2つの制度について

  • 公害苦情相談制度

    身近な相談窓口での簡単な手続によって解決を図りたい方は「1.公害苦情相談制度」をご覧ください。

  • 公害紛争処理制度

    専門の機関による紛争解決を図りたい方は「2.公害紛争処理制度」をご覧ください。

1.公害苦情相談制度

 身近な相談窓口で簡単な手続によって解決を図る制度です。

 各市区町村や都道府県の「公害苦情相談窓口」でお気軽にご相談いただけます。窓口では、事実関係の調査を行うとともに、関係機関とも連絡を取り合い、当事者に対して改善措置の助言等を行うなどして、解決を図ります。なお、相談しても解決しない場合の手段として、「2.公害紛争処理制度」が設けられています。

公害紛争処理制度の一環として、市区町村及び都道府県に公害苦情の相談窓口が設けられています。相談窓口の職員が、住民からの苦情を聞き、現地確認を行ったり、必要に応じて調査を行ったりして、当事者に改善に向けて指導や助言を行うなど、苦情の解決に努めています。

 (※)公害苦情相談の内容によっては、地方公共団体が発生源者に対して改善指導等ができない事案もあります。

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2.公害紛争処理制度

(1)制度の仕組み

 公害紛争の迅速・適正な解決を図るため、司法的解決とは別に公害紛争処理法に基づき、公害紛争処理制度が設けられています。公害紛争を処理する機関として、国に公害等調整委員会が、都道府県には都道府県公害審査会等が置かれています。

公害紛争の迅速 ・適正な解決を図るため、公害紛争処理法に基づき公害紛争処理制度が設けられています。公害紛争を処理する機関としては、各都道府県に公害審査会が、国に公害等調整委員会が置かれています。公害審査会と公害等調整委員会とは 、それぞれの管轄に応じ、独立して紛争の解決に当たっていますが、制度の円滑な運営を図るため、情報交換などを通じ相互の連携を図っています。このような機関とは別に、公害苦情を解決するために、市区町村及び都道府県に公害苦情の相談窓口が設けられています。

都道府県公害審査会等 公害等調整委員会
【調停、あっせん及び仲裁】

 公害等調整委員会が扱う紛争以外の事件

 

※都道府県公害審査会等は裁定を行いません。

【調停、あっせん及び仲裁】
重大事件:

大気汚染、水質汚濁により著しい被害が生じ、かつ被害が相当多数の者に及び、又は及ぶおそれのある次の事件

  1. (1)生命、身体に重大な被害が生じる事件
  2. (2)被害の総額が5億円以上の事件
広域処理事件:

航空機や新幹線に係る騒音事件

県際事件:

複数の都道府県にまたがる事件

【裁定】

すべての事件

 なお、公害紛争処理制度は、民事上の紛争を対象としていますが、公害紛争を通常の民事訴訟で争った場合、その解決までに多くの時間と費用が掛かるなど、被害者救済の面では必ずしも十分ではなかったことから生まれた制度です。そのため、この制度には民事訴訟に比べ、手続が柔軟で、費用も少なくて済むなど、様々な特長があります。

  • あっせん、調停、仲裁、裁定の4つの種類については後述(2)で解説
  • 実際に必要な手続、費用の目安はこちら
  • どのような特長があるのかはこちらで詳しくご紹介

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(2)紛争処理手続の4つの種類

あっせん

 あっせん委員が紛争の当事者間に入り、交渉が円滑に行われるよう仲介することにより、当事者間における紛争の自主的解決を援助、促進する手続です。

調停

 調停委員会が紛争の当事者を仲介し、双方の互譲による合意に基づき紛争の解決を図る手続です。あっせんと似ていますが、調停委員会が積極的に当事者間に介入し、手続をリードする点が異なります。

 委員3人から構成される調停委員会が、紛争当事者に出頭を求めて意見を聴くほか、必要に応じて現地の調査を行い、また参考人の陳述、鑑定人による鑑定を求めるなどにより、適切妥当な調停案を作成・提示するなど、合意が成立するように努めます。なお、調停手続は原則非公開とされています。

 調停の結果当事者間に合意が成立した場合には、民法上の和解契約(民法第645条以下)と同一の効力を持ちます。

調停とは、委員3人から構成される調停委員会が、当事者の間に入って両者の話合いを積極的にリードし、双方の互譲に基づく合意によって紛争の解決を図る手続です。当事者の申請により、手続が開始されます。紛争の実情を明らかにし、当事者の互譲を図るため、調停手続は非公開とされ、これにより当事者が率直に意見を述べ合うことが可能になります。調停委員会は、事実関係や当事者の主張を基に意見調整を行い、適切妥当な調停案を作成・提示するなど、合意が成立するように努めます。調停委員会が作成した調停案の受諾を勧告することもあります。調停手続の結果、当事者間に合意が成立すれば、事件は終結します。当事者間に成立した合意には、民法上の和解契約と同一の効力があります。

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仲裁

 紛争の当事者双方が裁判所において裁判を受ける権利を放棄し、紛争の解決を仲裁機関である仲裁委員会に委ね、その判断に従うことを約束(仲裁契約)することによって紛争解決を図る手続です。

裁定

 当事者間の紛争について裁定委員会が法律判断を行うことにより、紛争解決を図る手続です。裁定には、以下に示す、「(1)原因裁定」と「(2)責任裁定」の2種類があります。なお、裁定手続は都道府県にはなく、当委員会のみが持つ制度です。

 手続においては、委員3人又は5人から構成される裁定委員会が、申請人からの申請に基づき、公開の期日を開いて当事者に陳述させ、証拠調べや事実の調査などによって事実認定を行い、その認定した事実に基づいて裁定を行います。

 裁定は、それだけで当事者の権利義務を確定するものではありませんが、明らかにされた因果関係の判断を基礎として、自主的な交渉や調停等の手段によって解決を図ることができます。

<(1)原因裁定>

 申請人が主張する加害行為と被害発生との間の因果関係について裁定委員会が法律判断を行う手続。

<(2)責任裁定>

 損害賠償問題に関する紛争について、裁定委員会が損害賠償責任の有無及び賠償額の法律判断を行うことにより、紛争解決を図る手続。

裁定は、公害等調整委員会の委員3人又は5人から構成される裁定委員会が、公害紛争について法律判断を行うことにより、紛争の解決を図る手続です。裁定には、次の2種類があります。まず一つが、責任裁定で、損害賠償責任の有無及び賠償額について法律判断を行う手続です。もう一つが、原因裁定で、行為と被害との間の因果関係があるかどうかについて法律判断を行う手続です。裁定の手続は、申請に基づいて、裁定委員会が公開の期日を開いて当事者に陳述させ、証拠調べ、事実の調査などを行って事実を認定し、その認定した事実に基づいて裁定を行います。民事訴訟に準じた手続ですが、職権で証拠調べや事実の調査を行うことができるなどの特長があります。裁定の効力ですが、責任裁定は、裁定書の正本が当事者に送達された日から30日以内に裁定の対象となった損害賠償に関する訴えの提起がなかったときは、その損害賠償に関し、当事者間に当該責任裁定と同一の内容の合意が成立したものとみなされます。原因裁定は、因果関係について裁定委員会の判断を示すものであり、当事者の権利義務を確定するものではありません。

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(3)紛争処理制度の特長

1 専門的知見の活用

公害紛争処理機関における委員の専門的知見を活用することにより、迅速・適正な解決を図ることができます。また、事件によっては、専門的・技術的知見をもつ学識経験者等が専門委員に任命されます。

2 機動的な資料収集・調査

必要に応じて自ら資料の収集、調査を行うことができます。

3 迅速な解決

公害等調整委員会では、裁定手続について標準処理機関を設定し、審理の迅速化に努めています。

4 低廉な費用

事件の申請手数料が裁判に比べて低く抑えられており(調停の申請手数料は、裁判所の民事調停の約4分の1)、また、必要に応じて行政の費用負担で資料の収集、調査を行うなど、当事者の経済的負担の軽減が図られています。

5 柔軟な手続による解決

あっせんや調停においては、訴訟に比べ手続の形式的な厳格性が緩和されているので、紛争の実態に即した柔軟な進め方をすることができます。すなわち、当事者の真意や紛争の実情を意見聴取、実態調査等により把握し、適正・妥当な解決を導き出します。

6 公害防止対策への反映

公害等調整委員会は、関係行政機関の長に対し、都道府県公害審査会等は、都道府県知事に対し、具体的な紛争処理を通じて得られた公害防止に関する施策の改善について意見を述べることができ、公害防止対策に反映させることができます。

7 フォローアップ

調停、仲裁または責任裁定で定められた法律上の義務に不履行があるときには、公害紛争処理機関は、権利者の申出により、当該義務の履行に関する勧告を行うことができます。また、公害紛争処理機関は、当該義務の履行状況について当事者に報告を求め、または調査することができます。

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