターネットにつながるIoTデバイス数が急増し、2020年時点で300億個に達する見込み。
  • これらの機器等をつなぐ通信技術として、5GのほかLPWA(Low Power Wide Area)への期待が高まっている。
  • IoTやAIが経済成長に結びつくには、供給面ではIoT・AI関連の投資やサービス投入をはじめとしたIoT化に加え、企業改革が不可欠。
  • IoT化と企業改革などとが進展した場合、IoT・AIは需要創出ともあいまって2030年の実質GDPを132兆円押し上げ、725兆円に。
2030年までの経済成長経路
IoT化のインパクト

第4章 社会的課題解決に役立つICT利活用

  • 我が国は生産年齢人口の減少に伴う経済の縮小を課題として抱えており、特に地方圏ではその影響が顕著に。
  • それら課題の解決に必要となる働き方改革や地方創生において、ICTが大いに利活用されることが考えられる。
  • テレワーク導入企業では、従業員が増加傾向にある。テレワークは、労働参加に加えて労働生産性の向上につながると期待。
  • 地方自治体のWi-Fi整備等の観光振興策はインバウンド増等の一定の成果。今後、多言語対応を中心とした自治体の取組を期待。

第5章 熊本地震とICT利活用

  • 東日本大震災後の通信・放送インフラの強靱化や、スマートフォンの普及・利活用の結果、被災地域における情報伝達・情報共有に際し、熊本地震ではICTが大いに活用。地震発生時に情報収集に利用された手段は、携帯電話、地上波放送についでLINEが3位。
  • 今後、SNS情報のビッグデータ解析(DISAANA)やLアラートを通じた間接広報など、新たなICTツールの積極的な活用が期待される。
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