世界情報通信事情 World Information and Communication Circumstances

Republic of the Philippines フィリピン(最終更新:令和2年度)

市場の動向

インターネット・ブロードバンド市場

インターネット接続は固定通信網の設備不足を反映して低水準である。支配的事業者PLDTと競争事業者グローブが市場を二分している。その他の事業者としては光ファイバ網運営事業者のConverge ICT Soltions等がある。

接続方法は2019年度以降、FTTxがDSLに代わり最大のシェアを有している。ケーブルモデム接続の普及は進んでいない。一方でWiMAXを始めとした固定無線アクセスがFTTxと同等のシェアを有する。

固定ブロードバンド加入数及び普及率(2015-2019年)

2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
固定BB加入数(千) 2,900 2,985 3,399 3,920 4,179
固定BB普及率 2.8% 2.9% 3.2% 3.7% 3.9%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database

移動電話市場

移動体通信市場は、PLDT傘下のスマートとグローブの複占市場である。PLDTは2011年10月に市場第3位の事業者であったディジテルを買収しており、この結果、移動体通信市場は現行の複占状態となった。

2019年7月に中国電信系列のDito Telecommunityが第3の事業者として移動体通信市場での営業を認可されたが、2021年3月の商用サービス開始を目指し、2020年3月に初の通話試験を実施、2020年第4四半期に試験サービスを実施した段階にある。

5Gについてはグローブが2020年2月に、スマートが2020年7月にマニラ首都圏の主要地域を皮切りに、マルチバンドのNSA方式による商用サービスを開始している。

移動電話加入数及び普及率(2015-2019年)

2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
移動電話加入数(千) 117,838 120,097 115,825 134,593 167,322
移動電話普及率 115.4% 115.9% 110.1% 126.2% 154.8%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database

固定電話市場

島嶼群により国家が構成されている地理的要件から固定電話の普及水準は低い。有線のほか、固定無線アクセス(FWA)も使用されている。PLDTが最大のシェアを有している。

固定電話加入数及び普及率(2015-2019年)

2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
固定電話加入数(千) 3,224 3,782 4,163 4,132 4,165
固定電話普及率 3.2% 3.6% 4.0% 3.9% 3.9%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database

放送市場

全国放送を行う代表的な事業者は、商業放送のABS-CBN、GMA、TV5 Network(PLDTが間接出資)の3社、及び国営放送のPTNI、IBCの2社である。ただし、しかし、ABS-CBNについては、長年にわたるドゥテルテ大統領との政治的対立を背景に、2020年5月の免許期間終了と同時に電気通信委員会(NTC)が放送停止を命令、系列局も含み放送が中止されることとなった。同年7月、下院議会の立法免許委員会はABS-CBNの事業免許更新を70対11の圧倒的な多数で否決、同年8月には最高裁判所がNTC命令の停止嘆願を却下、同年9月にはNTCはABS-CBNに割り当てられた周波数を返還するよう命令を下したため、ABS-CBNの事業継続は困難なものとなっている。

衛星放送事業者はCignal(PLDTが間接出資)、Dream Satellite TV、G Sat、SkyDirect(ABS-CBN傘下)の4社で、Cignalが加入者を200万以上有する最大手の事業者である。また、ケーブルテレビ事業者はSkyCable(ABS-CBN傘下)及びその子会社であるDestiny Cable、Global Cable(大手ニュース専門局GNN傘下)、Cablelinkが主要事業者で、SkyCableが半数近くの市場シェアを有している。

重要政策動向

国家ブロードバンド計画

情報通信技術省(DICT)は2017年6月に「国家ブロードバンド計画(National Broadband Plan:NBP)」を始動した。NBPによりブロードバンドの基幹網及び中継網が強化されることが期待されている。2020年までに国内全世帯に最低でも通信速度10Mbpsでのインターネット接続を提供することが目標とされている。

NBPは、フィリピン送電会社(National Grid Corporation of the Philippines:NGCP)等の電力事業者からのダークファイバの提供も含めて、政府所有の光ファイバ網によるバックボーン構築の第1フェーズを2020年前半までに終了しており、第2フェーズ以降では、すべての州を接続するための海底ケーブルの配備を計画している。

基礎データ集

国の基礎データ

政体
共和制
面積
30万㎢
人口
1億811万人
首都
マニラ
公用語
フィリピン語、英語

経済関連データ

通貨単位
1フィリピン・ペソ(PHP)=2.20円(2020年9月末)
会計年度
1月から1年間
GDP
3,767億9,551万USD(2019年)

出所:World Bank, World Development Indicators Database

法律

通信 公衆電気通信政策法
放送 大統領令第1986号 等

監督機関

通信 情報通信技術省、電気通信委員会
放送 電気通信委員会、大統領府広報部、映画テレビ審査格付委員会