AI基本法の施行
韓国は、EUに次いで世界で二番目に包括的なAI法とされる「AI発展と信頼基盤造成等に関する基本法(通称AI基本法)」が2026年1月22日から施行された。法律制定までに、AIの促進面と規制面のバランスをとるための議論に数年が費やされた。尹錫悦政権下ではAI規制の在り方に重点が置かれたが、最終的に李在明政権では規制を最小限化して促進に重きを置くことで調整された。AI事業者に対する義務や制裁も最小化された。また、制度運用上の混乱を避けるため、重大な問題が発生した場合の事実調査や過怠料に関する事項については、最低1年以上の啓発期間を設ける猶予措置が導入されている。
AI政策決定の司令塔
成長戦略の筆頭にAIを掲げる李在明政権では大統領自らが重要AI政策決定に乗り出す。そのための体制として、国のAI政策決定の司令塔として2025年9月に大統領直属の国家AI戦略委員会が立ち上げられた。大統領が委員長を務める。
AI基本計画
AI基本法を根拠に、AI産業振興と国家競争力強化のために政府は3年ごとにAI基本計画を策定することになっている。第一弾のAI基本計画として、2026年2月に「大韓民国AI行動計画(2026~2028)」がまとめられた。政府横断のAI基本計画は99の課題と326の政策勧告で構成される。創作者の権利保護と同時に著作物AI活用を促進する法制度改善方策やホワイトハッカーとの協力によるセキュリティ脆弱性発掘をする制度導入等が盛り込まれており、これらの政策が今後3年間で順次実施される。
フィジカルAI促進策
フィジカルAIの競争力は今後3年間が勝負として、政府は2026年からフィジカルAI促進策を本格化させている。第一弾として、フィジカルAIで世界的主導権を目指す「フィジカルAI中核競争力確保戦略」がまとめられた。同時に、これまで海外製に依存していた製造工場向けソリューションを国産技術に置き換える「フィジカルAI統合プラットフォーム」も公開された。