世界情報通信事情 World Information and Communication Circumstances

Republic of Korea 韓国(最終更新:令和2年度)

市場の動向

インターネット・ブロードバンド市場

1995年以降に政府主導で世界に先駆けて全国レベルのブロードバンド基盤が整備された。現行の「第6次国家情報化基本計画」により、10ギガビット級ブロードバンドのカバレッジが2022年までに85市基準で50%まで拡大される計画である。KTとSKブロードバンドは2018年末から10ギガビット級サービスを提供している。接続方式別加入割合は高速のFTTHとLANが8割以上を占める。2020年9月末現在の固定網ブロードバンド加入者総数は約2,333万で、加入者数による市場シェアはKT、SKブロードバンド(SKテレコムの再販売含む)、LG U+の順である。

固定ブロードバンド加入数及び普及率(2015-2019年)

2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
固定BB加入数(千) 20,024 20,556 21,196 21,286 21,906
固定BB普及率 39.4% 40.3% 41.5% 41.6% 42.8%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database

移動電話市場

移動通信市場にはネットワーク事業者(MNO)3社が存在する。2020年9月末現在の加入者シェアは、SKテレコム(約42%)、KT(約27%)、LG U+(約22%)、MVNO(約10%)の順である。MVNO市場には40社以上が参入している。韓国は新世代携帯電話の普及速度が大変速く、スマートフォンもLTE、5Gも世界最速スピードで普及した。2019年4月にMNO 3社が一斉に開始した5Gサービス加入者は2020年11月時点で国民の2割に相当する1,000万人を突破している。

5G周波数として3社に3.5GHz/28GHz帯が割り当てられているが、韓国では3.5GHz帯活用の5Gサービス展開を優先した。28GHz帯活用サービスは2020年12月から実証事業等の形で導入された。

移動電話加入数及び普及率(2015-2019年)

2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
移動電話加入数(千) 58,935 61,296 63,659 66,356 68,893
移動電話普及率 116.0% 120.2% 124.6% 129.7% 134.5%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database

固定電話市場

市内(PSTN)電話市場には、KT、SKブロードバンド、LG U+の3社が存在するが、旧政府系事業者KTのシェアが依然として大きい。2020年9月末現在の市内電話加入者総数は約1,302万人であるが、KTの加入者がこのうち約8割を占める。VoIP市場には11社が参入しており、2020年9月末現在の加入者数は約1,093万人。加入者数による事業者の規模は、LG U+、KT、SKブロードバンド、KCTの順である。

国際電話市場では、KT、SKブロードバンド、LG U+、SK Telinkをはじめ、多数の事業者が価格競争を展開している。

固定電話加入数及び普及率(2015-2019年)

2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
固定電話加入数(千) 28,883 28,036 26,845 25,907 24,727
固定電話普及率 56.8% 55.0% 52.5% 50.6% 48.3%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database

放送市場

地上放送

地上テレビ放送事業者数は、地域民放を含めて30社である。全国ネットワークの事業者は、公共放送KBS、公営放送MBC、商業放送SBS、教育放送EBSの4社である。

有料放送

有料放送市場には、ケーブルテレビ91社、衛星放送1社、IPTV(通信事業者)3社が存在するが、IPTVがケーブルテレビの加入者を吸収して成長し、有料放送市場の主役となった。その結果、2019年から通信事業者のIPTVによる大手ケーブルテレビM&Aが相次ぎ、有料放送市場は通信市場者中心の再編が現在進んでいる。2020年までにLG U+によるケーブルテレビ最大手のLGハロービジョン(旧CJハロービジョン)買収と、SKブロードバンドとケーブルテレビ大手Tbroadの合併が完了した。ケーブルテレビ業界第5位の現代HCNのKTスカイライフ(KT系列の衛星放送)による買収が政府の審査待ちである。業界第3位のD’!LIVEと第4位のCMBも売却先を探している。

重要政策動向

デジタル・ニューディール

コロナ禍克服の景気対策として2020年7月に発表された大型公共事業「韓国版ニューディール」の一環のデジタル化戦略として「デジタル・ニューディール」が進められる。5G、AI、ビッグデータ等最新ICT技術を活用するデジタル・ニューディールでは、2025年までに58兆2,000億KRW(うち国費44兆8,000億KRW)を投じ、2025年までに90万3,000の雇用創出とデジタル化を目指す。全産業での5G・AI・データ等活用拡大を通じたサービス非対面化が促進される。個別の代表的プロジェクトとしてデータダム構築や行政通信網の5G置き換え等が進められる。

行政サービスのペーパーレス化

2019年10月に政府がまとめた「デジタル政府革新推進計画」により、各種証明書のペーパーレス化やモバイル身分証導入等が進められる。2020年中はスマートフォンベースのモバイル自動車運転免許証や公共証明書発行サービスが開始され、2021年からはモバイル公務員証等が導入される。

AI国家戦略

文在寅政権は2019年12月に「AI国家戦略」をまとめ、「IT強国を超えてAI強国へ」のビジョンを掲げた。2030年までにデジタル競争力世界3位、AIによる経済効果455兆KRW等を目標として100の個別プロジェクトを進める。この戦略に基づき2020年12月には「AI倫理基準」がまとめられた。

5G促進及び6G開発に向けた取り組み

5G促進に向けた国家戦略は、2019年4月に発表された「5G+(プラス)戦略」である。この戦略では重点育成を図る5G関連10産業とスマート工場等五つの戦略サービスを指定した。2022年までに5Gの全国ネットワークを整備し、戦略関連で官民合わせて30兆KRW以上を投資する。

世界初の6G商用サービス化を目指す取り組みとして、2020年8月に科学技術情報通信部が「6G R&D戦略」をまとめた。これに基づき2021年から6G技術開発が開始される。「6G R&D戦略」を通じ、6G中核標準特許で世界一、スマートフォン市場シェア世界一、機器市場世界市場で2位の達成を目指す。

基礎データ集

国の基礎データ

政体
民主共和国
面積
9万9,538㎢
人口
5,123万人
首都
ソウル
公用語
韓国語

経済関連データ

通貨単位
1ウォン(KRW)=0.09円(2020年9月末)
会計年度
1月から1年間
GDP
1兆6,467億USD(2019年)

出所:World Bank, World Development Indicators Database

法律

通信 電気通信事業法、電波法等
放送 放送法

監督機関

通信 科学技術情報通信部、放送通信委員会
放送 科学技術情報通信部、放送通信委員会、文化体育観光部