世界情報通信事情 World Information and Communication Circumstances

Republic of Colombia コロンビア(最終更新:令和5年度)

市場の動向

インターネット・ブロードバンド市場

インターネット市場について、2023年9月現在の加入件数は約795万で、主要ISPはクラロ・コロンビア(ケーブル、FTTH)、ティゴ・コロンビア(ケーブル、ADSL)、モビスター・コロンビア(ADSL、FTTx)、ETB(ADSL、FTTH)で市場シェアの約80%を占めている。接続方式のシェアはADSLが約8.7%、ケーブルが約57.2%、光ファイバが約29.4%となっている。

ブロードバンド市場については、情報通信基盤整備政策としてユニバーサル・サービスが実施されている。市内通話及びブロードバンド接続がユニバーサル・サービスと規定されている。また、政府は2018年、「すべての人々のためのデジタルの未来」という表題で、2022年までの国家デジタル化政策を発表した。この政策は、官民協力に基づき、国民のすべてがブロードバンド接続とそれに伴う各種ICTサービスを享受することを目標にしている。

固定ブロードバンド加入数及び加入率(2018-2022年)

2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
固定BB加入数(千) 6,679 6,950 7,765 8,434 8,799
固定BB加入率 13.6% 13.8% 15.2% 16.4% 17.0%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database

移動電話市場

移動体通信市場ではクラロ・コロンビア、モビスター・コロンビア(Movistar Colombia)、ティゴ・コロンビア、Avantel等がサービスを提供している。MVNOは17社がサービスを提供しているが、ヴァージン・モバイル・コロンビア(Virgin Mobile Colombia)とMovil Exitoで約90%以上のシェアを占めており、2022年12月末現在の加入者合計は445万、移動体通信市場全体に占める加入者シェアは6.1%である。

移動電話加入数及び加入率(2018-2022年)

2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
移動電話加入数(千) 64,514 66,283 67,673 75,056 80,812
移動電話加入率 130.9% 132.1% 132.9% 145.7% 155.8%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database

固定電話市場

PSTN方式の固定電話の加入者が減少を続ける一方で、ブロードバンド接続プロバイダによるトリプルプレイの伸長から、IP電話利用が伸びており、2022年には加入者数が578万を超えている。

PSTN方式は、Empresa de Telecomunicaciones de Bogota(ETB:市内・長距離・国際)、Empresas Municipales de Cali(EmCali:市内)の国営2事業者、スペインの総合通信事業者テレフォニカ(Telefonica)の子会社テレフォニカ・コロンビア(Telefonica Colombia、ブランド名:モビスター(Movistar))、EPMとMillicom International Cellular(MIC)の合弁会社ティゴ・コロンビア(Tigo Colombia)により提供されている。一方、VoIP方式は、ETB、クラロ・コロンビア及びティゴ・コロンビアにより提供されている。

固定電話加入数及び加入率(2018-2022年)

2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
固定電話加入数(千) 6,974 7,012 7,248 7,567 7588
固定電話加入率 14.2% 14.0% 14.2% 14.7% 14.6%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database

放送市場

ラジオ市場については、RTVCが4つの全国放送系統を提供しており、商業放送業者も多数存在する。大手ネットワークには、Radio Cadena NacionalがAMで全国放送を、Radio SuperなどがFMで音楽番組を中心に複数の局を運営している。

テレビ市場については、RTVCが2つの全国放送系統を提供している。商業放送業者には、Caracol Television(CRC)、RCN Televisionなどが含まれる。2019年には地上デジタル放送の人口カバレッジが92.6%に達し、有料テレビの加入者は2023年までに630万人に増加した。

衛星放送については、約130万人の加入者がおり、米国ディレクTV(DIRECTV)傘下のディレクTVコロンビアが最大手事業者である。政府は2014年に衛星放送システムを導入するプロジェクトを開始し、10年間で306自治体に予算7,050万COPを設定している。

有料放送

ケーブルテレビについては、2022年6月時点の加入者数は約400万である。クラロ・コロンビアとティゴ・コロンビアが2大事業者であり、両社は主にインターネットとのバンドル・サービスにより、有料放送加入者シェアの半数以上を占める。

重要政策動向

卸売提供制度とMVNO促進政策

固定・移動とも市場支配的事業者に関する規定は存在するが、2022年半ばの規制機関のサイト等では、回線卸売やネットワーク共有等に関して、実例に対する適用に関する報告はない。

MVNOの市場参入は自由であり、規制機関は他の産業からの参入者とネットワーク事業者との交渉の仲介に積極的で、2023年時点で17社がサービスを実施している。

デジタル・ディバイド解消

政府は2018年、「すべての人々のためのデジタルの未来」という表題で、2022年までの国家デジタル化政策を発表した。この政策は、官民協力に基づき、国民のすべてがブロードバンド接続とそれに伴う各種ICTサービスを享受することを目標にしている。インフラ面でのディバイド解消政策としては、ルーラル地域でのコミュニティ・アクセス・センターの設置、公共機関でのWi-Fi接続サービスの普及等があり、また公立学校での接続環境の改善が急務とされた。

地上デジタル放送

2010年1月に地上デジタル放送が開始された。2011年にANTV(当時、国立テレビ協会)は2019年までに移行を完了すると定め、2012年には新たな放送規格としてDVB-T2方式を採用した。

2019年5月、地上デジタル放送向け周波数利用許可申請手続を明確化する決定が発効したが、同年6月にANTV(当時)が同年12月末に予定されていたアナログ停波を2022年12月末に延期することを決定した。

国の基礎データ、経済関連データ

国の基礎データ

政体
共和制
面積
113万8,910㎢
人口
5,187万人(2022年)
首都
ボゴタ
公用語
スペイン語

経済関連データ

通貨単位
1コロンビア・ペソ(COP)=0.037円(2023年9月末)
会計年度
1月から1年間
GDP
3,145億USD(2021年)

出所:World Bank, World Development Indicators Database

法律

通信 2009年法律第1341号
放送 2001年法律第680号 等

監督機関

通信 情報技術通信省、通信規制委員会
放送 情報技術通信省、通信規制委員会
電波 情報技術通信省、通信規制委員会、国家周波数庁