世界情報通信事情 World Information and Communication Circumstances

Mongolia モンゴル(最終更新:平成29年度)

市場の動向

インターネット・ブロードバンド市場

モバイルインターネット市場中心に加入者数が急速に伸びている。2016年6月30日現在の加入者総数は251万2,700となっている。このうち、方式別での加入者多い順では、3G(全体の90.79%)、 FTTx(同6.96%)、DSL(同1.02%)、Wi-Fi(同0.58%)、WiMAX(同0.56%)となっている。

2017年6月末現在、ブロードバンド市場の加入者シェア状況は、トリプルプレイ・サービス大手のUnivisionが32.9%、MTが21.3%、Ulusnetが17.8%、Citinetが12.9%、Yokozuna Netが10.2%、その他の事業者が4.9%となっている。

固定ブロードバンド加入数及び普及率(2012-2016年)

2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
固定BB加入数(千) 110 140 197 208 226
固定BB普及率 3.9% 4.9% 6.8% 7.1% 7.6%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database, 2015

移動電話市場

移動体通信市場は政府の介入により、Mobicom、Skytel、Unitel及びG-Mobileの4事業者による競争が繰り広げられている。このうちMobicom及びUnitelが2016年上半期にLTEサービスを開始した。

2017年6月現在、4社の加入者総数は357万で、シェア別では、G-Mobileが13.5%、Skytelが16.2%、Mobicomが38.4%、Unitelは31.9%となっている。このうち、LTEユーザ数は24万で、MobicomとUnitelでは、それぞれ54.2%、45.8%となっている。

移動電話加入数及び普及率(2012-2016年)

2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
移動電話加入数(千) 3,375 2,878 3,027 3,068 3,368
移動電話普及率 120.7% 101.4% 105.1% 105.0% 113.6%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database, 2015

固定電話市場

PSTNについては、サービスとネットワークの所有・管理を分離するために、2004年に政府が100%保有する回線会社Information and Communications Network Company(ICNC)が設立され、2007年までにモンゴル・テレコム(Mongolia Telecom:MT)からの関連業務の分離が完了した。同社は政府の保有する地域、長距離、国際などのバックボーン回線の管理と開発を行い、MTなどのサービス・プロバイダに回線を提供する。

UB Railcomは、モンゴル政府とロシア連邦政府の合弁事業であり、鉄道網に沿った地域で公衆電話と長距離通信サービス、インターネット接続サービス、VoIPサービスを提供している。また、ロシアや中国と結ぶ光ファイバを所有している。

このほかに、2009年以後、Cyber Security Authority、Univision LLC、Skymedia LLC、Mobinet LLCの4社も相次いで市場に参入した。2016年末現在の加入者総数は22万5,287で、内訳では、PSTNが8万、VoIPが14万5,287となっている。

固定電話加入数及び普及率(2012-2016年)

2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
固定電話加入数(千) 177 176 228 256 225
固定電話普及率 6.3% 6.2% 7.9% 8.7% 7.6%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database, 2015

放送市場

地上放送

MNPTがMNB-TVとMN2-TVの2チャンネルを運営し、全国向けに年間6,400時間の総合番組を制作・放送しているほか、中国のCCTV-9、NHK、米国、フランス、ドイツ、ロシアなどの番組も中継している。視聴者はおよそ180万に達している。そのほかに、商業放送としてBolovsrol Channel TVは、子ども、青少年向け教育チャンネルとして2007年に2番目の公共放送局を開局した。また、民間テレビ放送事業者のTV9、MNチャンネル25(Channel 25)、TV5、UBS TVが全国放送をしている。

衛星放送

外国の衛星放送の受信は自由で、地上テレビ局を含め、計16局が全国向けに番組配信を実施している。このうち、MNPTがインテルサット704衛星を利用して全国の放送局に番組配信を行っており、直接受信も可能である。なお、外国の衛星放送の受信は自由である。外国の衛星放送では、1日24時間サービスのNHKワールドTVとNHKワールド・プレミアム、CNN、香港のスター(STAR)等が放送されている。

2008年に政府はDTHによる多チャンネル放送サービスの導入を決定し、地球局への免許付与を行った。同年7月には、APSTAR衛星のKuバンドを用いた20チャンネルの衛星放送サービスが可能な容量を持つ地球局の運用がDDishにより開始され、国内向け衛星放送サービスが開始された。

2017年4月にAsia Broadcast Satelliteからの協力を得て、モンゴル初の通信・放送衛星Mongol Sat-1が打上げられた。通信利用のほか、全国向けの無料デジタル衛星テレビ・サービスにも用いられることになっている。2016年6月末現在、加入世帯数は33万8,874に達した。

ケーブルテレビ

1997年にSupervisionが初のケーブルテレビ・サービスを開始しており、2013年末現在はMNPTのほか、Sansar、Hiimorなど77のケーブルテレビ事業者がサービスを提供している。このうち、Sansar は2014年7月以降、DVB-T2方式を採用したデジタル放送も提供している。2016年6月末現在の(Multichannel Multipoint Distribution Service含む)加入世帯数は23万3,152である。

重要政策動向

政府は通信関連分野において、2016年までに下記五つの発展目標を掲げている。

  • 1
    ナショナル・サテライト:通信衛星を打ち上げ、農村地域を含めての遠隔教育や遠隔医療サービスの提供を実現する。
  • 1
    シームレスな政府サービス:統合したデータベースの構築をはじめとする関連基盤の整備によるシームレスな電子政府サービスの提供を実現する。
  • 1
    農村地域における無料のWi-Fiサービス:3G、4G等のモバイル・ブロードバンドに加え、Wi-Fiの利用水準を高める。
  • 1
    高度なICT人材の育成
  • 1
    電子製品の開発・製造支援

基礎データ集

国の基礎データ

政体
共和制(大統領制と議院内閣制の併用)
面積
156万6,500㎢
人口
296万4,000人(2016年)
首都
ウランバートル
公用語
モンゴル語

経済関連データ

通貨単位
1トゥグリック(MNT)=0.05円(2017年10月末)
会計年度
1月から1年間
GDP
111億8,346万USD(2016年)

出所:World Bank, World Development Indicators Database

法律

通信 2008年改正通信法 等
放送 公共テレビ・ラジオ放送法

監督機関

通信 通信情報技術庁、通信規制委員会
放送 通信情報技術庁、通信規制委員会