世界情報通信事情 World Information and Communication Circumstances

Malaysia マレーシア(最終更新:令和7年度)

市場の動向

インターネット・ブロードバンド市場

最大通信速度256kbps以上がブロードバンドに分類されるブロードバンド・インターネットについては、2001年からDSLサービスの提供が開始され、2008年にWiMAXサービス、2010年にFTTHサービスの提供を開始している。2025年3月現在、固定ブロードバンド加入数は約492万で、モバイル・インターネットが約4,426万である

固定ブロードバンド加入数及び加入率(2020~2024年)

2020年 2021年 2022年 2023年 2024年
固定BB加入数(千) 3,359 3,734 4,224 4,577 4,817
固定BB加入率 9.9% 10.9% 12.2% 13.0% 13.5%

出所:ITU Data Hub

移動電話市場

移動体通信市場では事業者の競争と再編が行われており、2025年12月現在の主要事業者は、セルコムディジ(CelcomDigi:2021年6月、当時の加入数第1位と3位の事業者が合併)、マキシス・モバイル(Maxis Mobile)、Uモバイルである。MVNOにも、一定程度の加入数がある。

5Gについては、網の構築と運用は、政府事業体のデジタル国家会社(Digital Nasional Berhad:DNB)が独占的に行い、各事業者はDNBから卸売りを受けて、2022年11月に提供開始された。2024年には政策を転換し、Uモバイルが5G網を構築運用する第2事業者に選定された。DNB網が、2024年6月末時点で、人口密集地帯(COPA)の人口の約81.8%をカバーしている。

移動電話加入数及び加入率(2020~2024年)

2020年 2021年 2022年 2023年 2024年
移動電話加入数(千) 43,724 47,202 47,952 50,137 49,662
移動電話加入率 129.0% 137.7% 138.2% 142.7% 139.7%

出所:ITU Data Hub

固定電話市場

1994年5月に市内通信が自由化された。主な事業者は、テレコム・マレーシア(TM)、マキシス(Maxis Communications)で、旧国営事業者のTMが支配的地位にある。国土がマレー半島とボルネオに分かれているため衛星通信を活用し、2025年10月時点でMEASAT社が6基の衛星を運用している。

固定電話加入数及び加入率(2020~2024年)

2020年 2021年 2022年 2023年 2024年
固定電話加入数(千) 7,468 8,247 8,464 8,402 8,219
固定電話加入率 22.0% 24.1% 24.4% 23.9% 23.1%

出所:ITU Data Hub

放送市場

地上放送

1963年に開局したRTMが全国放送を6チャンネル配信しているほか、商業放送事業者ではTV3が1984年に、ntv7が1998年に、TV9が2003年(いったん放送中止後、2006年に再開)に、8TV(旧Metrovison)が2004年に放送を開始している。地上波については2019年10月にデジタルに完全移行している。

日刊紙の「New Straits Times」等を傘下に持つメディア・プリマ(Media Prima)が、放送事業者の買収を進め、2003年9月にTV3の完全買収を行い、同年11月には現8TVの80%の株式(2007年に完全取得)、2005年6月に現TV9、同年12月にntv7を取得し、すべての全国商業地上放送事業者が傘下に入った。

有料放送

1996年10月よりMeasat Broadcast Network Systems(MBNS)社がASTROのブランド名で有料デジタル衛星放送を行っている。2025年6月時点で、有料放送の加入数は588万程度と発表されている。なお、衛星放送の人気が高く、多チャンネルのケーブルテレビはそれほど成長していない。

重要政策動向

インターネットに関する規制強化

2025年1月より、社会問題化したインターネットの不適切な利用を防止するために、マレーシアでの加入者数が800万人を超えるメッセージ・サービス事業者とSNSサービス事業者はASP免許の取得が義務付けられた。発表時に規制機関は、フェイスブック、TikTok、YouTubeといった事業を対象例として示した。

2025年11月に、通信大臣は、児童の不確かな情報へのアクセスや犯罪それ自体への関与を制限するため16歳未満の児童について、ソーシャルメディアの利用を禁止するよう規制を整備すると発表した。

ICT促進政策

2025年7月に発表された「第13次マレーシア計画(経済開発5か年計画2026~2030)」で、ICT関連では、2030年にマレーシアを包摂的で持続的なAI国家とする旨が記載された。計画では、投資と政策を活用してデジタルエコシステムの強化を行い、DXとR&Dの商用化を促進する、また、国家AI行動計画を策定するとした。目標数値として、5Gの人口カバレッジを98%とし、デジタル関連の就業を50万人、デジタル起業家を5,000人増加させ、デジタル経済のGDPへの寄与率を30%にすることを示した。

基礎データ集

国の基礎データ

政体
立憲君主制(議会制民主主義)
面積
33万㎢
人口
3,556万人
首都
クアラルンプール
公用語
マレー語

経済関連データ

通貨単位
1マレーシアリンギット(MYR)=35.15円(2025年9月末)
会計年度
1月から1年間
GDP
4,222億2,701万USD(2024年)

出所:World Bank, World Development Indicators Database

法律

通信 1998年通信・マルチメディア法、通信マルチメディア委員会法
放送 1998年通信・マルチメディア法、通信マルチメディア委員会法

監督機関

通信 通信省、デジタル省、通信マルチメディア委員会
放送 通信省、通信マルチメディア委員会