世界情報通信事情 World Information and Communication Circumstances

Malaysia マレーシア(最終更新:令和2年度)

市場の動向

インターネット・ブロードバンド市場

2001年からDSLサービスの提供が開始され、2007年にHSDPAサービス、2010年3月にテレコム・マレーシア(TM)が首都圏においてFTTHサービスの提供を開始した。2020年6月現在、固定ブロードバンド加入数は約304万で、モバイル・インターネットが約3,867万である。2007年以降提供されているWiMAXについては、4G携帯電話端末の普及に伴って、2014年以降減少を続けている。

固定ブロードバンド加入数及び普及率(2015-2019年)

2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
固定BB加入数(千) 3,064 2,719 2,688 2,696 2,965
固定BB普及率 10.1% 8.9% 8.6% 8.6% 9.3%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database

移動電話市場

主要な事業者は、マキシス・モバイル、TM系列のセルコム・アシアタとディジ・テレコムの3社である。2014年以降、マキシス、アシアタ、ディジのシェアがほとんど拮抗した状態になっている。2020年10月現在、マキシスがLTE網で人口の90%以上をカバーしている。

5Gについては、2017年5月にセルコム・アシアタが、2019年3月にマキシスがトライアルを開始したことを発表した。また、Uモバイルが、2019年8月に、マラヤ大学と協力して5Gヘルスケアのトライアルを実施することを明らかにした。

移動電話加入数及び普及率(2015-2019年)

2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
移動電話加入数(千) 44,104 43,465 42,339 42,413 44,601
移動電話普及率 145.7% 141.6% 136.1% 134.5% 139.6%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database

固定電話市場

主な事業者は、TM、マキシス、タイム・ドットコム、ディジ・テレコムの4社であるが、旧国営事業者のTMが支配的地位にある。移動電話への加入者移行の影響を受け、固定電話の加入数は減少傾向が続いている。

インターネット電話については、PC間の音声通信提供は「インターネット・テレフォニー」に分類され、免許は不要。公衆交換網を経由した通話については、「VoIPサービス」に分類されるため、クラスASP免許が必要となる。2019年末でのVoIPの加入推計は79万程度である。

固定電話加入数及び普及率(2015-2019年)

2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
固定電話加入数(千) 4,490 4,837 6,581 6,433 6,474
固定電話普及率 14.8% 15.8% 21.2% 20.4% 20.3%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database

放送市場

地上放送

1963年に開局した国営放送RTMが全国テレビ放送を2チャンネル配信しているほか、商業放送事業者ではTV3が1984年に、ntv7が1998年に、TV9が2003年(いったん放送中止後、2006年に再開)に、8TVが2004年に放送を開始している。

日刊紙の「New Straits Times」等を傘下に持つメディア・プリマが、放送事業者の買収を進め、2003年9月にTV3の完全買収を行い、同年11月には現8TVの80%の株式(2007年に完全取得)、2005年6月にTV9、同年12月にntv7を取得し、すべての商業地上放送事業者が傘下に入った。

2017年6月には、地上デジタル放送サービスを正式に開始し、2019年10月末に地上アナログ波が停止された。

有料放送

Measat Broadcast Network Systems(MBNS)が、MEASAT衛星を使用し、1996年10月より「ASTRO」のブランド名で有料デジタル衛星放送を行っている。視聴者が限定されるため、衛星放送についてはコンテンツ規制が緩やかで、ASTROの自主制作番組や地上波の再送信のほか、欧米や香港のテレビ番組などが提供されている。人気のあるサッカー等のコンテンツの生放送に関する独占権も、加入数を押し上げている要因と見られる。ASTRO以外では、新規参入事業者としてケーブル事業者など4社に衛星放送免許が付与されている。

衛星放送の人気が高く、多チャンネルのケーブルテレビはそれほど成長していない。

重要政策動向

ブロードバンド網整備

デジタル経済の発展のためにはより高速かつ安価なブロードバンド環境が必要であるとして、2019年から「国家光ファイバ接続計画(The National Fiberisation and Connectivity Plan:NFCP)」が展開されている。同計画では、①2023年までに30Mbps以上のブロードバンド・サービスの世帯ガバレッジを少なくとも98%に引き上げる、②1Gbps以上のブロードバンド・サービスについて、2020年まで戦略的な産業地域において、2023年までにすべての州都において利用できるようにする、③2020年にエントリーレベルの固定ブロードバンド・パックの料金を一人当たり国民総所得の1%以下にする、④2022年に70%の学校、病院、図書館、警察署、郵便局を光ファイバで接続する、⑤2023年に居住地域の98%を平均30Mbpsで接続する等の目標が掲げられている。

国家デジタルネットワーク計画(JENDELA)

新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機としたブロードバンドへの依存の高まりに備え、2020年8月に「国家デジタルネットワーク計画(JENDELA)」が公表された。2022年以降の、900万世帯へのブロードバンド普及、4G人口カバレッジ100%、移動体通信速度100Mbps、人口密集地での5G完全普及が目指されている。

基礎データ集

国の基礎データ

政体
立憲君主制(議会制民主主義)
面積
32万9,749㎢
人口
3,195万人
首都
クアラルンプール
公用語
マレー語

経済関連データ

通貨単位
1マレーシアリンギット(MYR)=25.41 円(2020年9月末)
会計年度
1月から1年間
GDP
3,646億8,137万USD(2019年)

出所:World Bank, World Development Indicators Database

法律

通信 1998年通信・マルチメディア法、通信マルチメディア委員会法
放送 1998年通信・マルチメディア法、通信マルチメディア委員会法

監督機関

通信 通信マルチメディア省、通信マルチメディア委員会
放送 通信マルチメディア省、通信マルチメディア委員会