インドネシア(最終更新:令和元年度) Republic of Indonesia

市場の動向

インターネット・ブロードバンド市場

2018年末時点で、ブロードバンドの加入数は1,310万程度と推計されており、2015年の事業者による競争と、需要の拡大により加入が伸びつつある。加入拡大の中心を担っているのは、モバイル・インターネットである。モバイル・インターネットが普及する以前はWarnetと呼ばれる日本におけるインターネット・カフェに近い店舗が、インターネット接続普及の中心的な役割を担ってきた。

2001年からADSLの商用サービスが開始され、首都圏や大都市を中心にインカムベント事業者Telkomやケーブルテレビ事業者によるIP化、光化が進行している。

固定ブロードバンド加入数及び加入率(2014-2018年)

2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
固定BB加入数(千) 3,400 3,983 5,227 6,216 8,781
固定BB加入率 1.3% 1.5% 2.0% 2.3% 3.3%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database

移動電話市場

主要事業者はTelekomunikasi Selular(Telkomsel)、Indosat Ooredoo(旧SatelindoとIndosat MultiMedia Mobile)、Hutchison 3 Indonesia(Tri)、XL アシアタである。2018年には規制に則った登録を行っていないSIMを大量に失効させたため、加入数は減少したが、4社で3億以上の加入があり、市場シェアの約95%を占める。
2014年10月4G網の運用が許可され、12月にはTelkomselが商用サービスの提供を開始した。各社ともに大都市から順次サービスを開始し、2018年末には村落レベルで82.98%をカバーしたとしている。
5G網については、政府が周波数帯域を確保するための調整等を行う一方で、各事業者が試験を進めている。

政府は2014年に国内でのMVNO事業関連の規制整備を開始し、2016年3月にBakrie TelecomがMVNO事業者として誕生したが、2019年にサービス提供を停止した。

移動電話加入数及び加入率(2014-2018年)

2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
移動電話加入数(千) 325,583 338,948 385,573 435,194 320,770
移動電話加入率 127.6% 131.2% 147.4% 164.4% 119.8%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database

固定電話市場

インカムベントであるTelkomを中心に6事業者によって市内電話サービスが提供されている。FWAによる固定電話の供給が急増したことで、加入者数が拡大した時期があったが、移動体通信網の高速化に伴いFWAからの乗換えが顕著になってきている。

長距離網に関しては、島嶼間の通信を確保するために衛星が活用されている。海底光ファイバ網の整備も進行しつつあり、2019年中の全県・市レベルの接続という目標を達成した。

固定電話加入数及び加入率(2014-2018年)

2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
固定電話加入数(千) 26,225 10,378 10,753 11,053 11,208
固定電話加入率 10.3% 4.0% 4.1% 4.2% 4.2%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database

放送市場

地上放送

1962年にTelevisi Republik Indonesia(TVRI)が国営放送を開始、1989年からは商業放送事業者がサービスを開始し、13事業者が広域で放送を実施している。大手商業放送事業者にIndosiar Visual Mandiri(Indosiar)、Surya Citra Televisi Indonesi(SCTV)、Rajawali Citra Televisi Indonesia(RCTI)がある。

地上波デジタル放送については、2010年にTVRIが、ジャカルタ、バンドン、スラバヤ、バタム島で開始し、2012年に民間事業者による地上デジタル放送が開始された。2018年末、ジャカルタ、ジョグジャカルタ、バリ、メダン、バンジャルマシン、マカッサル等、12地域で民間事業者を含めて実施され、42地域ではTVRIが実施している。2019年10月に通信情報大臣が、段階的なアナログ停波の完全実施を2024年に設定することを発表した。

有料放送

2017年時点で有料放送事業者が311あり、そのうち92%はケーブルテレビである。

ケーブルテレビについては、First Media傘下のHomeCable(旧Kabelvision)、Transvision(旧Telkomvision)、Indosat Mega Media等がサービスを提供している。HomeCableとTransvisionの2社が市場を主導しているが、地域が限定されているため市場は小さい。直接衛星放送については、MNC Vision(旧Indovision)が、1994年にサービス開始、1997年からはデジタル放送を提供しており、2019年3月末現在の加入者数は約300万とされている。

重要政策動向

インドネシア・ブロードバンド計画(Rencana Pitalebar Indonesia:RPI)

政府は、2014年9月に2014年第96号大統領令「インドネシア・ブロードバンド計画」を公布した。計画では、eラーニング、eヘルス、電子調達、電子政府、eロジスティックスを開発の中心に据え、それを支えるためのブロードバンド基盤を構築する。2019年の目標として、都市部では71%の家庭を20Mbps以上、100%のビルを1Gbpsの固定網でカバーし、1Mbps以上のモバイル・インターネットの人口カバレッジを100%にする。また、ルーラル地域では、49%の家庭を10Mbps以上の固定網でカバーし、1Mbps以上のモバイル・インターネットの人口カバレッジを52%にする計画だった。固定網について目標を達成できなかったが、移動網については目標以上の成果を得た。

パラパ・リング計画

2006年11月、政府は、光ケーブルにより七つのリングを構築し、全国の34の州、440の地域を結ぶパラパ・リング計画を公表した。西部地域に偏在している光ネットワークを東部地域にまで拡張することでブロードバンド網を全国展開し、東部地域開発及びインターネット等の通信料金を低減することが大目標であった。

経済状況等の影響を受け、プロジェクトはストップ・アンド・ゴーの状態だったが、2015年以降は、未接続の114を含む514市/県を接続するために、新規敷設分の工区を東、中央、西の三つに分けてKerja Sama Pemerintah-Badan Usaha(政府及び企業共同方式、スキームはBuild-Own-Operate-Transfer形式)で整備した。2019年10月、条件が困難で最後まで整備が続いていた東工区が完成し、35,280kmの海底ケーブルと21,807kmの陸上ケーブルの完工が発表された。大統領は、記念式典で「リングの完成は、経済セクターに発展をもたらすのみならず、社会、政治、文化さらには政府にも発展をもたらす」とし、一方でインドネシアでも増加しているサイバー犯罪やその他の悪影響を排する努力が必要だと演説した。

基礎データ集

国の基礎データ

政体

大統領制、共和制

面積

190万5,111㎢

人口

2億6,766万人

首都

ジャカルタ

公用語

インドネシア語

経済関連データ

通貨単位

1インドネシア・ルピア(IDR)=0.008円(2019年9月末)

会計年度

1月から1年間

GDP

1兆421億7,330万USD(2018年)

出所:World Bank, World Development Indicators Database

法律

通信 1999年法第36号電気通信法 等
放送 2002年法第32号改正放送法 等

監督機関

通信 通信情報省、電気通信規制委員会 等
放送 通信情報省、インドネシア放送委員会
© 2018 Ministry of Internal Affairs and Communications All Rights Reserved.