市場の動向
インターネット・ブロードバンド市場
2025年8月現在での固定ブロードバンド加入者は約380万である。接続方式別の加入者数はFTTHが約217万(市場シェア約57%)、DSLが約97万(同約26%)、HFCが約2万(同約1%)、W-CDMA及びLTEによる固定無線接続が約58万(同約15%)、CDMA2000 EVDOによる固定無線接続が約6万(同約2%)となっている。パキスタン電気通信株式会社(PTCL)が最大シェアの事業者で、その他の事業者には国内独立系ISPのCybernet、ケーブルテレビ事業者のWorldCall Telecom等が挙げられる。
固定ブロードバンド加入数及び加入率(2020~2024年)
| 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 2,443 | 2,949 | 3,128 | 3,357 | 3,683 | |
| 1.0% | 1.2% | 1.3% | 1.4% | 1.5% |
出所:ITU Data Hub
移動電話市場
2024年8月現在、PMCL(ブランド名:Jazz)、中国移動パキスタン(ブランド名:Zong)、テレノール・パキスタン、PTML(ブランド名:Ufone)の主要事業者4社による競争体制である。このほかにパキスタン軍と情報技術・通信省(MoITT)が、パキスタンが実効支配しているカシミール地域で運営する国営事業者SCO(Special Communication Organisation)が移動体通信を提供している。なお、パキスタンは、中国企業(中国移動パキスタン)に移動体通信事業者としての免許を与えている世界で唯一の国である。MoITTは、2024年5月に5Gオークションを実施、同年6月から商用サービスを開始する計画を示していたが、テレノール・パキスタンとPTCLの事業統合遅延等の不確実要素を勘案し、オークションを2026年に延期している。
移動電話加入数及び加入率(2020~2024年)
| 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 175,624 | 188,711 | 192,780 | 189,439 | 193,112 | |
| 74.7% | 78.8% | 79.1% | 76.5% | 76.9% |
出所:ITU Data Hub
固定電話市場
固定電話は有線と固定無線アクセス(FWA)で提供されている。PTA統計によれば、2024年6月末現在の有線固定電話加入数は約252万、FWA加入数は約6万1,000である。2024年6月現在、有線の固定市場シェアはPTCLが約85%を占める。PTCL以外の加入者10万以上の事業者は、有線事業者の政府系事業者NTCのみである。
固定電話加入数及び加入率(2020~2024年)
| 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 2,877 | 2,570 | 2,580 | 2,573 | 2,544 | |
| 1.2% | 1.1% | 1.1% | 1.0% | 1.0% |
出所:ITU Data Hub
放送市場
地上放送
地上放送には国営放送のパキスタン・テレビ放送会社(PTV)と商業放送のATVがある。PTVは「PTV Home」及び「PTV News」等の9系統で実施している。他方、商業放送最大手ATVは、2005年6月の完全民営化に合わせてSTNから名称変更し、主要都市を中心に1系統の放送を実施している。
衛星放送・ケーブルテレビ
パキスタン電子メディア規制委員会(PEMRA)は2025年10月現在で141の商業衛星放送チャンネルに免許を付与している。パキスタンではDTH放送は実施されていないが、PEMRAは2025年3月にDTH事業者の市場参入に関連して「2016年DTH配信サービス免許の適格性基準及び入札手続に関する規制(2025年改正)」を発効し、今後の市場立ち上げを企図している。また、パキスタンには多くのケーブルテレビ事業者が存在し、2023年6月現在で3,939社にケーブルテレビ事業者免許が付与されている。
重要政策動向
内閣は2025年7月、「2025年国家AI政策(National AI Policy 2025)」を正式に承認した。同政策は、「2025年デジタル国家パキスタン法(Digital Nation Pakistan Act 2025)」「デジタル・パキスタン政策(Digital Pakistan Policy)」等の枠組みに基づき、AIの倫理的かつ包括的な導入を通じて、同国を知識基盤型経済へと変革する国家戦略となる。同政策は以下の六つの柱(pillar)に基づき、責任あるAIの活用によって社会経済の発展と国際競争力の強化を目指す。①イノベーション・エコシステムの構築、②人材育成・リテラシー増進、③安全なAIエコシステム、④AI利活用の促進、⑤AIインフラの整備、⑥国際連携と協力。
基礎データ集
国の基礎データ
- 政体
- 連邦共和制
- 面積
- 79万6,095㎢
- 人口
- 2億5,127万人
- 首都
- イスラマバード
- 公用語
- ウルドゥー語(国語)、英語(公用語)
経済関連データ
- 通貨単位
- 1パキスタン・ルピー(PKR)=0.53円(2025年9月末)
- 会計年度
- 7月から1年間
- GDP
- 3,715億7,000万USD(2024年)
出所:World Bank, World Development Indicators Database
法律
| 通信 | 1996年電気通信再編法 |
|---|---|
| 放送 | パキスタン電子メディア規制委員会令 等 |
監督機関
| 通信 | 情報技術・通信省、パキスタン電気通信庁 |
|---|---|
| 放送 | 情報・放送省、パキスタン電子メディア規制委員会 |