市場の動向
インターネット・ブロードバンド市場
2018年12月のUnified National Networks(UNN)設立まではイマジン(旧社名:TelBru)が固定ブロードバンド市場を独占していたが、UNNのインフラ統合によりデータストリーム・デジタル(DST)、プログレシフが小売サービス事業者として市場に参入している。
固定ブロードバンド加入数及び加入率(2019~2023年)

2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
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54 | 71 | 79 | 90 | 93 |
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12.2% | 15.9% | 17.6% | 19.8% | 20.2% |
出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database
移動電話市場
移動体通信市場はDSTとプログレシフがサービスを提供してきたが、2018年12月のUNN設立により、各社のインフラが統合された結果、従来固定電話サービスの提供事業者であったイマジンが2020年1月より移動体通信市場にも参入することとなった。5Gについては、2023年6月にUNNが提供する5G網が利用可能となり、2023年末時点で人口の92%が5Gサービスを利用可能とされている。
移動電話加入数及び加入率(2019~2023年)

2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
---|---|---|---|---|---|
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575 | 537 | 603 | 529 | 541 |
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129.8% | 119.9% | 133.6% | 116.1% | 117.8% |
出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database
固定電話市場
固定通信を提供してきた通信省(現・運輸情報通信省)電気通信部が2006年4月に民営化され、TelBru(現社名:イマジン)が設立された。以降、同社による市場独占が継続してきたが、2018年12月のUNN設立により、国内の電気通信サービス事業者が総じて固定電話の小売サービスを提供することが可能となった。以降、DSTとプログレシフがVoIPにより市場参入しているが、イマジンの市場占有率はいまだに高い。
固定電話加入数及び加入率(2019~2023年)

2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
---|---|---|---|---|---|
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87 | 104 | 112 | 122 | 122 |
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19.6% | 23.2% | 24.9% | 26.8% | 26.5% |
出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database
放送市場
地上放送
国営全国ネットワークのRTBが3チャンネルでマレー語と英語のテレビ番組を放映している。また隣国マレーシアのテレビ放送も受信可能である。
衛星放送・ケーブルテレビ
国内資本クリスタルとアストロ・マレーシアの合弁企業であるクリスタル・アストロがブルネイで唯一の有料放送事業者であったが、2022年3月に放送を終了している。
重要政策動向
2025年デジタル経済基本計画
2020年6月に政府が設置するデジタル経済評議会は、今後5年間でブルネイをスマート国家に変貌させることを目的とした「2025年デジタル経済基本計画」を始動した。同計画には、公共交通情報システム、全国ビジネス・サービス・プラットフォーム、学校ネットワーク・インフラストラクチャ、ハラール認証システム等、今後5年間に実施が見込まれる17件のプロジェクトが提示されている。運輸情報通信省は、これらのプロジェクトはデジタル・トランスフォーメーション(DX)の主軸であり、経済成長に大きな影響を与えるものと位置付けている。
加えて、デジタル経済評議会は、特に以下の九つのクラスターの下でのプロジェクトに焦点を合わせることも表明している。①ロジスティクスと輸送、②エネルギー、③ビジネス・サービス、④観光、⑤金融、⑥健康、⑦農業・食品、⑧教育、⑨ハラール。
また、同評議会は同計画の四つの戦略的推進領域として、①産業のデジタル化、②政府のデジタル化、③デジタル産業の成長、④デジタル人材の育成、を掲げており、特に、零細及び中小企業に対する施策を重要視していると述べている。
同時に、政府のデジタル化は、デジタルIDエコシステムや政府のクラウド使用等により、デジタル経済の成長を主導する役割を与えられるものとしている。
基礎データ集
国の基礎データ
- 政体
- 立憲君主制
- 面積
- 5,765㎢
- 人口
- 46万人
- 首都
- バンダルスリブガワン
- 公用語
- マレー語
経済関連データ
- 通貨単位
- 1ブルネイドル(BND)=111.66円(2024年9月末)
- 会計年度
- 4月から1年間
- GDP
- 151億2,829万USD(2023年)
出所:World Bank, World Development Indicators Database
法律
通信 | 2001年電気通信政令 |
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放送 | 放送法 |
監督機関
通信 | 運輸情報通信省、情報通信技術産業庁 |
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放送 | 情報通信技術産業庁 |