我が国の生産年齢人口は、少子高齢化の進行によって1995年をピークに減少しており、総人口も2008年をピークに減少に転じている。平成27年国勢調査1によると、2015年の総人口は1億2,709万人、生産年齢人口(15歳〜64歳)は7,629万人である。
国立社会保障・人口問題研究所の将来推計2によると、総人口は2030年には1億1,913万人、2053年に1億人を割り、2060年には9,284万人にまで減少すると見込まれている。同様に、生産年齢人口は2030年には6,875万人、2060年には4,793万人にまで減少するとされている(図表4-1-1-1)。
このような人口及び生産年齢人口の減少は、我が国の社会経済に大きな影響を与える。三大都市圏以外の地域(以下、「地方圏」)の人口減少の程度は三大都市圏に比べて大きくなるものと予想されており、その背景には地方圏から三大都市圏への人口流出がある(図表4-1-1-2)。
地方圏から三大都市圏への流出の背景としては、賃金や安定性、やりがい等の点で良質な雇用が不足していることから、若者が相対的に良質な雇用を求めて三大都市圏に流出していることがある(図表4-1-1-3)。若者流出による人口減少は、労働力人口の減少と消費市場の縮小という需要/供給の両面から地方経済に負の影響を与えている。地方圏における定住人口の減少を抑えるためには、地方圏における良質な雇用を増やし、地方圏からの人口流出を止めるとともに、大都市圏からのUターン・Iターンといった人口流入を増やしていくことが求められる。
1 総務省「平成27年国勢調査」http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2015/
2 国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」
http://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2017/pp_zenkoku2017.asp