世界情報通信事情 World Information and Communication Circumstances

Federal Republic of Nigeria ナイジェリア(最終更新:平成30年度)

市場の動向

インターネット・ブロードバンド市場

MTN NigeriaとGlobacomがDSL、MTN、ipNX及び21st Century Networkが最大接続速度30MbpsのFTTxサービスを提供しているが、加入数合計は2018年6月現在23万強で、固定ブロードバンド市場では無線の利用が主流である。近年はMTN、Spectranet、Swift Network等が首都を中心にWiMAXからTD-LTEへの移行を進めている。2016年8月、BitfluxはAlepoと共同で2.3GHz帯LTEサービスの卸売を開始した。

固定ブロードバンド加入数及び普及率(2013-2017年)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
固定BB加入数(千) 15 16 14 108 74
固定BB普及率 0.0% 0.0% 0.0% 0.1% 0.0%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database

移動電話市場

2018年現在、ナイジェリアの移動体通信市場はアフリカの中でも最大である。GSM方式で4社、CDMA方式で2社がサービスを実施しているが、南アフリカMTNの子会社MTN Nigeria、Globacomの携帯ブランドGlo Nigeria、Airtel Nigeria、UAEのEtisalatの関連会社9mobileのGSM4社で電話全体の加入者シェアの約99%以上を得ている。

3Gサービスについては、GSM事業者4社がサービスを実施しており、2018年3月現在の人口カバレッジは、Airtel Nigeriaが60%、MTNが60%で、他事業者のサービスも都市部では利用可能である。2018年6月現在の加入数合計は4,836万である。

LTE向け周波数割当ては、2016年にMTNに対し2.6GHzで行われたのみであり、同10月にサービス開始、2018年3月の人口カバレッジは13%、カバー地域は10都市である。他のGSM事業者も2015年後半から2018年初頭にかけて既得の周波数帯(800MHz帯、2.3GHz帯等)を用いたサービスを開始しており、2018年3月までに大都市圏での利用が可能になった。加入数合計は2018年3月には約657万に達している。LTE-Advancedサービスは、2016年4月にntel、同6月にVDT Communicationsが導入したが、2018年3月現在、カバー地域は首都を含む数都市にとどまっている。

移動電話加入数及び普及率(2013-2017年)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
移動電話加入数(千) 127,246 138,960 150,830 154,342 144,920
移動電話普及率 74.1% 78.7% 83.2% 83.0% 75.9%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database

固定電話市場

移動電話加入者の増加に伴い、加入数の減少が続いており、2018年7月現在、固定電話の加入数は電話全体の0.1%強である。稼働しているPSTN回線数は約14万となっている。VoIPの提供は自由で、2社がサービスを提供し、2018年7月現在の加入数は10万強である。国営事業者Globacomのほか、MTN Fix、ipNX、21st Centuryがサービスを提供しているが、2018年7月現在、約11万のPSTNサービス加入者のうち、9万7,000を21st Centuryが占めている。

固定電話加入数及び普及率(2013-2017年)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
固定電話加入数(千) 361 183 187 155 139
固定電話普及率 0.2% 0.1% 0.1% 0.1% 0.1%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database

放送市場

ラジオ

FRCNのほか、各州が少なくとも一つのラジオ局を所有している。商業ラジオ放送事業者は、主にスポーツ、音楽等専門番組の放送を行っている。国際放送は、国営の「Voice of Nigeria」が7か国語で実施している。

テレビ

アフリカでは最大の市場である。NTA傘下の地方局のほか、州営テレビ局が約30局存在する。商業放送は、各1系統の放送を実施し、大手事業者にAIT等がある。地上デジタル放送は、NTAの八つの専門チャンネルのほか、有料放送2社が実施しており、StarTimesが約10チャンネル、マルチチョイス(ブランド名はGoTV)が4パッケージを提供している。

衛星放送

マルチチョイスが国内企業と合弁で1994年に設立したマルチチョイス・ナイジェリアが4パッケージを提供している。2007年にはHiTVが市場に参入したが2011年に撤退した。他のサービス事業者には、2008年に参入したDaarSat、2009年に参入したInfinity TVがある。

ケーブルテレビ

MMDSを利用した地方レベルの小規模事業者によるサービスが中心である。

重要政策動向

Nigerian ICT Roadmap2017-2020

通信技術省は、「Nigerian ICT Roadmap2017-2020」で、2020年までにICT関連産業の発展により250万の雇用創出とGDPの20%増という目標を設定し、若年層を中心としたICTスキル向上とスキルの活用機会増大のためのプログラムを提示している。

基礎データ集

国の基礎データ

政体
連邦共和制
面積
92万3,768㎢
人口
1億9,089万人(2017年)
首都
アブジャ
公用語
英語

経済関連データ

通貨単位
1ナイジェリア・ナイラ(NGN)=0.31円(2018年10月末)
会計年度
1月から1年間
GDP
3,757億USD(2017年)

出所:World Bank, World Development Indicators Database

法律

通信 2003年ナイジェリア通信法 等
放送 1992年国家放送委員会法 等

監督機関

通信 通信技術省、ナイジェリア通信委員会
放送 通信技術省、国家放送委員会